「ファイナンシャル・プランニング技能士試験/ライフプランニングと資金計画」の版間の差分

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===FPの社会的役割===
===FPの職業的原則===
FPは正しい情報を開示し顧客が自分で決定する[[w:インフォームド・コンセント|インフォームド・コンセント]]が求められる。
====顧客利益の優先====
FPは正しい情報を開示し顧客が自分で決定する[[w:インフォームド・コンセント|インフォームド・コンセント]]が求められる。
====守秘義務の厳守====
顧客情報を利用する場合は、利用目的を示し、必ず本人の同意を得ること。[[w:個人情報保護法|個人情報保護法]]において、個人情報とは氏名や電話番号、個人の識別ができる時の顧客コードなどがある。また、過去6ヵ月間で一度でも5,000人超の個人データを扱えば個人情報取扱事業者とされる。当該事業者でなくてもFPは守秘義務の倫理規程を遵守すること。
 
==ファイナンシャル・プランニングと関連法規==
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保険募集人でないFPは、保険契約の募集はできない。
=== 投資顧問業法 ===
FPは投資判断の営業具体的な助言をしてはならない。
=== 弁護士法 ===
相続に関する相談を受けた場合、FPは具体的な法律判断をしてはならない。事件性にかかわらず、遺言書作成の指導をしてはならない。
 
==ライフプランニングの考え方・手法==
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====各ライフステージにおける一般的テーマ====
====ライフステージ別資金運用====
30代は保障設計や貯蓄計画を立てること。40代は、教育資金・住宅資金の2大資金の対策が必要である。50代は老後資金づくりの最後のチャンスである。60代が資金を運用するときは安全性を重視する。
===ライフプランニングの手法、プロセス===
====顧客情報等各種の情報の収集・把握の方法====
必要資金の目標を明確化すること。
顧客の生年月日から公的年金の受給開始などの年齢を把握する際の、西暦に換算する方法は、昭和から西暦に変換するときは25を足し、西暦から平成に変換するときは12を足す。
====ライフイベント表の作成====
子供の[[w:学齢|学齢]]は12月末時点の年齢で統一するので、早生まれの場合、6歳で小学生・12歳で中学生・15歳で高校生・18歳で大学生のライフイベントを迎える。遅生まれの場合は入学年齢がそれぞれ1年遅れになる。
====キャッシュフロー表の作成====
将来の収支状況や貯蓄残高など予想した表をキャシュフロー表という。年間の可処分所得は、年間収入から税金(所得税・住民税)と社会保険料を差し引いた額である。
====個人のバランスシートの作成====
バランスシート分析では、資産合計から負債合計を引いた純資産を求める。
 
====提案書の作成====
=====必要保障額の計算=====
=====係数の意味と活用=====
ある金額に年数と利率を組み合わせた特定の係数を乗ずると資金計画のシミュレーションができる。ある金額を複利で運用したときの最終的な元利合計額は、元本に終価係数を掛けて計算する。毎年いくら積み立てればよいかを求めるには「目標貯蓄額 * 減債基金係数」が使用される。ある金額を均等に取り崩したときに毎年受け取れる金額を求めるには資本回収係数が用いられる。毎年一定額を積立運用したとき、ある年間の元利合計を求めるには年金終価係数が使用される。毎年一定額の年金を受け取りたい場合の元金を算出するには年金原価係数が使用される。
 
==社会保険==
===社会保険制度の全体像===
健康保険と[[#厚生年金保険|厚生年金保険]]はセットの社会保険で、パートタイマーは所定労働時間と所定労働日数が常勤職員の4分の3以上でないと、これらの被保険者になれない。
===公的医療保険===
====公的医療保険の全体像====
====[[w:健康保険|健康保険]]の仕組み====
健康保険は、被保険者や被扶養者の業務外の病気・ケガ・死亡などに保険給付をする公的医療保険である。雇用されている人が加入する被用者保険には政府[[w:全国健康保険協会|全国健康保険協会]]管掌健康保険(協会けんぽ)と、組合管掌健康保険がある。60歳以上の人が健康保険の被扶養が出産したときになるには、1児ごとに35年収が180万円の出産育児一時金が支給される。3歳未満の子の養育のために育児休業をしているかつ被保険者は、事業主届出により保険料2分の1未満という定義免除される。
70歳以上の一定以上所得者は3割負担で、その[[w:高額療養費|高額療養費]]の自己負担限度額は「世帯ごとの外来と入院の限度額 = 80,100円 +(総医療費-267,000円)* 1%」、4回目以降の支給を受ける場合の一部負担金は44,400円である。被保険者が出産したときには、1児ごとに38万円(2009年10月からは42万円)の出産育児一時金が支給される。3歳未満の子の養育のために育児休業をしている被保険者は、事業主の届出により保険料が免除される。
====[[w:国民健康保険|国民健康保険]]の仕組み====
保険者である市区町村に住所がある者で、職域保険の加入者とその被扶養者・生活保護を受けている世帯・後期高齢者医療制度の加入者を除き、全員が自動的に加入する。地域保険とも呼ばれる。
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退職して再就職しない場合も、要件を満たせば引き続き2年間に限り健康保険の任意継続保険者になれる。
====[[w:介護保険|公的介護保険]]の仕組み====
介護保険の保険者は市区町村である。介護保険の第1号被保険者はその区域内に住所がある65歳以上の人で、第2号被保険者は同様の40歳以上65歳未満の医療保険加入者である。介護保険給付が受けられる要介護の対象は、要介護状態の65歳以上か・老化による疾病で介護状態のや支援が必要になった40歳以上65歳未満の人である。交通事故にあった第2号保険者には支給されない。介護保険料は、市町村によってことなる。
====公的医療制度の最近の動向====
===[[w:労働者災害補償保険|労働者災害補償保険]]===
====労働者災害補償保険====
労災保険の対象者は、すべての労働者である。仕事中や通勤途上のケガ・傷害・死亡などの災害を補償する。
====保険給付の種類と内容====
療養給付は10割給付なので自己負担はない。休業補償給付は、4日以上休業しその賃金が支給されないとき、休業4日目から給付基礎日額の60%が支給される。
====特別支給金制度====
====特別加入制度====
===[[w:雇用保険|雇用保険]]===
====雇用保険の仕組み====
雇用保険率は事業主と被保険者が負担し、一般の事業における被保険者の保険料は6‰0.4%ある。短時間労働被保険者になるには、1週間の所定労働時間が20時間以上で、6ヵ月以上の雇用が見込まれる等の要件がある。
====失業等給付====
基本手当の所定給付日数は、離職理由・被保険者の年齢および期間で異なる。就職が困難でない非特定受給者で被保険者期間20年以上の場合、150日が所定給付日数である。教育訓練給付金は、教育訓練費用の20%(上限10万円)であり、在職している人にも支給される。高年齢雇用継続給付金は、被保険者期間が5年以上の60歳以上65歳未満で、賃金が60歳時の75%未満になった人に一定額給付される。
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過去に厚生年金に加入していて最後が国民年金の場合、住所地を管轄する社会保険事務所に裁定請求する。原則として、偶数月の各15日にその前月分を合わせた2ヵ月分が支払われる。
===[[w:国民年金|国民年金]]===
国民年金の第1号被保険者は、日本国内に住所がある20歳以上60歳未満の人で、自営業者、農業者、学生と、その配偶者などである。無職の人も第1号被保険者である。第2号被保険者に年齢要件はない。第3号被保険者は、20歳以上60歳未満で、第2号被保険者の被扶養配偶者である。日本に住所がない日本国籍の人も任意で加入できる。
保険料は月額14,410660円(平成2021年4月 - 平成2122年3月、スライド改定される)である。[[w:学生納付特例制度|学生納付特例制度]]を申請すると、本人の所得によっては保険料の納付が猶予される。保険料は10年以内であれば追納ができる。
===[[w:厚生年金|厚生年金]]保険===
すべての法人は厚生年金適用事業所となる。5人以上の個人事業所も強制加入になる。保険料は総報酬制が導入されていて、保険料率は2017(平成29)年の18.30%になるまで毎年上がっている。平成19年(2007年)4月から、離婚時の厚生年金の分割ができるようになった。
===共済年金===
===老齢給付===
[[w:老齢基礎年金|老齢基礎年金]]は25年以上の受給資格期間(保険料納付済期間・保険料免除期間・合算対象期間の通算)を満たし65歳から支給される。繰上げ受給の減額率は、昭和16年4月1日以前に生まれた人は年単位、2日以降に生まれた人は月単位で計算する。繰上げ受給が決まれば、減額は一生涯続き取り消し・変更はできない。また、障害年金や寡婦年金も受給ができなくなる。
 
老齢基礎年金の需給要件プラス厚生年金の被保険者期間が1ヵ月以上であれば、65歳から老齢厚生年金が受給できる。特別支給の老齢厚生年金は、60歳以上で厚生年金の被保険者期間が1年以上であれば生年月日に応じた支給年齢により受給でき、男性は昭和24年4月1日・女性は昭和29年4月1日までに生まれた人であれば支給される。定額部分を算出するための被保険者期間には上限があり、昭和21年4月2日以降生まれの場合、480ヵ月(40年)である。老齢厚生年金の受給権が発生した65歳未満の人が[[#失業等給付|失業等給付]]を受けるときは、失業等給付が優先され老齢厚生年金は支給停止になる。
60歳以上で厚生年金の被保険者でいながら受給する老齢厚生年金のことを在職老齢年金という。
===[[w:障害年金|障害給付]]===
保険料滞納期間が3分の1以上でなければ保険料納付要件を満たしている。年金の基本額は1級の場合、2級年金額の1.25倍である。
===[[w:遺族年金|遺族給付]]===
遺族基礎年金は保険料納付期間の3分の2以上が受給要件であり、その対象者は、死亡した人と生計維持関係にあった子のある妻、または子のいずれかである。遺族厚生年金の短期要件は、厚生年金の被保険者が死亡被保険者期間中の初診日から5年以内に死亡などがあり、る。厚生年金の被保険者期間が20年以上ある夫が死亡すると中高齢寡婦加算がプラスされる。中高齢寡婦加算は遺族基礎年金と併給できない。経過的寡婦加算は昭和31年4月1日以前に生まれた妻のみを対象にしている
 
==企業年金・個人年金等==
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====各業態別個人年金商品====
===財形年金===
====[[w:勤労者貯蓄制度|財形貯蓄制度]]の概要====
====財形年金の仕組みと商品====
財形年金貯蓄の加入要件は、55歳未満の労働者・積立5年以上・60歳以降5年以上20年以内の受け取り期間、などがある。
====財形年金の仕組みと商品====
非課税限度額は、財形年金貯蓄の保険型のみに限り385万円までである。住宅取得が目的の払い出しは要件違反になり課税される。
 
==年金と税金==
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権利を登記するときには[[w:登録免許税|登録免許税]]が課される。
====[[w:住宅ローン|住宅ローン]]の仕組み====
住宅ローンの返済方法は[[w:元利等返済|元利等返済]]と[[w:元金均等返済|元金均等返済]]に大別され、元利金等返済は毎回の返済額が一定である。
====住宅ローンの種類と内容====
一定以上の[[w:勤労者財産形成貯蓄制度|財形貯蓄]]をしてる等の要件を満たせば、財形住宅融資を受けられる。融資の種類は、財形転貸融資・財形直接融資がある。
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公的融資への借換えはできないが、民間住宅ローンへの借換えは可能である。
====住宅ローンの繰上げ返済====
元金を多くまとめて返済することを繰上げ返済といい、元金を繰り上げるとその部分の利息額がカットされる。返済期間短縮型では元金に相当する期間の返済が短くでき、早期に行うと利息軽減効果が大きい。返済額軽減型は毎月の負担を軽くしたいときに使える。デフレの環境では余裕資金を返済に充てると家計が改善されることがある。
====住宅の買換え、建替え、リフォーム、バリアフリー化等====
===教育資金プランニング===
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郵政民営化前に預入れた教育積立郵便貯金は、積立が終了すると融資が受けられる。
====[[w:教育ローン|教育ローン]]・[[w:奨学金|奨学金]]====
国民生活[[w:日本政策金融公庫|日本政策金融公庫]]を通した国の教育ローンには、教育一般貸付、教育積立郵便貯金者貸付(郵貯、年金教育貸付)の2つがあるが郵貯貸付は郵政民営化で廃止、年金教育貸付は斡旋業務が休止されている。いずれも返済期間が最長10年の固定金利である。使用用途は下宿費・学生の国民保険料にも当てられる。教育一般給付の融資限度額は1人につき最高200万円である。年金教育貸付は厚生年金加入者であれば最高100万円の融資となる。民営化前に積み立てた郵貯貸付において、年収制限く積立額と同額(200万円が上限)の融資が受けられる
[[w:日本学生支援機構|日本学生支援機構]]の奨学金制度には、第一種奨学金(無利息)と第二種奨学金(利息付)がある。
===リタイアメントプランニング===
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=====公的医療保険制度・介護保険制度=====
=====民間医療保険=====
 
==中小法人の資金計画==
===[[w:資金調達|資金調達]]のプランニング===
====財務状況の把握====
上場企業のみがキャシュフロー計算表の作成が義務づけられている。
====資金調達の方法====
金利・調達期間・担保や保証人など、適切な調達方法を選ぶこと。
====資金管理====
1日単位・月次の資金繰り表を用い、現金収支の管理をすること。
===資金調達の種類と特性===
国や自治体からの補助金・助成金も活用できる。
 
==ローンとカード==
===クレジットカード===
====各種クレジットカードの種類と特徴====
カードは貸与されたものである。決済は基本的に後払いである。少額であればサインなしの場合もある。
====利用上の留意点====
名義者に過失がなければ、不正使用された時に請求金額を払うことはない。
===[[w:デビットカード|デビットカード]]等新たな決済手段===
デビットカードは、キャッシュカードを利用して銀行等の口座から即時決済するシステムを持つカードである。
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==ライフプランニングと資金計画の最新の動向==
政府管掌健康保険は、2008年(平成20年)10月から[[w:全国健康保険協会|全国健康保険協会]]管掌健康保険(協会けんぽ)に移管される。国民生活金融公庫は、平成20年(2008年)10月から日本政策金融公庫に移行する。