「解析学基礎/関数」の版間の差分

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関数の''値域(range)''とは、関数が取る全ての値の集合の事です。例えば
:<math>f(x) = \sqrt{1 - x^2}</math>
であれば <math>f(x)</math> の取る値は <math>0</math> 以上 <math>1</math> 以下となり、また、<math>0</math> 以上 <math>1</math> 以下の実数 <math>y</math> を選ぶと必ずそれに <math>f(x)</math> が等しくなる(即ち <math>f(x)=y</math> となる)ような <math>x</math> が存在します。従って、この <math>f</math> の値域は <math>[0, 1]</math> となります。また、この場合、<math>y=0</math> として、<math>f(x)=0</math> を満たす <math>x</math> を探してみると <math>x = \pm 1</math> となりますから、<math>y=0</math> に対応する <math>x</math> の値が <math>2</math> つあることになります。
 
<math>f</math> の取る値に対して、<math>x</math> <math>1</math> つしかないとき、関数<math>f(x)</math> は''1対1(one-to-one)''であるといいます。
:1対1の書き方は、''1:1''と書かれることもありますし、<math>f(x)</math> は'''単射'''であると表現されることもあります。
 
例えば、すぐ上で示したケースは <math>2</math> つあることが分かりましたから、1対1ではないということになります。
 
1対1である関数の例としては、<math> f(x)=x+2</math> などがそうです。考えられる値 <math>y</math> に対して<math>y=f(x)</math> を考えると、<math>x=y-2</math> という関係がすぐに分かります。<math>y</math> を決めると、<math>x</math> が一つに決まるということになります。逆に <math>x</math> <math>x=y-2</math> と取れば、<math>f(x)=y</math> ということがすぐにわかります。したがって、<math>x</math> を決めれば <math>y</math> が決まり、<math>y</math> を決めれば <math>x</math> が決まるという関係であることが分かります。これが、1対1という言葉の意味なのです。
 
====逆関数====