「高等学校数学A/図形の性質」の版間の差分

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== 平面図形==
 
ここでは、三角形の重心、外心、内心などについて説明する。更に、4角形が円に内接する条件や方べきの定理などについても扱う。
4角形が円に内接する条件や方べきの定理などについても扱う。
 
===三角形の性質===
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*導出
 
三角形ABCを取りBC,ACの中点をそれぞれD,Eとする。また、線分AD,BEの交点をFとする。ここで、点Eから線分ADに向かって辺BCに平行な線分を取り、
Fとする。ここで、点Eから線分ADに向かって辺BCに平行な線分を取り、
線分ADとの交点をIとする。
*図
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</math>
となり、2角が等しいことから三角形FEIと、FBDは相似である。
更に、IEとBCが平行であることから三角形AIEとADCも相似であり、その相似比は点Eが線分ACの中点であることを考えると、1:2である。よって、
その相似比は点Eが線分ACの中点であることを考えると、1:2である。よって、
:<math>
IE: DC = 1:2
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次に、頂点Cから辺ABに向かって点Fを通過する直線を取り、ABとの交点をJとする。
ここで、Jが線分ABの中点となっていることを示す。
ここで、点A,C,B,Fで描かれる図形とA,B,C,Fで描かれる図形は同じ形をしており、各々の図形の比も同一であるものと予想される。
各々の図形の比も同一であるものと予想される。
ここで、
:<math>
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*注意
上のような計算によって示される定理を メネラウスの定理 と呼ぶ。この定理を用いてよいのなら、上の結果はすぐに示される。
メネラウスの定理と呼ぶ。この定理を用いてよいのなら、上の結果はすぐに示される。
[[w:メネラウスの定理]],[[高等学校理数数学]]などを参照。
 
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三角形の'''外心'''とは三角形の外接円の中心のことである。
ここで、'''外接円'''(がいせつえん、 英:circumscribed circle)とは三角形の3つの頂点を通過する円のことである。
このため、三角形の外心は三角形の全ての点から等しい距離にある点である。
三角形の外心について次のことが成り立つ。
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*導出
 
三角形ABCを取り、辺AB,BCのそれぞれに対して垂直2等分線を取り、2直線の交点をGとする。このとき、点GがAB,BCのそれぞれに対する垂直2等分線上にあることから
Gとする。このとき、点GがAB,BCのそれぞれに対する垂直2等分線上にあることから
:<math>
AG = GB = GC
</math>
が成り立つ。このことから、この点は三角形の全ての頂点から等距離にあることが分かり、この点を三角形ABCの外心として扱うことが出来る。また、辺ACの垂直2等分線が点A,Cから等距離にある点を全て含んでいることを考えると点Gは必ずACの垂直2等分線上にあることが分かる。
分かり、この点を三角形ABCの外心として扱うことが出来る。また、辺ACの垂直2等分線が
点A,Cから等距離にある点を全て含んでいることを考えると点Gは必ずACの垂直2等分線
上にあることが分かる。
 
 
====三角形の内心====
 
三角形の'''内心'''は三角形の'''内接円'''(ないせつえん、英:inscribed circle)の中心のことである。この点は三角形のそれぞれの辺から等距離にある。三角形の内心について次のことが成り立つ。
それぞれの辺から等距離にある。三角形の内心について次のことが成り立つ。
 
 
129 ⟶ 119行目:
 
三角形ABCを取り、角A,Bについて角の2等分線を取り2直線の交点をGと呼ぶ。
更に、点Gから辺AB,BC,CAに下ろした垂線とそれぞれの辺の交点をそれぞれH,I,Jと呼ぶとする。このとき、角Aの2等分線の性質から
H,I,Jと呼ぶ。このとき、角Aの2等分線の性質から
:<math>
GH = GJ
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GH = GI
</math>
が成り立つ。よって、Gは3角形ABCの各辺から等距離にあることが分かり、この点を三角形ABCの内心として扱ってよいことが分かる。
更に、角Cの2等分線がBC,CAに下ろした垂線の長さが等しくなるような点を全て含んでいることを用いると、この直線は常に点Gを含んでいる。
三角形ABCの内心として扱ってよいことが分かる。
更に、角Cの2等分線がBC,CAに下ろした垂線の長さが等しくなるような点を全て
含んでいることを用いると、この直線は常に点Gを含んでいる。
よって、3つの角の2等分線はただ1点で交わることが分かった。
 
336 ⟶ 323行目:
*導出
 
内接する四角形の頂点を反時計回りにA,B,C,Dとする。このとき、角A,角Cはそれぞれ
このとき、角A,角Cはそれぞれ点B,Dを対応する端点とする円弧に対する円周角となっている。ただし、角Aと角Cは互いに逆の円弧を対応する弧としているため、2つの弧を合わせるとそれらの弧はちょうど円周をおおうことになる。
このため、これらの2つの弧に対応する中心角の和は<math>360^\circ</math>に対応し、同じ弧に対応する円周角の和は
互いに逆の円弧を対応する弧としているため、2つの弧を合わせるとそれらの弧は
ちょうど円周をおおうことになる。このため、これらの2つの弧に対応する
中心角の和は<math>360^\circ</math>に対応し、同じ弧に対応する円周角の和は
<math>180^\circ</math>に対応するのである。
 
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====2つの円の位置関係====
 
2つの円を取ったときこれらはいくつかの仕方で関係する。2つの円の関係は2つの円の中心間の距離と、2円の半径によって定まる。
2つの円の距離をそれぞれ<math>r _1</math>,<math>r _2</math>(<math>r _1>r _2</math>),中心間の距離を<math>l</math>とすると、2円の半径によっ位置関係とし定まる。
2円の距離をそれぞれ<math>r _1</math>,<math>r _2</math>(<math>r _1>r _2</math>),中心間の距離を<math>l</math>とすると、
2円の位置関係として
:<math>l < r _1 - r _2 </math>のとき、円2は円1に含まれている。
:<math>r _1 - r _2 = l</math>のとき、2つの円は'''内接'''している。
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がある。
 
2つの円がただ1つの共有点をもつとき、この2つの円は'''接する'''といい、この共有点を'''接点'''(せってん、英:point of contact)という。