「高等学校数学III/極限」の版間の差分

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となる。
;証明
高等学校における極限の定義範囲仕方ではうまく証明することができない。興味を持った人は微分積分学の教科書を参照してほしい。ここでは、直感的に成り立ちそうなことを理解してほしい。■例えば、[[解析学基礎]]などを参照。
 
<small>興味を持った人は大学1年生程度を対象とする微分積分学の教科書を参照してほしい。例えば、[[解析学基礎]]など。</small>
 
次に、'''はさみうちの原理''' を紹介する。
181 ⟶ 183行目:
または
:<math>\sum_{n=1}^{\infty}a_n = S</math>
 
また、級数 <math>\{S_n\}</math> が発散するときその和は考えない。
<small>2番目の表記はシグマ記号を使わない分直感には訴えやすい面もあるが、注意深く表記しないと「…」の指すものがはっきりしないため、あまり好ましくない。</small>
 
また、級 <math>\{S_n\}</math> が発散するとき級数考えな発散すると
 
;例題
263 ⟶ 268行目:
:#与えられた数列は公比が<math>\frac{1}{2}</math> であるので収束する。その和は、<math>\sum_{n}^\infty 100\cdot\left(\frac{1}{2}\right)^{n-1}=\frac{200}{3}</math>。
 
=== 関数とその極限 ===
==== 分数関数と無理関数 ====
===== 分数関数 =====
<math>y= \frac{1}{x}\ ,\ y= \frac{2x-1}{x-1}</math>のように、xの分数式で表される関数をxの'''分数関数'''という。
 
282 ⟶ 287行目:
漸近線の方程式は<math>x=-1\ ,\ y=2</math>である。
 
===== 無理関数 =====
<math>\sqrt{x}\ ,\ \sqrt[3]{3x-8}</math>のように、根号の中に文字を含む式を'''無理式'''といい、変数xの無理式で表される関数をxの'''無理関数'''という。
 
312 ⟶ 317行目:
ゆえに、この関数のグラフは、<math>y= \sqrt{-2x}</math>をx軸方向に-3だけ平行移動したものである。
 
==== 合成関数と逆関数 ====
===== 合成関数 =====
二つの関数 <math>f(x)</math> と <math>g(x)</math> が与えられたとき、 <math>f(g(x))</math> という新しい関数を考えることができる。たとえば <math>f(x)=x^2+x+2</math>, <math>g(x)=x+1</math> とすると、
:<math>f(g(x))=\{g(x)\}^2+g(x)+2=x^2+3x+4</math>
327 ⟶ 332行目:
この例題のように、一般に <math>(f\circ g)(x)</math> と <math>(g\circ f)(x)</math> は等しくない。
 
===== 逆関数 =====
関数 <math>f(x)</math> と関数 <math>g(x)</math> が与えられて、
:<math>(f\circ g)(x)=x</math>
346 ⟶ 351行目:
次に逆関数が存在する条件について考えてみよう。逆関数も関数であるから(逆関数の)定義域に含まれるすべての <math>x</math> で <math>f^{-1}(x)</math> が一意に定まらなくてはならない。すなわち、 <math>y=f(x)</math> において、定義域の <math>x</math> と値域の <math>y</math> のどちらかを定めるともう片方が一意に定まるような関数でなくてはならない。このことを関数 <math>f(x)</math> が'''全単射'''である、または'''一対一対応'''であるという。関数 <math>f(x)</math> が全単射であることは <math>f(x)</math> に逆関数が存在することの必要十分条件である。
 
==== 関数値の極限 ====
ある関数 <math>f(x)</math> において、<math>x</math> が定数 <math>a_1</math> より小さい値をとりながら <math>a_1</math> に限りなく近づくときの関数 <math>f(x)</math> の値が一定の値 <math>b_1</math> に限りなく近づくとき、 <math>f(x)</math>の'''左極限値'''は <math>b_1</math> であるといい、
:<math>\lim_{x\to a_1-0}f(x)=b_1</math>
365 ⟶ 370行目:
<math>x \to a</math>のとき、 <math>f(x)</math> が負の値をとって、その絶対値が限りなく大きくなるならば、 <math>f(x)</math> は'''負の無限大に発散する'''といい、<math>\lim_{x\to a}f(x)= - \infty</math> と書く。
 
xを限りなく大きくするとf(x)がある値aに限りなく近づくとき
:<math>\lim_{x\to \infty}f(x)= a</math>
と、xを負の値をとりながら限りなく絶対値を大きくするとf(x)がある値aに限りなく近づくとき、
:<math>\lim_{x\to -\infty}f(x)= a</math>
と書き、それぞれ正の無限大における極限値、負の無限大における極限値という。
 
===== 関数の連続性 =====
ある関数 <math>f(x)</math> が定義域内の点 <math>a</math> で連続であるとは、
その関数<math>f(x)</math>のグラフが<math>x=a</math>の近傍で途切れることなく続いていることを意味する。数式で表すと次のようになる。
372 ⟶ 382行目:
であることをいう。また、ある区間で <math>f(x)</math> が連続であるとは、区間内のすべての点で連続であることをいう。
 
くどいかもしれないが、上式は左辺の極限値が存在して、かつ右辺と一致するということを意味する。左辺の極限値が存在しない場合はf(x)は連続ではない。
===== 三角関数と極限 =====
 
===== 三角関数と極限 =====
三角関数については、次が成り立つことが基本的である。
 
:<math>\lim_{x\to 0}\frac{\sin x}{x}=1</math>