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==DTM入門==
[[w:DTM|DTM]]
ここでは、[[w:Linux|Linux]]を利用してMIDIを作成し、ソフトウェア音源を利用して実際に音を鳴らすまでの手順について述べます。Linuxについては[[UNIX/Linux入門]]などを参照してください。
===MIDI===
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最初に[[w:MIDI|MIDI]]について解説します。元々計算機で音を扱う方法として、空気の振動を電気的な波形に変換し、それを離散化してデジタルデータとして扱うことができることを[[高等学校情報C]]で述べました。計算機上で、音を扱う方法は基本的にこれ1つしかありません。
コンピュータ上の音楽ファイルとしては[[w:WAV|WAV]]ファイル、[[w:MP3|MP3]]ファイル、[[w:Ogg Vorbis|Ogg Vorbis]]ファイルなど、様々な保存形式があり、これらはどれも異なった方法で音を扱っているように思えます。しかし、実際にはこれらはどれも同じデータ
残念なことにデータの圧縮は数学的な過程でこれらの違いを理解することは非常に困難で
ここまででコンピュータが音を扱う方法は基本的に1通りしか無いことを述べて来ました。MIDIはいくつかの方法で用いられますが、MIDIもまたコンピュータ上で音を扱う方法で
もちろん楽譜と音は互いに異なったもので
▲ここまででコンピュータが音を扱う方法は基本的に1通りしか無いことを述べて来ました。MIDIはいくつかの方法で用いられますが、MIDIもまたコンピュータ上で音を扱う方法です。しかし、これまでに見てきた方法とは本質的に異なった方法で音を扱います。より正確にいえば、音そのものではなく楽譜のデータを扱う方法といった方がよいかも知れません。
▲もちろん楽譜と音は互いに異なったものです。楽譜は音そのものではなく、楽譜にそって演奏された音楽が音です。そのため、楽譜の情報を扱うMIDIと音を扱うOggなどの形式は本質的に異なった情報です。
ただし、ソフトウェアシンセサイザなどのソフトウェアを利用すると、あたかもMIDIファイルが音を扱うファイルであるかのようにMIDIファイルの内容を演奏できてしまいます。そのため、MIDIファイルが音を扱う形式であると述べても決して間違いとはいえません。しかし、MIDIファイルとOggファイルが扱う情報は本質的に異なったものであるという事ははっきりさせておく必要があります。▼
▲ただし、ソフトウェアシンセサイザなどのソフトウェアを利用すると、あたかもMIDIファイルが音を扱うファイルであるかのようにMIDIファイルの内容を演奏できてしまいます。そのため、MIDIファイルが音を扱う形式であると述べても決して間違いとはいえません。しかし、MIDIファイルとOggファイルが扱う情報は本質的に異なったものであるという事ははっきりさせておく必要があ
===MIDIの構成===
音を扱う情報と楽譜を扱う情報は非常に異なってい
まず、楽譜が扱う情報は(あまり)曖昧さがありません。音の高さ1つを取っても例えばミとファの間には音は存在しないことになっています。一方、 音自体を情報として扱う視点から見れば、ミの音は周波数659Hzの音であり、ファの音は周波数698Hzの音
このことから分かる通り、楽譜が扱う音は実際に音そのものとして存在し得る音よりもかなり少ない種類の音を扱います。このことは、情報をデジタル化することを考えるとありがたい
ここまででMIDIが扱う情報の性質に付いて述べました。次に、実際のMIDIがどのような情報を扱っているかについて述べます。まず最初に、どんな情報を扱うかを直観的に述べ
楽譜を扱う上で重要な情報はある音程の音を出力する
▲ここまででMIDIが扱う情報の性質に付いて述べました。次に、実際のMIDIがどのような情報を扱っているかについて述べます。まず最初に、どんな情報を扱うかを直観的に述べます。そのあと実際の情報の表し方も述べますが、これは[[w:プログラマ|プログラマ]]向けの内容なのでMIDIを使うことが目的ならそこは読まなくてもよいでしょう。
基本的なMIDIはNOTE_ONとNOTE_OFFの命令を繰り返すことで構成され
また、実際の演奏で利用される楽器の種類も、楽譜によって指定され
▲楽譜を扱う上で重要な情報はある音程の音を出力することです。MIDIでは、この命令のことをNOTE_ONと呼びます。また、反対の命令として、ある音程の音の出力を取り止めることをNOTE_OFFと呼びます。
▲基本的なMIDIはNOTE_ONとNOTE_OFFの命令を繰り返すことで構成されます。しかし、楽譜に記述される情報はそれだけではありません。例えばある曲においては、楽譜の複数部分を同時に演奏する必要があります。例えば、[[w:ピアノ|ピアノ]]は両手で演奏される場合には、弾き手は楽譜の2つの部分を同時に演奏する必要があります。MIDIでは、これらの楽譜の部分をチャンネルと呼びます。MIDIを扱う場合には複数のチャンネルを扱う方法を規定する必要があります。
命令 データ▼
▲また、実際の演奏で利用される楽器の種類も、楽譜によって指定されます。そのため、MIDIではいくつかの楽器を使い分ける必要があります。<!-- これらの情報は、通常トラックの最前部に記録され、演奏を始めるときに読み出されます。 -->
というフォーマットで記述される[[w:バイト]]列を使います。命令、データともにバイト列ですが、データの量は、命令の種類によって変化し
各々の命令に対して、トラックを扱う手段が必要です。MIDIが同時に扱えるトラックは少なくとも16種類あることが保証されてい
▲ここからは実際に上で述べられた情報がどのようにデジタルデータとして扱われているかについて述べます。MIDIは情報を扱う手段として
▲ 命令 データ
▲というフォーマットで記述される[[w:バイト]]列を使います。命令、データともにバイト列ですが、データの量は、命令の種類によって変化します。命令の種類は数多いのですが、ここではNOTE_ONと、NOTE_OFFだけを扱います。
▲各々の命令に対して、トラックを扱う手段が必要です。MIDIが同時に扱えるトラックは少なくとも16種類あることが保証されています。そのため、16種類のトラックに対して、NOTE_ON、NOTE_OFFを送る命令があればよいわけです。
▲チャンネルn(n<16)に対するNOTE_ON命令は次の命令で表されます。
0x9n 0x.. 0x..
ここで、nは、
NOTE_OFF命令も同じように2バイトのデータをとります。チャンネルnに対するNOTE_OFF命令は
0x8n 0x.. 0x..
となる。ここで、NOTE_OFFの場合には音の強さは関係ないのでデータの2バイト目は任意の値を設定する。
実際の演奏ではNOTE_ONとNOTE_OFFの間の時間、つまり対応する音の演奏時間も伝達されます。この時間のことをデルタタイム (Delta Time) と呼びます。デルタタイムは特殊な形式で書かれるのでMIDIファイルを読むときには注意が必要で まず、デルタタイムを表すバイトについて、最後のバイトについては0、それ以外のバイトについては1と、各バイトの最も左のビットを設定
▲まず、デルタタイムを表すバイトについて、最後のバイトについては0、それ以外のバイトについては1と、各バイトの最も左のビットを設定します。これによってMIDIを扱うプログラムはどこまでがデルタタイムを表すバイトなのかを判断できます。実際のバイト列は次のようになります。
1xxxxxxx 1xxxxxxx ... 1xxxxxxx 0xxxxxxx
実際の時間は各々のバイトについて最も左のバイトを取り去り、それ以外のビットを全てつなげた値で計算
0xxxxxxx
で表され、0から127=<math>2^7</math>単位までの時間経過を表せます。2バイトでは
1xxxxxxx 0xxxxxxx
となり、0から、16384=<math>2^{14}</math>単位までの時間経過を表します。▼
例えば、童謡'かえるのうた'の最初のフレーズである'ドレミファミレド'をチャンネル0で演奏するには(ただし、デルタタイムは160単位、音の強さは40とします)、▼
90 60 40 81 20 80 60 7f 00(ド)
90 62 40 81 20 80 62 7f 00(レ)
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90 62 40 81 20 80 62 7f 00(レ)
90 60 40 81 20 80 60 7f 00(ド)
とな
1000 0001 0010 0000 -> 000 0010 010 0000 = <math>2^8 + 2^5</math>= 128+32 = 160
とな
===MIDIソフトウェアシンセサイザ===
ここまででMIDIがどのように楽譜の情報をデジタル化するかを見て来ました。ここからはこの情報を実際に音の情報に変換する方法について述べ
最も簡単な音の合成は対応する音程の[[w:正弦波]]を順番に書き込んで行くことです。ただし、サンプルレートの問題があるので、手作業で正弦波を作成しても正しい音程で演奏されないことが予想されます。一般に正しいサンプルレートで演奏するには、サンプルレートを指定できる形式で保存し、後にその形式の音楽ファイルを再生するのが簡単です。<!-- (手作業で音楽ファイルを作るのは無駄でも不必要でもないしどちらかといえば面白いことだと思う。しかし、今必ずやるべきことではないようにも思う。もっとも先のことはわからないのだが ... 。) -->
ここでは正弦波を作成するプログラムとして、[[w:en:SoX]]を利用します。SoXは音楽ファイルを扱うための簡潔なコマンドラインプログラムで、機能の1つとして正弦波、矩形波の合成があ
$sox infile outfile synth sine n
というコマンドを使います。ここで、infileは音楽ファイルですが、outfileの長さを定めるためだけに使われます。<!-- (sox-12.17.9での場合である。これは少し妙な動作なのでそのうち変わるかも知れない。というか人任せではいけないのだが ... 。) -->
各々の音の周波数は半音離れるごとに<math>2^{1/12}</math>だけずれることと、440Hzがラの音に対応すること([[音階]]を参照)を考えることで、上で用いたドレミファミレドは、
ド:523Hz
レ:587Hz
ミ:659Hz
ファ:698Hz
SoXでは作成した音楽ファイルをつなげて一つの音楽ファイルを作成することができます。音楽ファイルをつなげるためには、
$sox infile1 infile2 ... infilen outfile
のコマンドを利用します。 ▼
ここまでで簡単な音楽合成を行う方法を述べました。しかし、実際の音楽演奏では音は正弦波ではなく、より複雑な波形を持っていることが普通です。▼
このような複雑な波形を合成するには、あらかじめ対応する楽器の波形を記録しておき、適宜その波形を出力することが有効な手段となります。このように波形のデータから音楽データを合成するソフトウェアをシンセサイザ([[w:en:Synthesizer|en:Synthesizer]])と呼びます。また、楽器に対応する波形データとしてサウンドフォント[[w:en:SoundFont|en:SoundFont]](.sf)が知られています。▼
▲このような複雑な波形を合成するには、あらかじめ対応する楽器の波形を記録しておき、適宜その波形を出力することが有効な手段とな
ここではシンセサイザとしてTimidity++([[en:w:Timidity]])を利用します。ここからはTiMidity++の使い方を説明しますが、既に何らかの方法でMIDIが再生できる場合にはこの章はとばして次に進んでください。▼
====Timidity++====▼
▲ここではシンセサイザとしてTimidity++ ([[en:w:Timidity]]) を利用します。ここからはTiMidity++の使い方を説明しますが、既に何らかの方法でMIDIが再生できる場合にはこの章はとばして次に進んでください。
▲====Timidity++====
===MIDIシーケンサ===
ここまででMIDIを再生する方法について述べました。ここからはMIDIを作成する方法について述べ
MIDIを作成するソフトウェアをMIDIシーケンサと呼
====Rosegarden====
==外部リンク==
{{stub}}▼
* [http://www.midi.org MIDI Manifacturers association]▼
▲{{stub}}
▲MIDI Manifacturers association
▲ http://timidity.sourceforge.net/
▲ http://www.rosegardenmusic.com/
[[Category:音楽|DTM]]
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