「解析学基礎/微分2」の版間の差分
削除された内容 追加された内容
163 行
===対数関数の微分===
対数関数の微分を計算します。指数関数と密接な関係にあるので、指数関数の微分を用いるととても容易に計算できます。
まず、次のように 変数 ''y'' を定義します。
:<math>y = \ln\left(x\right)</math>
右辺の lnが 対数関数です。ln を用いる時は、底が ''e'' の対数関数、即ち、自然対数関数です。底が ''e'' で無いときなどは、log などを用いますので、特に、底が ''e'' である事を明示したい場合などは、 ln が使われます。 log という表記に慣れている場合は log だと思って頂いて構いません。日本の学校ではよく、 底が ''e'' でも log を用いて教えることが多いです。
''y'' の ''x'' による微分を求めるために次のような変形を行います。
:<math>e^y = x</math>
そして、 両辺を ''x'' で微分します。 特に左辺には ''x'' がありませんが、 ''y'' は ''x'' の関数として定義されていることを考えて、合成関数の微分を使います。
:<math> \frac{dy}{dx} \cdot e^y = 1</math>
''x'' = ''e''<sup>''y''</sup> という関係を再び使うと
になりますから、次の公式が得られます。
▲:<math> \frac{dy}{dx} = \frac{1}{e^y}</math>
<table WIDTH="75%"><tr><td style="background-color: #FFFFFF; border: solid 1px #D6D6FF; padding: 1em;" valign=top>
<center>'''
<math>\frac{d}{dx}\ln\left(x\right) = \frac{1}{x}\,\!</math><br>
</center></td></tr></table>
底が、''e'' で無い場合の対数関数は、底の変換公式を用いる事によって
:<math>\log_b(x) = \frac{\ln(x)}{\ln(b)} </math>
となり、1 / ln(''b'') は定数ですから、微分の外に出す事ができ
:<math>\frac{d}{dx}\log_b(x) = \frac{1}{\ln(b)} \cdot \frac{d}{dx} \ln(x) </math>
となります。したがって次の公式が得られます。
<table WIDTH="75%"><tr><td style="background-color: #FFFFFF; border: solid 1px #D6D6FF; padding: 1em;" valign=top>
<center>'''
<math>\frac{d}{dx}\log_b\left(x\right) = \frac{1}{x\ln\left(b\right)}\,\!</math><br>
</center></td></tr></table>
|