「中学校技術/材料と加工に関する技術を利用した製作品の設計・製作」の版間の差分

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記述の追加。製図法について解説。
部品表について記述。
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[[File:A size illustration2 with letter and legal.svg|thumb|製図用紙の大きさの規格(A列)]]
 
=== 部品表 ===
製作に必要な部品の一覧を表にしたものを'''部品表'''(ぶひんひょう)といいます。
 
部品表には番号、部品名、材質、寸法(外形の大きさ)、数量を書きます。番号は、設計者が部品ごとにつけます。番号を付けるさいには、なるべく大きな部品から順に1番、2番と番をつけると良いかもしれません。ネジやクギなどを購入したままそれ自体は加工せず、そのまま部品に使う場合は、ネジやクギには部品番号をつけない場合もあります。
部品の寸法は、板材の場合は、'''厚さ×幅×長さ'''を書きます。ネジを用いる場合は、呼び径と長さが分かるように部品表に書いてください。
 
{| class="wikitable" style="text-align:center"
|+ 本棚を作る場合の部品表の例
! 部品番号!! 品名 !! 材料 !! 仕上がり寸法 !! 数量
|-
! 1
| 側板 || ヒノキ || 10×200×300 || 2
|-
! 2
| 底板 || ヒノキ || 10×200×300 || 1
|-
! 3
| 背板 || ヒノキ || 10×300×300 || 1
|-
! その他
| colspan="4" | 鉄くぎ(N25)×12本、接着剤(木工ボンド)。
|-
|}
 
例の部品表の場合、側板と底板は寸法や材質が同じですが、結果的に同じ寸法になる場合でも、機能が異なる部品の場合は、部品ごとに部品番号を割り振り別の部品とするのが一般的です。機能ごとに別部品とすることで、もし後日に設計変更などをすることが決まっても、たとえば底板の厚さを今の10mmから15mmに変更したい場合があっても、底板の部品欄だけを訂正すれば良く、側板の部品欄には影響がしません。
 
部品名の命名は設計者が行います。なるべく、その部品の機能がわかるように命名すると良いかもしれません。たとえば、製品として本立てを作る場合は、底板につかう部品の部品名は、そのまま「底板」と命名してもいいかもしれません。
このとき部品の材質がヒノキの板だからといって、部品名を「ヒノキ板1」とかにすると、もし、あとで材質をスギに変更する必要が生じた場合に、部品名を考えなおすことになってしまいます。
 
 
部品表の、一番、上の行には(※ 行というのは表の横方向の並びのこと。)、「部品番号」、「品名」、「材料」、「仕上がり寸法」、「数量」などの項目名を書きます。部品の数が多く、部品表が数ページに渡る場合は、各ページの始めの行に「部品番号」、「品名」、「材料」、「仕上がり寸法」、「数量」の項目名を書くことで、読者が前のページを読み返さなくても済むようにするのが一般的です。
 
 
 
部品の注文は、部品表をもとにして、購買担当者が材料を注文するので、注文者が読んで分かるように部品表を書きます。値段などは部品表には書きません。値段は市場動向で価格が変わりますし、購買担当者が調べるなどの理由で、図面には材料の値段は調べません。
 
会社などでは、必要に応じて、購入部品の部品表である購入部品表(こうにゅうぶひんひょう)と、購入部品をもとに自分たちで手作りする製作部品の製作部品表(せいさくぶふんひょう)を分けて表にする場合があります。
もし購入部品表と製作部品表とを作る場合は、番号がかぶらないように工夫してください。工夫として、例えば購入部品には番号を「K1」、「K2」、「K3」・・・として、製作部品は番号を「S1」「S2」「S3」・・・みたいにするなどして、とにかく番号が重ならないようにします。
番号を付ける場合は、なるべく数字やアルファベットのみで番号をつけると、コンピュータで整理しやすくなります。
 
 
部品表に書く部品は、板などの大きな部品だけではなく、ネジやクギなども部品で用いる場合は部品に書きます。
製品に接着剤や塗料が使われている場合、自分たちで接着や塗装を行う場合は、それらも部品表に書きます。
 
部品を切断するためのノコギリやハサミなどの工具は、部品表には書きません。部品表には、その製品を作るときに、必ず消耗して減るものを書きます。
 
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