「解析学基礎/常微分方程式」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
Ninomy (トーク | 投稿記録)
→‎同次形の応用: 同次形の例題を追加
Ninomy (トーク | 投稿記録)
208 行
となる。これは変数分離形の微分方程式であるから、変数分離形の解法に従って解き、最後に<math>z = \frac{y}{x^3}</math>を代入すればよい。
 
==1階線型微分方程式==
1階微分方程式が線型であるとは、与えられた微分方程式が
常微分方程式はさらに、方程式が含む導関数が最大で何階なのかということによって分類される。
しばらくはまず、一階微分方程式について見てみよう。
 
一階微分方程式が線型であるとは、
:<math>y' + f(x)y = g(x) </math>
と書けることである。このように書けないもの1階微分方程式1""線型微分方程式という。
 
=== 斉次一階線型微分方程式 ===
 
=== 斉次1階線型微分方程式とは、一階線型微分方程式であって、特にg(x) ===0であるもののことを言う。
g(x)=0と限らない場合は斉次1階線型微分方程式と区別して"非”斉次一は、1階線型微分方程式であって、特に<math>g(x)=0</math>であるものをい、こ時この微分方程式容易に想像が斉次だろという。
<math>g(x) \neq 0</math>の場合は非斉次であるという。また、斉次は「同次」とも呼ばれることがあるが、本書では前者で統一することにする。
 
まずは斉次1階線型微分方程式を解いてみよう。
簡単な微分積分法しか知らない我々は、これ程までに限定してやっと解けるようになるのである。
 
今解こうとしているのは、次の微分方程式である。
:<math>y' + f(x)y = 0 </math>
:これは変数分離形の微分方程式である。まず<math>y \ne 0</math>を仮定して、この式を同値変型する。
::<math>{{y'} \over {y}} = -f(x)</math>
:両辺を積分して
::<math>{\rm ln}|y| = \int{ - f(x)dx + C_0}</math>   (i)
:両辺を''e''の肩に掛けて、
::<math>|y| = e^{\int{ - f(x) dx + C_0}}</math>
:右は常に正なので、<math>e^{C_0}=C</math>として、
::<math>y = Ce^{\int{ - f(x)dx}}</math> (ii)
 
この解法を'''変数分離法'''といい、得られた結果この斉次方程式の一般解というである
 
==== 例題 ====
'''例題''' - 次の微分方程式を解け。
:微分方程式<math>y' -4xy = 0</math>を解く。
 
上の解説の通り、両辺を''y''で割り変数分離法によって計算する。この微分方程式の一般解は
'''解'''
:<math>y = Ce^{\int{ - ( -4x )dx }}= Ce^{2x^2}</math>
である。
 
一般解はこのようにして求められたが、<math>y(x_0)=y_0</math>となるときの特殊解yを求めなければならないときもある。
263 ⟶ 260行目:
 
===非斉次一階線型微分方程式===
 
次に