「初等数学」の版間の差分

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方程式の執筆
方程式の執筆
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さらに、 <math>x+5=0</math> と言うような方程式は正の有理数の範囲では解を持たない。
しかし、負の数という考え方を導入すれば、この方程式は <math>x=-5</math> と言う解を持つ。<br>
一次方程式の範囲(係数は有理数とする)では、正負の有理数の範囲で必ず解を持つ。しかし、二次方程式以上になると有理数では解を持たないものが存在する。そのことについては後々説明するつもりである。<br>
==== 方程式とは? ====
一次方程式の説明に入る前に、そもそも方程式とは何かについて考えてみよう。<br>
方程式とは、二つの式が等式で結ばれている時に、その等式を満たすような文字(主に<math>x</math>など)の値を求めることである。<br>
ここでよく考えると、単に等式と言っても3つの使い方がある。'''方程式'''、'''恒等式'''、'''定義式'''の3つである。それぞれの例を見ていこう。<br>
#* 方程式
** 方程式とはある数を入れた時にのみ等式が成り立つ、すなわち、左辺と右辺の値が等しくなるような等式のことである。<br>
** 方程式において、等式を満たすような文字の値を見つけることを'''方程式を解く'''と言う。<br>
** 例: <math>x^2+5x+6=0</math> と言う式は<math>x=-2,-3</math>の時にのみこの等式が成り立ち、その他の数を代入してもこの等式は成り立たない。<br>
#* 恒等式
** 恒等式とは文字にどんな値を代入しても、成り立つ等式のことである。<br>
** 例: <math>(a+b)^2=a^2+2ab+b^2</math> と言う式は<math>a</math>や<math>b</math>にどんな数を代入しても成り立つ。(もちろん、左右の<math>a</math>同士、<math>b</math>同士は同じ数を代入する。)<br>
#* 定義式
** 定義式とは、ある文字をどのような数にするかと言うようなものである。<br>
** 例: <math>a=5</math>とする のような式である。この式は<math>a</math>が5であると言うことを示している。
 
 
また、方程式の種類に関する用語を説明しておく。<br>
n次方程式・・・n次方程式とは最高次数がn次の方程式を言う。つまり、最高でn個の文字が掛け合わされている方程式のことを言う。<br>
例: <math>3x+2=5</math> は1次方程式である。 <math>x^3+2x^2+3x+4=0</math> は3次方程式である。<br>
n元方程式・・・方程式の中にn種類の文字が使われているような方程式である。<br>
例:3x+2y=5 は2元方程式である。<math>x^2+2y+3z=0</math> は3元方程式である。
==== 一次方程の性質 ====
等式の性質には次のようなものがある。<br>
一次方程式
a=b のとき次のことが成り立つ。(cは定数)<br>
# a+c=b+c a-c=b-c
# ac=bc <math>{a \over c}={b \over c}</math>(ただしc≠0)
 
==== 1元1次方程式 ====
1元1次方程式とは文字がひとつ、その文字の次数も1であるようなもっとも単純な方程式である。この方程式を解くことが、すべての方程式を解くことの基礎となる。<br>
例:<math>3x+5=0</math>  <math>{(2a+5) \over 3}+{(5a+8) \over 4}=10</math><br>
2つ目の例は複雑だが、よく見ると文字は1つ(a)しか使われておらず、次数も1であるので、1元1次方程式である。<br>
また、1元1次方程式の性質として、整理すると ax+b=0 の形に整理できる。<br>
この形に整理できれば、移項して両辺をaで割り、 <math>x=-{b \over a}</math> となる。これがこの方程式の解である。<br>
=== 方程式と不等式 ===
== '''初等幾何学''' ==