「高等学校化学I/酸化還元反応」の版間の差分

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酸化数について記述。
化学式で添字にするのを忘れてた文字を修正。
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== 酸化と還元の定義 ==
銅Cuの粉末を空気中で加熱すると、黒色の粉末が得られる。これは、銅が空気中の酸素と結合して、酸化銅(Ⅱ)CuOになったからである。このように物質に酸素が化合することを'''酸化'''(さんか、oxidation)という。酸素が化合した物質については、その物質は'''酸化された'''という。酸化によって生成した生成物を'''酸化物'''という。以上のような酸化の反応を'''酸化反応'''という。
 
2Cu + O2O<sub>2</sub> → 2CuO
 
なお、「酸」化といいても、酸性・塩基性とは意味が異なるので、混同しないように注意のこと。「酸化」の「酸」は、「酸素」の「酸」である。
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CuO + H<sub>2</sub> → Cu + H<sub>2</sub>O
 
このように、ある物質が酸素を失うことを'''還元'''(かんげん、reductionあるいはReduction)という。このような還元の反応を'''還元反応'''という。この銅の還元反応では、水素は逆に酸化をして水になっている。このように酸化反応と還元反応は、同時に起こる。そこで、これら同時に起こる酸化反応と還元反応とをまとめて、'''酸化還元反応'''という。
 
銅の電荷を考えると、還元されることによって、酸素に吸引されていた電子が銅に戻り、銅は電子を獲得している。
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=== 例 ===
2Mg+O<sub>2</sub>→2MgO(→2MgO <br>
マグネシウムが酸化(酸素が化合)して酸化マグネシウムになった)<br>
この化学反応式は以下の2つのイオン半反応式に分解することができる。<br>
2Mg→2Mg2Mg → 2Mg<sup>2+</sup>+4e<sup>-</sup><Br>
O<sub>2</sub>+ 4e<sup>-</sup>→2O → 2O<sup>2-</sup><br>
酸化還元反応の化学反応式は、まず半反応式をつくり、それを足し合わせることで作る。<br>
 
== 酸化数 ==
イオン結合では、電子の授受の方向が判別しやすいが、いっぽう共有結合からなる化合物の化合反応では、電子の授受の方向が判別しづらい場合が多い。そこで、共有結合のような、電子の授受の方向が判別しづらい場合でも、酸化の度合いを定義できるように、次のような'''酸化数'''(oxidation number)という概念が考えられた。
 
* まず、酸化数の定義では、単体の原子の酸化数を0と定義する。
(例)
単体の水素H2の酸化数は0である。単体の酸素O2の酸化数は0である。単体の炭素Cの酸化数は0である。単体のFeの酸化数は0である。などなど・・・
 
* 単原子イオンの酸化数はイオンの価数とする。
(例)
Na<sup>+</sup>の酸化数は+1。Cl<sup>-</sup>の酸化数は(-1)。Al3Al<sup>3+</sup>の酸化数は+3。
 
* ほとんどの化合物中で、水素原子Hの酸化数は'''+1'''。ほとんどの化合物中で、酸素原子Oの酸化数は'''-2'''。(ただし、過酸化水素H2O2H<sub>2</sub>O<sub>2</sub>では例外的に、あてはまらない。)
 
* イオンではない化合物中の原子の酸化数の総和は、0である。化合物の構成原子の酸化数が判断しづらい場合は、この規則を用いて、構成原子の酸化数を決定する場合がある。
(例)
H2OH<sub>2</sub>Oの酸化数の総和は、水素原子の酸化数(+1)×2と、酸素原子の酸化数(-2)の和であり、確かに、酸化数の総和は (+1)×2+(-2)=0 となる。
 
== 酸化剤と還元剤 ==