「デコヒーレンスの本」の版間の差分

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==数学的基礎==
 
ある瞬間t、ある場所xにおける、物体の「状態」を<math>\left . \Phi (x,t) \right.</math>と書く事にします。物体がはじめの時刻t0に位置x0にあったとしますと、<math>\left. \Phi (x_0,t_0) \right.</math>となるでしょうか。そうすると、物体の「状態」の変化を記述する方程式、すなわち運動方程式は次のように書けるかも知れません。
:<math>\Phi (x,t) = \hat{U} \Phi (x_0,t_0)</math>
ここで古典力学も含めて、全ての運動方程式、発展方程式がこのように書けるかどうかは判りませんが、
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この関係をユニタリ性(unitarity)と呼びます。ここで<math>\dagger</math>(dagger)は「エルミート共役(Hermitian conjugate)」を表します。
 
一見、これらの式は単純すぎるように思えます。しかし経験的に、物理学の基本法則は単純であると考えられているため、多くの人々にユニタリ性が受け入れられています(そして同時に、迷走の原因でもある)。もちろん、<math>\hat{U}</math>の具体的な形を色々考えたり、それ以外の付加的な項を与える事で、より実用的な式を作る事も可能です。しかし「実用的」という事は「正しい」「より真実に近い」という事を意味しない事に注意して下さい
 
量子力学において、<math>\hat{U}</math>の具体形は次の様になります。
:<math>\hat{U}=\exp \left\{ -\frac{i}{\hbar} \hat{H} (t-t_0)\right\}</math>
ここで<math>\hat{H}</math>はハミルトニアンです。
:<math>\hat{H}(x) \equiv -\frac{\hbar^2}{2m} \frac{\partial^2}{\partial x ^2} +U(x)</math>
ここで注意して欲しい事は、<math>\hat{H}(x)</math>と書いたとき、これはハミルトニアンは<math>x</math>の関数や演算子ですよ、という意味で、一方<math>\hat{U}</math>の中の<math>\hat{H}(t-t_0)</math>は、単にハミルトニアン<math>\hat{H}</math>に時間が掛かってるだけです。また、ハミルトニアンは普通、時間微分含まないので<math>\hat{H}(t-t_0)=(t-t_0)\hat{H}</math>と書いても一緒です。
 
'''この項は書きかけです。'''