「解析学基礎/常微分方程式」の版間の差分

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1階非斉次微分方程式について書き直し、定数変化法についてはまだ書いてない
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定数変化法
341 行
# それを<math>h(x)</math>で割って一般解とする。
となる。
 
非斉次1階線型微分方程式の別の解法として、'''定数変化法'''と呼ばれる方法を紹介する。
 
非斉次な微分方程式
:<math>y' + f(x)y = g(x)</math>
を解くのが最終的な目標であるが、ひとまず、右辺を<math>g(x)=0</math>とおいて、斉次な微分方程式
:<math>y' + f(x)y = 0</math>
を解くことにする。この形ならば、[[#斉次1階線型微分方程式|前々節]]で見た方法によって、一般解
:<math>y_h(x) = Ce^{\int{ - f(x)dx}}</math>
を得ることができる。ここで、非斉次な場合は積分定数の''C''が''x''の関数になると考えて、仮に非斉次微分方程式の解を
:<math>y = C(x)y_h(x)</math>
とおく。これを解くべき微分方程式へ代入すると、
:<math>\begin{align}
\left\{C(x)y_h(x)\right\}' + f(x)C(x)y_h(x) &= g(x) \\
C'y_h + Cy_h' + f(x)Cy_h &= g(x) \\
C'y_h + C(y_h' + f(x)y_h) &= g(x)
\end{align}</math>
となるが、ここで<math>y_h</math>が斉次微分方程式<math>y'+f(x)y = 0</math>の解であることから、
:<math>C'(x)y_h(x) = g(x)</math>
が得られる。この中で未知関数は<math>C'(x)</math>のみであるから、両辺を<math>y_h(x)</math>で割って''x''で積分すると、
:<math>\begin{align}
C(x) &= \int \frac{g(x)}{y_h(x)} dx + C \\
&= \int \frac{g(x)}{e^{\int{ - f(x)dx}}} dx + C \\
&= \int g(x)e^{\int f(x)dx} dx + C
\end{align}</math>
したがって、求めるべき非斉次微分方程式の一般解は、
:<math>y = C(x)y_h(x) = e^{\int -f(x)dx} \left\{\int g(x)e^{\int f(x)dx} dx + C\right\}</math>
となる。これは積分因子を用いて求めた一般解と等しい。
 
==== 例題1 ====
352 ⟶ 380行目:
:<math>y=\frac{-\frac{1}{2}e^{-x^2} + C}{e^{-x^2}} = -{1\over 2}+Ce^{x^2}</math>
となる。
 
あるいは、定数変化法によって求めることもできる。仮に斉次な微分方程式
:<math>y'-2xy=0</math>
を解くと、この一般解は
:<math>y = Ce^{x^2}</math>
となる。これより、仮に求めるべき微分方程式の解を
:<math>y = C(x)e^{x^2}</math>
と置いて元の微分方程式に代入すると、
:<math>C'(x)e^{x^2} = x</math>
が得られる。これより、
:<math>C(x) = \int\frac{x}{e^{x^2}}dx = \int e^{-x^2}xdx = -\frac{1}{2}e^{x^2} + C</math>
となるから、求める一般解は
:<math>y = e^{-x^2}\left(-\frac{1}{2}e^{x^2} + C\right) = -\frac{1}{2} + Ce^{-x^2}</math>
である。
 
==== 例題2 ====