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==補助の関係==
補助の関係にある動詞用言は、主部の中心となる動詞述語の意味を様々な形で補います。このような動詞用言を補助動詞用言といいます。
:;雨が降っていた(継続)←雨が降った(完了)
:;妻が私にたこ焼きを買ってきた←妻がたこ焼きを買った
:;息子が夕飯の準備を手伝ってくれた(やりもらい)←息子が夕飯の準備を手伝った
補助動詞用言とそれが補助する動詞述語はそれぞれ独立の文節で係助詞や副助詞を伴うこともできますが、意味的にはひとつの成分であるため、読点を打ったり、ポーズを入れて読んだりすることはできません。
:;息子が夕飯の準備を手伝ってくれた
:;×息子が夕飯の準備を手伝って、くれた
形容詞を否定する補助形容詞は独立の文節を成します。
:;あの花は美しく(は)ない
一方、似た関係である動詞の否定は独立の文節を成さず、否定の助動詞として動詞に後接して一文節を形成します。動詞の否定形に係助詞や副助詞を差し挟もうとする場合には「動詞連用形+形式動詞し+否定助動詞ない」という形になります。
:;彼はもう学校へは行かない
:;×彼はもう学校へ行きはない(○彼はもう学校へは行きはしない)
補助・被補助の関係にある動詞に似ているものの、結びつきが強く一つの語(複合語)になったものを複合動詞といいます。複合動詞は文節を分けるように「ね」を入れることはできません。
:;さっき仕事をはじめ(×ね)かけた
補助用言の代表的なものには上に挙げた否定の補助形容詞の他、断定の補助動詞「ある」(「名詞+で」に続く)や「アスペクト」という時間に関わる意味を持つもの(「動詞連用形+て+しまう(ちゃう)」など)、利益の移動に関わるもの(「動詞連用形+て+もらう」など)、などがあります。
 
==並立の関係==