「中学校理科 第1分野」の版間の差分

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ここでは物質の性質について調べる。まず上であげた物質の性質について簡単に解説する。最初にここで扱う物質の分類について説明する。
 
物質の中にはいくつかの物質が混ざってできているものがある。 例えば、空気は[[w:酸素]](さんそ)や[[w:窒素]](ちっそ)などいくつかの気体が混ざってできている。このようにいくつかの物質が混ざってできている物質のことを[[w:混合物]](こんごうぶつ、mixture)と呼ぶ。いっぽう、混合物でなく、混じりけのない物質のことを[[w:純物質]](じゅんぶっしつ、pure substance)と呼ぶ。
 
<!--純物質の中にはある手順を取ることで更に分解できる物質があるが、その物質が純物質であるためには、この手順は必ず[[w:化学変化]]を含んでいる必要がある。-->
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==== 有機物と無機物 ====
木材や砂糖などは燃えると二酸化炭素を発生する。木材は炭素を含み、木材も炭素を含む。このように炭素を含み、天然に存在する物質を'''有機物'''(ゆうきぶつ、organic compound)という。
いっぽう、ガラスや食塩などのように炭素を含まない物質を無機物(むきぶつ inorganic compound)という。
 
==== 物質の状態変化 ====
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;融解
このように、固体は加熱していくと、たいていの物質では液体になる。加熱された固体が液体になることを'''融解'''(ゆうかい)という。
そして、加熱された物質が融解するときの温度を'''融点'''(ゆうてん、melting point)と言う。
 
一般に、ほとんどの物質で、凝固点と融点とは同じ温度である。
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* 酸素
[[w:酸素]](さんそ、oxygen、英:オキシジェン)は空気中に20%ほどの割合で含まれる気体であり、我々にとって身近な気体である。我々は[[w:呼吸]](こきゅう、breathing、ブレシリジング)をする際体内に酸素を取り入れている。これは、我々が生命活動を行うのに必要なエネルギーを生産するために、食物から吸収した栄養素と酸素とが必要になるからである。
 
また、酸素は物体が燃えるために必要である。例えば、木に火をつける際、よく火が起こりかかった所に息を吹きかけて火を起こすが、これは木が燃えるために必要な酸素を送り込んでいるのである。より詳しくいえば、木の表面は炭素を含んだ物質でできており、物質中の炭素と空気中の酸素が結合する反応によって熱が発生するのである。
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* 二酸化炭素
[[w:二酸化炭素]](にさんかたんそ、carbon dioxide、カーボン・ダイオキサイド)は、空気中に0.03%程含まれる気体であり、酸素原子に炭素原子が2つ結合した分子からなる気体である。二酸化炭素は我々に取って身近な気体である。我々は呼吸をする際、酸素を吸収して二酸化炭素を排出している。これは我々が食物からエネルギーを取り出すさいに酸素を消費すると同時に、二酸化炭素を排出することと対応している。一方、植物は[[w:光合成]](こうごうせい、photosynthesis、フォ・シンセシス)によって二酸化炭素を吸収しつつ、酸素を排出する。これは呼吸と逆の反応である。光合成について詳しくは、[[中学校理科 第2分野]]を参照。
 
二酸化炭素は炭素と酸素が結合する(炭素が燃える)ことで生じる。我々の身の回りにある物の多くも炭素を含んでいる。例えば[[w:綿]](めん、cotton、コットン)などの[[w:天然繊維]](てんねんせんい、natural fiber)でできた衣類は炭素を含んでおり、それらが燃えるときには二酸化炭素が発生する。また、[[w:石油]](petroleum、ペトロレウム)やガソリン(gasoline)も炭素を含んでおり、燃えるときには二酸化炭素を発する。
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====物質の密度と電気的性質====
 
物質の性質として目につきやすいものとして、その物質の色があげられる。残念ながら物質の色について一般的に述べることは難しい。これは、物質に色がついて見えるのは、物質がある色([[w:波長]])の光を選択的に反射していることに対応するのだが、その仕組みが物質のミクロの構造によることが多いからである。例えば、[[w:ダイヤモンド]](diamond)と[[w:黒鉛]](こくえん、graphite、'''グラファイト''')は同じ[[w:炭素|炭素]][[w:原子|原子]](たんそげんし)からできていることが知られているが、これらの色は全く異なる。
:[[画像:Brillanten.jpg|200px|ダイヤモンド]][[画像:GraphiteUSGOV.jpg|200px|黒鉛]]
 
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雷は、雲の中の水滴と地面との間に非常に高い電圧が生じた結果、本来なら電気を通しにくい大気中を電気が通過していく現象である。電気は基本的に電気を通しやすい物質に向かっていく傾向があるため、電気伝導度の高い金属製の物体は雷を呼びやすく、注意が必要である。一方、この性質を利用して雷を誘導する器具として[[w:避雷針]]がある。
 
また、物質によっては固体の時に電気を通さなかった物質で、水溶液にすることで電気を通すようになる物質もある([[w:食塩]]など)。これらの物質は大抵[[w:イオン結合]](ionic bond)によって結合する物質である。(詳しくは[[高等学校化学]]を参照。)
 
 
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このような磁界の図を'''磁力線'''(じりょくせん)という。磁力線の向きは、磁石のN極から磁力線が出て、S極に磁力線が吸収されると定義される。棒磁石では、磁力の発生源となる場所が、棒磁石の両端の先端付近に集中する。そこで、棒磁石の両端の先端付近を'''磁極'''(じきょく、magnetic pole)という。
 
磁力線の向きを、どうやって確認するかというと、方位磁針(ほういじしん、compass)を用いればいい。その場所の方位磁針の向きが、その場所での磁力線の向きである。
 
永久磁石が作る磁力線を図示する場合は、N極から力線が出て、S極で磁力線が吸収されるように書く。磁力線は、磁界を図示したものなので、磁極以外の場所では、磁力線が分岐することはない。N極以外の場所では磁力線が生成することもなく、S極以外の場所で磁力線が消滅することもない。
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鉄やコバルトやニッケルに磁石を近づけると、磁石に吸い付けられる。また、鉄やコバルトやニッケルに永久磁石などで強い磁力を与えると、鉄などから磁石を遠ざけても、鉄やコバルトやニッケルそのものが磁場を周囲に及ぼすようになる。 このような、もともとは磁場を持たなかった物体が、強い磁場を受けたことによって磁場を及ぼすようになる現象を'''磁化'''(じか、magnetization)という。
 
また、'''鉄'''(英:iron)と'''コバルト'''(英:cobalt)と'''ニッケル'''(英:nickel)は、磁化されることのできる金属であり、このような磁化される物質を'''磁性体'''(じせいたい)という。
 
必ずしも、すべての金属が磁性体とは限らない。たとえば、銅は磁化されないので磁性体ではない。
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;ソレノイドコイルの磁界
導線を棒状のものにまきつけて、ある一定の長さにしたものを、[[w:コイル]]と呼ぶ。電気回路用のコイルについてはソレノイド(Solenoid)またはソレノイドコイルと呼ぶ場合が多い。コイルに電流を流したときにも磁石のときに見たような磁界が流れることが知られている。
: [[画像:Basic Inductor with B-field.svg|200px|コイル内の磁界]]
 
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===化学変化と物質の質量===
====物質の化合====
(てつ)と硫黄(いおう)の混合物を加熱すると硫化鉄(りゅうかてつ)ができる。また、銅と硫黄の混合物を加熱すると硫化銅ができる。
 
このように、2種類以上の物質が結びついてもとの物質と違う別の1種類の物質ができる化学変化を'''化合'''(かごう)という。化合した物質を 化合物(かごうぶつ、chemical compound) という。
 
 
銅の粉末を加熱すると、銅が空気中の酸素と化合して酸化銅(さんかどう)ができる。酸化銅は、銅と酸素の化合物である。また、炭素を加熱すると、炭素が空気中の酸素と化合して酸化銅ができる。
 
====化学反応式====
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次に述べる化学反応は、核反応とは異なるので混同しないように注意のこと。
 
それぞれの分子を化学式で記述する方法を既に学んだ。同じように反応の過程も化学式と似た記号で記述できると便利である。このような記述法を[[w:化学反応式]](かがくはんのうしき、chemical equation)と呼ぶ。化学反応式は化学反応を記述するための一般的な方法だが、反応の詳細(例えば、熱を発するかどうかや反応が進む速度)については記述できないことに注意が必要である。
 
化学反応式を書くときには真ん中に矢印を書き、左側に反応前の物質の化学式を書き、右側に反応前の物質の化学式を書く。また、複数の物質があるときにはその間に+記号を置く。例えば、上であげた過酸化水素水が水と酸素に分解する反応は次のようになる。
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==== 酸化 ====
燃焼(ねんしょう、combustion、コンバスチョン)とは、化学反応により発熱現象が激しく進行することである。発熱の際に発光を伴うことも多い。
 
可燃物は、酸素との反応で燃焼をする。
(燃焼とは、必ずしも酸素との反応だけでなく、フッ素と反応して燃焼することもある。中学レベルでの燃焼は、酸素との化合による燃焼を扱う。)
 
物質が酸素と化合することを'''酸化'''(さんか、Oxidationoxidation、オキシデイション)という。
 
;鉄の燃焼
繊維上の鉄を スチールウール(steel wool) という。色は銀白色である。スチールウールは表面積が大きいので、火であぶると燃焼しやすい。
 
スチールウールを酸素中で熱すると、激しく反応し、酸素と化合し燃焼する。スチールウールを燃やすと、'''酸化鉄'''(さんかてつ、iron oxides)になる。この酸化鉄の重さは、スチールウールよりも重い。この重さの増加は、酸素が化合して質量が増加したためである。
 
質量を測るには、天びんを用いれば良い。反応前に、あらかじめスチールウールの質量を測定しておいて、反応後の酸化鉄の質量も同様に測定すれば良い。
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;マグネシウムの燃焼
 
マグネシウムをリボン状の形にしたものを マグネシウムリボン という。マグネシウムリボンに火をつけて空気中で燃焼させると、酸素と反応し、明るい炎をあげて燃え、酸化マグネシウムになる。酸化マグネシウムは、色は白色であり、光沢はない。
一般に酸化物は、光沢を持たない。
 
1,638 ⟶ 1,637行目:
 
;水素の燃焼
水素(すいそ)は、酸素と反応すると、水になる。
したがって、もし、ある物質を燃やした時に水が生成すれば、その物質は水素を含んでいたことになる。
 
1,656 ⟶ 1,655行目:
;銅の酸化
 
空気中で銅粉を熱すると、'''酸化銅'''(さんかどう、copper oxide、カッパーオキサイド)になる。酸化銅の質量は、酸素が化合したぶんだけ、反応前よりも質量が増えている。
 
なお、銅の酸化銅にはCuOとCu<sub>2</sub>Oとがある。色はCuOが黒色で、Cu<sub>2</sub>Oが赤色だが、どちらとも、元の銅の光沢を失っている。
1,669 ⟶ 1,668行目:
炭素は銅から酸素を奪う反応をしたことになる。
 
このように酸化の逆である、酸素を奪う反応を反応を'''還元'''(かんげん、reduction)という。
酸化銅と炭素との反応で、酸化銅は還元されたことになる。また炭素は、酸化銅を還元したことになる。
 
いっぽう、炭素自身は酸素と化合して二酸化炭素になったのだから、炭素は酸化したことになる。
 
このように、ある物質が還元する時は、かならず、同時に別の物質が酸化をしていることになる。
 
 
1,700 ⟶ 1,699行目:
====エネルギーとは====
 
既に、物体の運動は物体に力が働いたときだけ変化することを見た。ここでは、物体を運動させたり変化させたりすることができる量を、その物体が持つ[[w:エネルギー]]と呼ぶ。運動している物体は、それが静止しているボールなどの物体に衝突することによってボールを動かせるので、運動する物体もエネルギーを持っている、運動している物体の、運動によるエネルギーを 運動エネルギー(うんどうエネルギー、kinetic energy) という。
運動エネルギーを考えるときには物体の速度の大きさだけに注目し、速度の方向は考えないことに注意が必要である。ここで、あるエネルギーを持った物体は他の物体に衝突することで、持っているエネルギーを衝突した物体に与えることが出来る。このように、ある物体が持つエネルギーは他の物体に与えることが出来る。
 
1,715 ⟶ 1,714行目:
 
====仕事と仕事の原理、仕事率====
理科では、物体に力を加えて、その力の向きに動かしたとき、'''仕事'''(しごと、work)をしたという。
 
仕事の大きさを数値で表すには、力の大きさと力の向きに動いた距離との積を用いる。
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1秒間にする仕事の大きさを'''仕事率'''(しごとりつ、power)という。
 
:仕事率(W)=仕事の大きさ(J) ÷ かかった時間(秒)
1,746 ⟶ 1,745行目:
 
====水溶液の電気伝導性====
水にとかしたときその水溶液に電流が流れる物質を'''電解質'''(でんかいしつ、electrolyte)という。
 
水にとかしてもその水溶液に電流が流れない物質を'''非電解質'''(ひでんかいしつ)という。
1,775 ⟶ 1,774行目:
 
 
電解質が水にとけて陽イオンと陰イオンとに分かれることを'''電離'''(でんり、ionization)またはイオン化という。非電解質は電離しない。
 
塩化水素は、気体の状態では水素原子と塩素原子が結合したもので電気的に中性である。水にとけると、水素イオンH<sup>+</sup>と塩化物イオンCl<sup>-</sup>となる。1つの塩化水素からは1つの水素イオンと1つの塩化物イオンができる。
1,785 ⟶ 1,784行目:
 
ナトリウムやカリウム、カルシウムなどのある種の元素は、炎の中に入れると、元素の種類ごとに特有の色の炎が上がる。
このような現象を'''炎色反応'''(えんしょくはんのう、flame test)という。
イオンの検出では、白金線にイオン水溶液をつけガスバーナーの炎に入れると、もし水溶液中のイオンがリチウムイオンなら赤色に、ナトリウムイオンでは黄色に、カリウムでは赤紫色にそれぞれ炎が色づく。
 
1,820 ⟶ 1,819行目:
 
====電池のしくみ====
化学変化や温度差、光などの作用によって電気エネルギーをつくり出す装置を'''電池'''(でんち、battery)という。化学変化を利用して化学エネルギーを電気エネルギーに変える化学電池を一般に電池とよぶ。
 
 
1,830 ⟶ 1,829行目:
 
;ボルタの電池
うすい硫酸に亜鉛板と銅板をひたすと電池が作れる。銅板の側が電池の正極で、亜鉛板の側が負極である。このように、亜鉛板と銅板と酸溶液からなる電池を'''ボルタの電池'''(Voltaic pile)という。
 
ここで重要なのは、亜鉛板だけを硫酸にひたしても、電気は発生せず電池には、ならない。たとえ亜鉛板が酸と反応して溶けても、電池は出来ず、電気は流れず、単に亜鉛板が硫酸にとけていくだけである。
1,848 ⟶ 1,847行目:
電子の流れは「亜鉛板 &rarr; 銅板」なので、電流の向きは、「銅板 &rarr; 亜鉛板」となり、亜鉛板が−極、銅板が+極となる。
 
ボルタの電池の電圧は、最初は常にほぼ一定である。この電池が作る電圧を'''起電力'''(きでんりょく、electromotive force, EMF)という。ボルタの電池の起電力は、1.1ボルトである。
電圧や起電力の単位の「ボルト」の由来は、ボルタの電池を発見したボルタが由来である。
 
ボルタの電池は、時間がたつと、起電力が下がっていってしまう。これは反応中に銅板で発生する水素による泡が原因である。
このような電極に発生した泡による起電力の低下を、電池の'''分極'''(ぶんきょく、polarization)という。
 
 
1,866 ⟶ 1,865行目:
 
* 発展 イオン化傾向
金属元素の単体を水または水溶液に入れたときの、陽イオンのなりやすさを'''イオン化傾向'''(イオンか けいこう、ionization tendency、イオニゼイション・テンデンシー)という。
例として、亜鉛Znを希塩酸HClの水溶液に入れると、亜鉛Znは溶け、また亜鉛は電子を失ってZn<sup>2+</sup>になる。
1,901 ⟶ 1,900行目:
* イオン化列
さまざまな溶液や金属の組み合わせで、イオン化傾向(陽イオンのなりやすさのこと)の比較の実験を行った結果、
イオン化傾向の大きさが決定された。
左から順に、イオン化傾向の大きい金属を並べると、以下のようになる。
1,909 ⟶ 1,908行目:
(中学の段階では、覚える必要はない。)
金属を、イオン化傾向の大きさの順に並べたものを金属の'''イオン化列'''(イオンかれつ、ionization series)という。
1,926 ⟶ 1,925行目:
 
==== 電気分解 ====
電解質の水溶液に、電極を2本入れて、それぞれの電極に、外部の直流電源から電気を通じると、電極で水溶液中の物質に化学反応を起こせる。これを'''電気分解'''(でんきぶんかい、electrolysis、イレクトロシス)という。あるいは略して'''電解'''(でんかい)という。
 
電気分解で、直流電源の負極につないだ側の電極を'''陰極'''(いんきょく、cathode、カソード)という。
電気分解で、直流電源の性極につないだ側の電極を'''陽極'''(ようきょく、anode、アノード)という。
 
陰極の電荷は、電源の負極から電子が送られてくるので、陰極は負電荷に帯電する。いっぽう、陽極の電荷は、正電荷に帯電する。
1,959 ⟶ 1,958行目:
==== エネルギー資源 ====
;化石燃料
石炭、石油、天然ガスを'''化石燃料'''(かせきねんりょう、fossil fuel、ファーソル・フューエル)という。これら化石燃料は、一般に地中に埋蔵されていたものを採掘して得られる。埋蔵量が限られている資源である。
これら石油・石炭・天然ガスは、大昔に死んだ生物の死体や残骸などの有機物が、地中にうずもれたまま、長い年月の間に化学変化をしてできたものである。なので、化石燃料は埋蔵量が限られている。
 
1,974 ⟶ 1,973行目:
いっぽう、水力発電では、高所にダムなどを作り、高低差を利用して、水を高所から低所に流す間の地点にタービンの羽根を置くことで、タービンを回している。
 
火力発電に使われる[[w:石油]](せきゆ、petroleum,ペトロリアム)は、[[w:化石燃料]]の一種であるため、無限に使い続けることはできない。さらに、原子力発電で用いられる放射性物質も、有限の地下資源であり、無限に手に入るわけではない。
 
また、原子力発電には放射性廃棄物の処分方法をめぐる、未解決の問題もある。
2,000 ⟶ 1,999行目:
物体を地面から離して速度は付けずに落下させた場合、手を離した直後の初速度は秒速0m/sだが、障害物などがなければ、1秒後は約9.81m/sの速度になっており、2秒後は約19.6m/sの速度になっており、3秒後は約29.4m/sになっており、・・・というふうに1秒ごとに約9.81m/sずつ速度が増していく。地面に当たるまで、このような加速を続けていく。
 
このような、障害物などが無く、落下を続けていく落下運動を'''自由落下'''(じゆうらっか、free fall)という。
 
また、速度の変化率のことを'''加速度'''(かそくど、英: acceleration、エクセラレイション)という。
自由落下する物体は、重力によって、鉛直方向の下向き(つまり地面に向かう向き)に、一定の加速度 ''g'' (=約9.81m/s<sup>2</sup>)で加速するので、この重力による加速度を'''重力加速度'''(じゅうりょくかそくど)という。
重力加速度の記号は、一般に小文字の g で表す。
2,024 ⟶ 2,023行目:
羽毛や紙などの軽い物を落下させた時にゆっくり落ちる現象があるが、この現象は、空気による抵抗である。実際に、実験で、真空にした透明容器内などで羽毛や紙などの落下をさせると、金属などと同じ落下速度で落ちることが、実験的にも確認されている。
 
空気による運動への抵抗を'''空気抵抗'''(くうきていこう、air resistance)という。
 
パラシュートなどを考えればわかると思うが、質量に対して幅が大きい物は、空気抵抗を受けやすい。
2,036 ⟶ 2,035行目:
ボールなどを斜め上向きに投げたら、どういった軌跡を描くだろうか。空気抵抗は考えないとする。投げたボールにも重力は働くので、上向きの速度が少しずつ減速していく。しかし横向きの速度成分は重力の方向とは別方向なので、横向き成分は変化をしない。
結果的に投げたボールは鉛直下向きに加速していくので、右図のような軌跡を描く。
このような、物体を投げた時の軌跡を、'''放物線'''(ほうぶつせん、parabola、パラボラ)という。
 
[[Image:ProjectileRange.jpg|300px|thumb|left|初速 ''v'', 角度 &theta; で初期の高さ ''y''<sub>0</sub> から打ち出した物体の描く曲線]]