「高等学校古文/漢文とは何か、漢文をどうして学ぶのか」の版間の差分

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結論として、高校の漢文では、時代としては「論語」成立の諸子百家の時代から、「史記」成立の前漢までの文書が中心であり、それに、盛唐期の漢詩が加わえれば、その90%以上はフォローできているものと考える。
 
==漢文をどうしてなぜ学ぶのか==
古典の学習の理由として以下のことが学習指導要領で説明されている。ただし古典が科目になった歴史上の経緯<ref>江戸期において、高等教育の中心は漢学であり、教育者と言えば漢学者が多数であって、明治に入って近代教育制度整備の課程においても、これら漢学者の多くが参加をしていた。</ref>とは異なる。
# 古文・漢文の語句の意味、用法、文の構造を理解する。
# 内容を構成や展開にそくしてとらえる。
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ただ、各時代の「日本」の範囲や、各時代の日本の読書が可能な人の割合、については、日本史を勉強することが必要である。「中国」の範囲についても、王朝の変遷による地理的範囲の変化がある。このように、日本文化と中国文化の関係について、過去の歴史上の事実として把握するには、漢文だけでなく、歴史についても学ぶ必要がある。
 
===学ぶ上での注意・訓読文===
漢文は、もともと中国語(繰り返すが話し言葉ではなかった)であり、日本語とは、その文法構造を大きく異にしている。そもそも、歴史的には、日本人は漢文を外国語として捉え、大和言葉とは一線を画して読み書きを行っていたが、時代が下り、漢字の知識が深まるようになると、漢文に助詞や送り仮名を付し、さらに順序が日本語らしくなるよう記号(返り点)を付けて日本語として読めるような工夫([[w:漢文訓読|漢文訓読]])がなされるようになった。
 
書き下し文、読み下し文、訓読文などというのがこれであり、漢文独特の言い回しとしてなじみがあり、漢文の特徴のひとつといってよい。
 
しかしながら、これはあくまでも原文理解のための「'''便法'''」であって、その言い回しや仮名遣いの正誤にこだわるのは、漢文理解の為のエネルギーの無駄遣いでしかない。そもそも、一意に訓読ができるものではなく、ある種の仮置きに過ぎないということを理解しておくべきである。
 
訓点の機能を理解する初学の時期を除いて、「書き下し文を書け」等という問題が試験に出たならば、それは悪問であり、出題者の見識を疑って然るべきである。
 
==漢文を学ぶための本==