「中学校社会 公民/金融のしくみ」の版間の差分

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直接金融と間接金融という用語について記述。また、中学校社会 公民/企業の種類・株式会社のしくみ 2014年4月18日 (金) 13:03‎ から株式市場について引用。
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そもそも銀行は、どうやってお金をかせいでいるのでしょうか?
銀行は、企業などにお金を貸して'''利子'''(りし)と元金(もときん)を返してもらうことで収入を得ています。
お金を貸した際の利息によって収入を得ているのです。預金者が預けたお金の一部が、企業に貸し出されます。
 
貸すときの利息は、預金の利息よりも高いので、このしくみで、銀行は利益をかせげるのです。
 
 
== 金融とは ==
銀行のように、お金の貸し借りをする業務を、<big>'''金融'''</big>(きんゆう)といいます。お金の融通(ゆうづう)をする、という意味です。銀行以外にも証券会社や保険会社の業務も金融になります。
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銀行は、企業や個人などにお金を貸す場合、あして'''利子'''(りし)と元金(もときん)を返してもらうことで収入を得ています。借り手はお金を返す必要がありますが、元金のほかさら'''利子'''(りし)を借り手は銀行に払わなければなりません。お金を貸した際のそもそも'''利子'''(りし)によって、銀行は収入を得ているからです。
預金者が銀行に預けたお金の一部は、お金を借りたい企業や個人などに貸し出されています。銀行からすれば、貸し出すお金が高いほど、リスクも大きいので、一般に貸し出す金額に 利子率(りしりつ) を掛けた金額が利子になります。
 
貸すときの利子率は、預金の利息率よりも高いので、銀行は利益をかせげます。銀行の利子収入と預金者への利息支出との差額が、銀行の利潤になります。なお、銀行が個人にお金を貸す例は、たとえば住宅ローンなどです。
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銀行では、預けたお金の全てが貸しだされるわけではありません。預金をおろす利用者のために、お金のいくらかは、貸しださずに残しています。
 
預金者から見れば、預金者の預けたお金が銀行を通して間接的に企業などに貸し出されているので、銀行のように預金者と貸し手の異なる金融の仕組みを '''間接金融'''(かんせつ きんゆう) と言います。
貸金業(かしきんぎょう)には、預金業務を行わずに、お金をかすことで、利息を得ている消費者金融(しょうひしゃ きんゆう)などもあります。ですが中高生には消費者金融の利用の機会は無いので、この節では、銀行などの預金業を行っている金融機関のしくみについて説明します。なお、消費者金融は、銀行からお金をかりて、元手の資金を調達していることが多いです。
これに対して、株取引などの証券取引などは、購入者が直接、出資者や貸し手になっているので、証券取引などの金融を '''直接金融'''(ちょくせつ きんゆう) と言います。
 
銀行とは別に、貸金業(かしきんぎょう)には、消費者金融(しょうひしゃ きんゆう)のように預金業務を行わずに、お金をすことで利息を得ている消費者金融(しょうひしゃ きんゆう)など会社もあります。ですが中高生には消費者金融の利用の機会は無いので、この節では、銀行などの預金業を行っている金融機関のしくみについて説明します。なお、消費者金融は、銀行からお金をかりて、元手の資金を調達していることが多いです。
 
;<big>為替</big>(かわせ)
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[[ファイル:Tokyo stock exchange.jpg|thumb|220px|right|東京証券取引所の内部。]]
証券会社や証券取引所は、株取引(かぶ とりひき)や国債(こくさい)・社債(しゃさい)の売買や取引を仲立ちしています。
株取引などの証券取引などでは、購入者が直接、出資者や貸し手になっているので、証券取引などの金融を '''直接金融'''(ちょくせつ きんゆう) と言います。
 
*証券取引所(しょうけん とりひきじょ)
ある会社が規模が大きく、業績も とても良い会社は、証券会社での株の売り出しが認められます。証券取引所に株の売り出しを登録することを 上場(じょうじょう) といいます。上場した会社は、資金調達の手段として、証券市場による株の売買を利用します。証券市場から調達する必要のない会社の場合、上場できるほどの業績を持っていても、上場しない場合もあります。
 
 
かならずしも、会社は、証券市場などに上場しているとは、限らない。
むしろ、日本にある多くの中小企業は、証券市場には上場していません。上場している会社は、ごく一部の大企業です。
 
株取引の投資家は、証券市場で、上場している会社の株を買うことが出来ます。株主は、株を持ち続ける義務はなく、株を売ることも出来ます。また、株を買える人は、原則的に大人なら、金さえ出せば、誰でも株を買うことが出来ます。たとえば、日本人でなくても日本の会社の株は買えます。
 
 
上場している会社の株価(かぶか)は、つねに変わります。一定の価格では、ありません。普通は、業績の良い企業の株価が上がります。原則的に株取引は、株を売りたい人と買いたい人との条件が合えば取引が成立するので、買いたい人たちの1株あたりに払ってもいいと考える金額と、株を売りたい株主たちが希望する売り値とで、株価は決まります。なので、ある会社の株が高くても、その会社の株を買いたいという人が多ければ、その会社の株価が高くなります。つまり需要と供給で決まります。
 
ある会社の株が値上がりしそうだと株の投資家が思った時、投資家は その株が安い時に購入して、高くなった時に売り払えれば、その投資家は、もうけることが出来ます。これを「利ざや」と言います。
 
投資家が値上がりしそうだと思っても、かならずしも予想通りに値上がりするとは限りません。買った株価が値下がりする場合もあります。値下がりした場合でも売ることは出来ますが、売っても儲け(もうけ)が出ません。
 
 
このように、株を買うことには、「株価が下がるかもしれない」というリスクもあります。
 
東京証券取引所などの証券取引所と、たとえば野村證券(のむらしょうけん)や大和証券(だいわしょうけん)などの証券会社とは、別の会社です。証券会社は、単なる仲介業者です。証券取引所と、株の購入者との間を仲介します。一般の株式購入者は、証券取引所からの直接の購入は出きません。上場企業の株を購入したい場合は、証券会社を仲介して、証券取引所から購入する必要があります。
 
 
現代の株券は、電子的に管理されています。紙による株券の管理は廃止されました。日本の証券取引所は、東京や大阪など、合わせて日本には6ヶ所、ある。
 
*配当(はいとう)
株主に、会社の利潤の中から、利益が支給される場合があります。そのような株主への利益支給を <big>配当</big>(はいとう) と言います。
このような配当を支給するかどうかを決めるのも、株主の権限です。
 
配当は義務ではありません。たとえば上場してない中小企業などで、株主が社長の一人だけという場合は、配当を支払う必要がないので、配当は行われないことが、ふつうです。
 
 
*有限責任(ゆうげん せきにん)
会社が倒産(とうさん)しても、株主の保有する、その会社の株式の資産価値が無くなりゼロになるだけであり、株主は それ以上の責任は 負いません。このような出資額を失うリスクを超えた責任を、投資家が追わないようにしている仕組みを <big>有限責任</big>(ゆうげん せきにん) という。
こうすることで、出資者は、出資額以上のリスクは負うことがなくなるので、安心して出資できるようになる。また、会社側は、出資者を安心させることで、出資者を増やすことができるので、株式公開による資金調達で安定して資金調達をすることが出来る。
 
*資金調達
会社の資金調達の方法は、なにも株式の発行により出資者をつのるだけには限りません。銀行から金を借りるという 借り入れ(かりいれ) の方法もあるし、社債(しゃさい)と言って社債の出資者から金を借りる債権を発行する方法もあります。
上場したばかりの企業をのぞけば、会社の資金調達は、むしろ銀行から借りるのが一般でしょう。