「中学数学3年 式の計算」の版間の差分

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==式の乗法・除法==
2 年までに式の加減や、単項式の乗除をやってきたわけであるが、3 年では式の乗除を学習する。はじめに、(単項式)×(多項式)や、(多項式)×(単項式)の形の計算をやってみよう。
 
 
===多項式と単項式の乗除===
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:''c''(''a'' + ''b'') = ''ca'' + ''cb''
また、多項式 ÷ 単項式の計算も、多項式 ÷ 数の場合と同じように計算することができる。
 
 
===多項式の乗法===
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&=& ac+ad+bc+bd
\end{matrix}</math>
すなわち、(''a'' + ''b'')(''c'' + ''d'') = ''ac'' + ''ad'' + ''bc'' + ''bd'' となるのである。このように、「積の形でかかれた式を計算し、和の形にすること」を、元の式を'''展開'''(てんかい)する、という。
展開した式が同類項を含むときは、2 年で学習したとおり、まとめて簡単にしなければならない。
 
 
==展開公式==
40 ⟶ 43行目:
|style="padding:5px"|<math>(x+a)(x+b)=x^2+(a+b)x+ab</math>
|}
 
 
===(''a'' + ''b'')&sup2;, (''a'' - ''b'')&sup2; の展開===
67 ⟶ 71行目:
*<math>(a-b)^2=a^2-2ab+b^2</math>
|}
 
 
===(''a'' + ''b'')(''a'' - ''b'') の展開===
83 ⟶ 88行目:
<math>(a+b)(a-b)=a^2-b^2</math>
|}
 
 
==因数分解==
===(復習)約数・公約数===
ある整数が別の整数で割り切れる場合、ある数を別の数の'''約数'''(やくすう)と言う。複数の整数の共通する約数を'''公約数'''(こうやくすう)と言う。
 
===互いに素===
2つの整数が1以外に公約数を持たない場合、その2数は'''互いに素'''(そ)と呼ばれる。
 
===素因数分解===
97 ⟶ 103行目:
これは例えば 48 = 8 &times; 6 とできるので、これが1つの答えである。
 
このように、「整数がいくつかの整数の積の形に表すことができるとき、その 1 つ 1 つの数」のことをその数の'''因数'''(いんすう)という。この問題は 8 と 6 が 48 の因数と言うことができる。また、48 はほかにも 4 &times; 12 とか、3 &times; 16 とあらわすことができるため、4 と 12 も因数といえるし、3 と 16 も因数といえる。
 
さらに、8 と 6 はどちらももっと小さい数の積に表すことができる。
103 ⟶ 109行目:
このことから、48 は次のようにもあらわすことができる。
:2 &times; 2 &times; 2 &times; 2 &times; 3
この式で、2 や 3 はこれ以上小さい自然数の積であらわすことはできない。このような「その数自身と1以外に自然数の因数を持たない、1以外の自然数」を、'''素数'''(そすう)という。言い換えると、素数とは「約数がちょうど2つである自然数」とも言える。2や3などは1とそれ自身という2つの約数を持つが、1の約数は1だけであり、これが1を素数といわず特別扱いすることのひとつの理由である。
 
また、上の式の 2 や 3 のような「素数の因数」を'''素因数'''(そいんすう)、「自然数を素数の積として表すこと」を'''素因数分解'''(そいんすうぶんかい)という。例題にある 48 を素因数分解したときの結果は、
:<math>48=2^4 \times 3</math>
と言うように表す。
 
 
==== コラム・1はなぜ素数でないか ====
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先ほどの例でいえば、<math>\sqrt{100}=10</math>なので、11について調べる必要はもうないのである。
 
 
===因数分解===
たとえば、(''x'' + 2)(''x'' - 2) を展開すると ''x''<sup>2</sup> - 4 となる。このことから、''x''<sup>2</sup> - 4 は、このように積の形に表すことができる。
:<math>x^2 -4=(x+2)(x-2)</math>
このような文字の式の場合も整数の場合と同じように、''x'' + 2 や ''x'' - 2 を ''x''<sup>2</sup> - 4 の'''因数'''(いんすう)という。
 
一般に、「多項式をいくつかの因数の積の形に表すこと」を'''因数分解'''(いんすうぶんかい)という。上の例から、因数分解は展開の逆の操作と言える。
 
それで、因数分解の仕方を学習しよう。
 
 
====共通因数を取り出す====
177 ⟶ 186行目:
 
このように共通因数を取り出して因数分解することを「共通因数のくくりだし」ということがある。'''因数分解をするときには初めに共通因数のくくりだしができるかどうか考えることが重要である'''。
 
 
====乗法公式を利用する====
203 ⟶ 213行目:
|||<math>=2(x-y)^2</math>
|}
 
 
;演習問題
216 ⟶ 227行目:
#''x'' <sup>2</sup> - ''x'' - 72
(答えはこのページのいちばん下にあります)
 
 
==利用==
240 ⟶ 252行目:
|||<math> = 2499</math>
|}
 
嘘だと思うなら電卓でも計算してみよう。きっと、正解するはずである。
 
 
=== 文字式の計算 ===
数の計算だけでなく、文字式の計算でも展開や因数分解の考え方を利用して楽に計算することができる。
 
;例題:''x'' = 11, ''y'' =7 のとき、4(3''x'' + 2''y'' ) - 2(''x'' - ''y'' )の値を求めよ。
文字式に直接数を代入して、
258 ⟶ 273行目:
 
また、この考え方は単純な計算だけではなく、数や図形や関数の性質を調べるときにも利用することができる。
 
;例題:「連続する3つの自然数の和は、3の倍数になる」ことを示せ。
このような証明問題はどのように考えていけばいいのだろうか。