「線型代数学/序論」の版間の差分

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Ninomy (トーク | 投稿記録)
線型代数学/線型方程式 2009年5月31日 (日) 09:57 (UTC)より #用語解説 を移動; 執筆者: Mi-yan
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== 線形代数学を学ぶ意味 ==
線形代数学は、多くの理工系の大学において必修とされている、数学の中でもとても重要な分野である。ここでは、線形代数学を学ぶ意味について解説します述べる
 
線形代数学とは、端的に言ってしまえば、「まっすぐなもの」を扱う方法を学ぶ分野である。「曲がっているもの」の扱いは難しいのですが、「まっすぐなもの」については美しい理論ができあがっており、その理論に基づけば、簡単に正しく扱うことができます
 
世の中にあるものの多くは「まっすぐ」ではありませんないが、近似的には「まっすぐ」とみなすことができることはしばしばあります。そのような場合、曲がったまま扱うのは難しくても、「まっすぐ」に近似した上で線形代数学の理論を適用すると簡単に扱えることがあります。例えば、曲がったグラフに接線を引く微分」という操作は、このような扱いの代表例である
 
== 線形代数学で学ぶ内容 ==
上に書いたような「まっすぐなもの」の集合を'''線形空間'''と言う。す。そして、線形空間から線形空間への「まっすぐな」写像を'''線形写像'''といいます。線形代数学の理論によると、多くの線形空間では、'''基底'''というものを取ることによって、元はベクトルで、線形写像は行列で表せることがわかっています。そこで、まずは行列の扱い方を学びます。行列、その基本的な扱い方が一通りわかっ習得した後、線形空間や線形写像についての一般論を学びます。その一般論を用いると、より高度な行列の扱い方を知ることができます。その中でも'''ジョルダン標準形'''の理論は実用上も重要な理論です。線形代数学では、このような内容を学びますある
 
== 本書で用いる記号 ==
<!-- 前提知識はここでさらっておく。N、Z、Mなどの記号の導入など。 -->
「ものの集まり」を'''集合'''という。集合を構成するものを'''元'''または'''要素'''という。''a'' が集合Aの元であることを<math>a\in A</math>で表す。以下、おもな集合を挙げる。本書では今後断りなしにこれらの記号を用いる。
 
*<math> \R </math> … = {実数} ; 実数全体の集合
==用語解説==
*<math> \CN </math> … 複素 = {自然数} ; 自然数全体の集合
この章で出てきそうな用語の意味を下にまとめておく。
*<math> \QZ </math> … 有理 = {整数} ; 整数全体の集合
 
*<math> \C </math> って何?、って思った人は先にここを見ておこう= {複素数} = <math>\{ x+iy | x,y\in\R\}</math> ; 複素数全体の集合
*<math> \Q </math> = {有理数} = <math>\left\{ \frac{m}{n} \Big| m,n\in \Z\right\}</math> ; 有理数全体の集合。
 
*<math> \bold K </math> ; 任意の体。体というのは、四則演算に対して閉じている集合。上の3つ本書で特に断りない限り、<math> \bold K = \R</math>または<math> \bold K = \C</math>とする
<math> \R </math> … 実数全体。
*<math> \ M(m,n; \bold K) </math> … 体Kの元を成分として取る、m×n行列全体。特に正方行列のときは<math> M(n; \bold K) </math> と書く。
 
<math> \C </math> … 複素数全体。
 
<math> \Q </math> … 有理数全体。
 
<math> \bold K </math> … 任意の体。体というのは、四則演算に対して閉じている集合。上の3つはその例。
 
<math> \ M(m,n; \bold K) </math> … 体Kの元を成分として取る、m×n行列全体。特に正方行列のときは<math> M(n; \bold K) </math> と書く。