「政治学概論」の版間の差分

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====合理主義モデル====
 
[[ファイル:HerbertSimon.jpg|thumb|right|150px|ハーバート・サイモン(1916年‐2001年)はアメリカの政治学者、組織論研究者。シカゴ大学でメリアムやラスウェルの指導を受けて政治学の博士号を取得する。イリノイ工科大学を経てカーネギーメロン大学で教授となる。組織における合理性、意思決定理論の研究を行い、人工知能や経済学で研究業績を残した。著作には『経営行動』、『システムの科学』など。]]
意思決定のモデルは基本的に人間の合理性として経済的利得を最大化する原理、もしくは功利性を最大化する原理を前提とする。このようなモデルはアンソニー・ダウンズの公的選択理論にも応用されており、この理論では人間が自己の物質的な満足を求めて利益を追求する存在として定義されている。このような立場では問題の本質が明確であること、目的の選択が個人的な選好に基づいていること、利用可能な手段が効率性の観点から評価することが可能であること、そして意思決定は目標を達成する最適な手段の選択を通じて行うことができることを根本的な前提としている。このような合理的な意思決定を主張した論者の一人であり、功利主義の理論家であったベンサムは社会全体の功利性を最大化することができるように計算した上で政策に関する意思決定を行うことを主張していた。ベンサムは快苦を基準として個々人の快楽を最大化し、苦痛を最小化する道徳的な原理を確立し、功利の概念で社会全体の快苦を定量化して計算することを試みていた。このような意思決定のモデルには明確に計算することが可能な合理性に基づいた説得力があり、政策立案者は規範的にこのような意思決定のモデルを実践することが求められる。しかし、合理的な計算は一意的に定義可能な個人の選考がなければ成立せず、もし集団や組織が集権的な組織形態を持っていなければ選好を一意的に定義することはできなくなるという問題がある。また現実的な問題として、意思決定における合理性はどれほど確実な原理であるのか明らかではないことがある。ハーバート・サイモンの研究では限定された合理性(bounded rationality)の概念が導入されており、意思決定は本質的には異なる価値判断と計算に基づいた諸成果を妥協させる活動として描き出されている。さらに合理的行為者のモデルの問題点として現実そのものではなく現実に関する信念や仮定によって意思決定が左右される可能性がある。特にイデオロギー的な価値観や世界観を意思決定の関係者が持っているならば、合理的な計算が行われるより前の状況の認識の段階で決定的な偏向が政策仮定に加わることになる。
 
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