「日本語/構文」の版間の差分
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38 行
上で挙げた文を最小の係り受けからはじめて、最大の連文節である文まで続けたものが次の構造です。
;;お金持ちでひとに親切な男が近づいてきたよ...(1)
;;
;;
;;
;;
さて、この文の一部である「お金持ちで」を「お金持ちな」に置き換えると係り受けの関係は次のように変わります。
;;お金持ちなひとに親切な男が近づいてきたよ...(2)
;;
;;
;;ーーーーーーーーーー⇨⇦ー
このような係り受けの構造は、次のような、(1)と(2)とにそれぞれ対応する解釈をあわせもつ多義的な文(3)を表現し分けることを可能にします。
57 ⟶ 55行目:
ここで、読点(、)の役割の一つに触れておきましょう。(3)に次のような読点を打つと、解釈は(1)に対応するものに特定されます。
;;お金持ちの、ひとに親切な男が近づいてきたよ。
;;ーーーー⇨ X ⇦ーー(直近名詞の連体修飾をキャンセル)
;;ーーーー⇨ ⇦ーーーーー(並立)
これは、読点が隣接する文節の係り受け関係をキャンセルするためです。このように考えると、読点とは(ときどき言われるようですが)「ながくなったからそろそろ打とうかな」と思って打つ、というようなものではなく、文の構造を明示する積極的な働きをしていることがわかります。
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