「デコヒーレンスの本」の版間の差分

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平行宇宙
111 行
:<math>\Phi (x,t) = \int_{-\infty}^{\infty} dx_0 \ \hat{U} \Phi (x_0,t_0)</math>
意味わかりますでしょうか? ある時刻tある座標xでの波というのは、それ以前の時刻t0にあらゆる場所(無数のx0)にいた波のうち、位置xに向かってきたもの、の足しあわせになっているという事です。
 
この<math>\hat{U}</math>を演算子でなく、普通の関数<math> \left. U(x,t|x_0,t_0) \right.</math>で表す事が出来ます。これがファインマン博士による「経路積分(Path integral)」というテクニックです。
 
:<math>\Phi (x,t) = \int_{-\infty}^{\infty} dx_0 \ U(x,t|x_0,t_0) \Phi (x_0,t_0)</math>
 
この<math> \left. U(x,t|x_0,t_0) \right.</math>をファインマンプロパゲーターと言うらしいです。その具体形は系のラグランジアンが2次形式(<math>q,\dot{q},p</math>の2次の項まで含む)の場合、厳密に
:<math>U(x,t|x_0,t_0) \propto \exp \left\{ \frac{i}{\hbar} S^{cl} (x,t|x_0,t_0)\right\} </math>
となります。ここで<math>\left. S^{cl} \right.</math>は古典的作用積分です。指数関数の肩に虚数単位<math>\left. i \right.</math>が入っていますので、これは実際には三角関数の様に波打つ関数になります。そしてその波のもっとも強い所が、この古典的作用積分<math>\left. S^{cl} \right.</math>で表されるような古典的経路となります。プランク定数<math>\left. \hbar \right.</math>よりも作用積分がずっと大きいエネルギー領域では、本当に古典的経路にそってしか波の山が存在しないらしく、この事が、私達の住む世界で古典的な運動しか実現しない理由と言われています。
 
'''この項は書きかけです。'''