「高校化学 天然高分子化合物」の版間の差分

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一部の用語に英訳を追加。また、化学1の油脂へのリンクを、末尾に追加。
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単糖類の水溶液は還元性を持つ。
単糖類や多糖類を総称して'''糖類'''(saccharides)または'''炭水化物'''(carbohydrate)という。
 
=== グルコース ===
* グルコース glucose(ブドウ糖, grape sugar )C<sub>6</sub>H<sub>12</sub>O<sub>6</sub>
 
* グルコース(ブドウ糖)C<sub>6</sub>H<sub>12</sub>O<sub>6</sub>
 
水溶液中のグルコースは、一部のグルコースの環構造が開き鎖式構造に変わる。アルデヒド基を持つ。したがって還元性を示す。
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=== フルクトース ===
フルクトース,fructose(果糖, fruit sugar )C<sub>6</sub>H<sub>12</sub>O<sub>6</sub>
 
フルクトースも3種類ある。六員環βフルクトースと鎖式グルコースと五員環βフルクトースがある。
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[[ファイル:Sucrose-inkscape.svg|thumb|250px|スクロース]]
* 構造
αグルコースとβフルクトースが縮合した構造をスクロース(sucrose)はもつ
 
* 加水分解
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=== 多糖類 ===
==== デンプン ====
デンプン(starch)は多数のαグルコースが脱水縮合して出来た構造を持つ高分子化合物である
(C<sub>6</sub>H<sub>10</sub>O<sub>5</sub>)<sub>n </sub>の構造を持つ。nは数百から数万、数十万である。(数値で表せば、nは10^2~10^5 程度の規模)
 
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[[File:Glycogen structure.svg|thumb|260px|グリコーゲンの断面図]]
 
グルコースが縮合重合したもののうち、アミロペクチンよりも枝分かれが多いものが'''グリコーゲン'''(glycogen)である。分岐の頻度は、おおむね8~12基に一回の程度の分岐である。枝分かれが多いため放射したような網目構造をとり、らせん構造をとらない。このため、極性をもった部分が外側に出やすく、水溶性が高い。
ヨウ素デンプン反応では、赤褐色を示す。
 
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[[File:Alg-frut-6.jpg|left|thumb|200px|綿花から取れる綿は天然のセルロースである。]]
 
'''セルロース'''(cellulose)の構造は、多数のβグルコースが、グリコシド結合によって、縮合した構造である。
 
セルロースのグリコシド結合では、各グルコースの向きが交互に表・裏・表・裏を繰り返すが、これを'''βグリコシド結合'''という。また、βグリコシド結合の結果、構造はまっすぐであり、直鎖状である。正確には、回転角が約+20°と約-20°の結合を繰り返すので、平均的にセルロース分子は直鎖状になる。
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==== ペプチド結合 ====
[[Image:aspartame2.png|thumb|400px|ペプチド結合]]
2個のアミノ酸分子が結合し、いっぽうのアミノ酸のカルボキシル基と、もう一方のアミノ酸のアミノ基が縮合して、脱水縮合して結合を'''ペプチド結合'''という。それぞれのアミノ酸は同一種でなくても良い。また、ペプチド結合によって生成する化合物をペプチド(peptide)という。
* ペプチド結合
という。それぞれのアミノ酸は同一種でなくても良い。
 
 
2個のアミノ酸がペプチド結合した重合数が2個のアミノ酸化合物は、末端にアミノ基とカルボキシル基を持つので、このアミノ酸の化合物もまた同様に他のアミノ酸と化合が出来て、重合数を3個や4個・・・と、どんどんと増やしていける。数十個から数百個と重合数を増やしていける。
 
2分子のアミノ酸がペプチド結合したものをジペプチドという。3分子のアミノ酸がペプチド結合したものをトリペプチドという。多数のアミノ酸が縮合重合したものを'''ポリペプチド'''(polypeptide)という。
 
 
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== 天然繊維 ==
繊維(fiber)とは、細くて糸状のものをいうが、その繊維のうち天然にある糸状の繊維を'''天然繊維'''という。石油などから合成した繊維は'''合成繊維'''という。
 
天然繊維のうち、植物からとれるもの(たとえば綿や麻など。主成分はセルロースなど)を'''植物性繊維'''といい、動物から取れるもの(羊毛や絹など。主成分はタンパク質。絹とはカイコから取れる繊維。)を'''動物性繊維'''という。
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== 酵素 ==
ある種のタンパク質には触媒の働きを持つものがある。この触媒として機能するタンパク質を'''酵素'''(こうそ、enzyme)という。
ただし、酵素は、一般の無機触媒や金属触媒と異なる性質も持つ。酵素は有る特定の物質にしか作用しない。これを'''基質特異性'''(きしつとくいせい)という。そして酵素が作用する物質および分子構造を'''基質'''(きしつ)という。
 
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なお、胃酸の中で働く酵素の'''ペプシン'''は最適pHがpH=2の付近である。
 
== 油脂や脂肪 ==
油脂や脂肪などに関しては、化学1で扱われている。
リンク → [[高等学校化学I/脂肪族化合物/油脂]]
 
セッケンに関しては、化学1で扱われている。
リンク → [[高等学校化学I/脂肪族化合物/セッケン]]
 
なお、油脂も脂肪も、炭水化物には含めない。油脂も脂肪もタンパク質では無い。
植物はブドウ糖から油脂を合成する。