「日本語/構文」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
195 行
 
==日本語の語順は自由なのか==
日本語の基本語順は次のようなものと考えられます。
 
:;主部ー補充成分ー述部(他動詞):学生が古文を読んでいる
:;補充成分ー主部ー述部(能格動詞):学生に英文が読めない
ところで、次のように語順が入れ換わる場合があるため、よく、日本語の語順は自由だ、と言われます。
#うちの息子が昨日小学校時代の恩師に駅前で偶然お目にかかった。
#昨日うちの息子が小学校時代の恩師に駅前で偶然お目にかかった。
#昨日小学校時代の恩師にうちの息子が駅前で偶然お目にかかった。
#昨日小学校時代の恩師に駅前でうちの息子が偶然お目にかかった。
#昨日小学校時代の恩師に駅前で偶然うちの息子がお目にかかった。
しかし、次のような語順は許されません。
#×うちの昨日息子が小学校時代の恩師に駅前で偶然お目にかかった。
#×小学校時代の昨日うちの息子が恩師に駅前で偶然お目にかかった。
#×お目に昨日うちの息子が小学校時代の恩師に駅前で偶然かかった。
また述部の後に連用成分をおくことも主節では可能ですが、従属節では不可能です。
#昨日小学校時代の恩師に駅前で偶然お目にかかった、うちの息子が。
#昨日うちの息子が駅前で偶然お目にかかった、小学校時代の恩師に。
#×昨日小学校時代の恩師に駅前で偶然お目にかかったうちの息子がとうかがいました。
#×昨日うちの息子が駅前で偶然お目にかかった小学校時代の恩師にとうかがいました。
次のような量化表現では、語順が変わると解釈も変わります。
:;誰かが誰もを羨ましがっている(some>all)
:;誰もを誰かが羨ましがっている(all>some, some>all)
このようなことから、語順の交替はある成分の文頭への倒置(スクランブリング)であり、この倒置は一定の制約に従うと考えられます。
;スクランブリング
:;[<sub>IP</sub> ・・・X・・・] ⇒ [<sub>IP</sub> X [<sub>IP</sub> ・・・___・・・]]
 
==省略は自由なのか:重文と省略==