「解析学基礎/常微分方程式」の版間の差分

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→‎常微分方程式とは何か: 初期値問題と境界値問題
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さらに、微分方程式の解のなかには、方程式の解であるにもかかわらず、積分定数にどのような値を代入しても表すことのできない解も存在する。このような解を'''特異解'''と呼ぶ。
 
=== 問題の種類 ===
微分方程式を解くとき、一般解が重要になる場面はそう多くない。現実にはある独立変数''x''における従属変数''y''の値が定まっていて、その条件を満たすような特殊解が必要になる場合がほとんどである。
 
たとえば時刻<math>t=0</math>において、ある関数<math>y(t)</math>の値が<math>y_0</math>と分かっている時に<math>y(t)</math>に関する微分方程式を解くような場合である。
 
このような、ある初期条件
:<math>y(x_0) = y_0</math>
を満たすような微分方程式
:<math>f(x, y, y', \cdots, y^{(n)})</math>
の特殊解を求める問題を'''初期値問題'''といい、これらをみたす特殊解を求めることを初期値問題を解くという。
 
また、例えば位置<math>x=0</math>と<math>x=L</math>で常に<math>y=0</math>となるような波(固定端)の変位<math>y(x)</math>に関する微分方程式を解くという状況もある。
 
このような、ある境界条件
:<math>y(x_i) = y_i (i = 0, 1, \cdots, n)</math>
を満たすような微分方程式
:<math>f(x, y, y', \cdots, y^{(n)})</math>
の特殊解を求める問題を'''境界値問題'''といい、これらをみたす特殊解を求めることを境界値問題を解くという。
 
== 初等解法 ==