「簿記/総論/基礎概念」の版間の差分

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=== 取引 ===
財産や資本に変動を引き起こす事件を取引 Transaction, Geschaftsfall(真ん中のaはウムラウト)Geschäftsfallという。ここに変動とは、事業の内部で、もしくは事業と外部との関係において、生ずる財産または資本の価値的増減を意味する。通俗に言う取引は、自己の意思に基づいて他人との間に引き起こせられる関係を意味するも、簿記上の取引はより広く解せられて、自己の意志に基づかない事件であっても、その結果において財産や資本に変動を引き起こす限り、これを取引と称する。ゆえに例えば家屋や商品等の焼失・毀損、金銭・物品等の盗難・紛失および賃金の貸倒し等もすべて一種の取引である。これに反して通俗には取引と言われるものでも、それが財産または資本に変動を生じない限り、簿記上では取引とは言わない。例えば家屋や土地等の賃貸借は、占有の移転は生じても所有権の移転を生じないから、財産資本に変動をきたすことなく、従って簿記上の取引ではない。ただし、その結果生ずる賃貸借料の授受は明らかに取引である。
 
既に述べたように、簿記は財産又は資本の変動を記録し計算するものであるから、取引は簿記記録の対象である。即ち取引が発生すれば、できるだけ迅速にこれが記帳計算をしなければならない。ただし事業内部で起こる財産や資本の変動は、それが発生した時直ちに記帳されないで、定期に特殊の方法でその変動を捕捉した上で記帳をなすことが少なくない。