「解析学基礎/常微分方程式」の版間の差分

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K.ito (トーク | 投稿記録)
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方程式が1本のときの例から類推すれば、この連立方程式の解は
:<math>e^{xA}</math>
のようなものが定義できれば、それを用いて表せそうである。しかし、行列の指数関数をどうやって定義すればよいだろうか?そのために、そもそも実数上の関数としての指数関数がどのように定義されるかを考えてみると、次のようにしてテイラーTaylor展開で定義できることが思い出される。
:<math>e^x=\sum_{k=0}^\infty \frac{x^k}{k!}</math>
行列であっても、この式に代入することは可能そうである。すなわち、次のように定義する。
599 行
 
==== 対角化不可能な行列の場合 ====
係数行列が対角化不可能なときは上記のようにはいかず、一般にはジョルダンJordan標準形を用いることになる。しかし、特殊な場合にはそこまでの計算をする必要はない。たとえば、固有値がすべて等しい場合には次のようにして計算することができる。
 
''n''次正方行列''A''の''n''個の固有値がすべて<math>\lambda</math>のとき、この行列の固有多項式は<math>(t-\lambda)^n</math>なので、ケイリー・ハミルトンCayley-Hamiltonの定理より
:<math>(A-\lambda I)^n=O</math>
である。このことを用いると、