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<small> [[中学校の学習]] > 中学校理科 第1分野</small>
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(中学校理科 第1分野とは、物理・化学の分野である。)
 
;諸注意
実験では危険な物質を取り扱うことがあります。
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このページでは中学校科目理科の第1分野の内容を扱う。詳しい内容は[[w:学習指導要領]]を参照のこと。理科では、自然の中で起こる様々な現象について見ていく。現在の指導要領は全般に実験を重視した作りになっているが、科学に対する興味を養う意味でも、定量的、定性的に現象を把握する意味でもそれぞれの現象について実際に調べてみることは重要である。
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技術的な問題で現段階ではweb上で実験を行なうことは出来なさそうだが、どうだろうか。現在でも既存の技術の組み合わせで十分対応できるのかもしれない。
どうだろうか。現在でも既存の技術の組み合わせで十分対応できるのかもしれない。
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中核をなす学問分野であり、非常に重要な分野であるといえる。一方第2分野では高等学校でいう''生物''と''地学''に対応する分野を扱う。
生物は生物の身体の構成物などについて調べる学問であり、研究がさかんな分野である。
 
<!-- 地学は ... 。 -->
ここでは特に第1分野(物理と化学)について扱う。
 
== 科学技術と人間 ==
科学技術の発展によって我々の生活は多くの恩恵を受けている。しかし、科学技術は様々な問題をかかえていることにも注意する必要がある。
 
==== エネルギー資源 ====
;化石燃料
石炭、石油、天然ガスを'''化石燃料'''(かせきねんりょう、fossil fuel、ファーソル・フューエル)という。これら化石燃料は、一般に地中に埋蔵されていたものを採掘して得られる。埋蔵量が限られている資源である。
これら石油・石炭・天然ガスは、大昔に死んだ生物の死体や残骸などの有機物が、地中にうずもれたまま、長い年月の間に化学変化をしてできたものである。なので、化石燃料は埋蔵量が限られている。
 
;発電
[[ファイル:peltonturbine-1.jpg|thumb|left|180px|発電用タービンの部品。<br>ドイツの水力発電所の装置]]
我々の生活には電気が不可欠である。電気は現在では主に[[w:火力発電]]、[[w:原子力発電]]、[[w:水力発電]]などの方法で供給されている。これらの3種類の発電では、共通して、回転羽根を持ったタービン(羽根車)を回して発電している。タービンに永久磁石が取り付いており、その磁石がタービンと一緒に回転することによって、電磁誘導によって発電をしている。
 
「火力」や「水力」や「原子力」とは、タービンの回転力を得る方法の種類である。
火力発電では、火力により水を熱して蒸気にさせることで、その蒸気圧によって、タービンを回転させている。蒸気は回収して冷却して再利用するので、これらの発電所の立地は、一般に冷却水が入手しやすい海岸沿いにあることが多い。
 
原子力発電も、核分裂を行う物質が発生する熱により、水を熱して蒸気にしていることで、タービンを回す力を得ている。
原子力発電は、名前が「原子力」なので、てっきり、まるで電池から電気が出るように核反応そのものから電気が出るのかと誤解されやすいが、そうではない。原子力発電における原子力も、火力発電での火力と同様に、蒸気を沸かすための熱源に過ぎないのである。
 
いっぽう、水力発電では、高所にダムなどを作り、高低差を利用して、水を高所から低所に流す間の地点にタービンの羽根を置くことで、タービンを回している。
 
火力発電に使われる[[w:石油]](せきゆ、petroleum,ペトロリアム)は、[[w:化石燃料]]の一種であるため、無限に使い続けることはできない。さらに、原子力発電で用いられる放射性物質も、有限の地下資源であり、無限に手に入るわけではない。
 
また、原子力発電には放射性廃棄物の処分方法をめぐる、未解決の問題もある。
 
なお、この他にも、太陽光発電や風力発電など、発電方式は多くある。詳しくは、たとえば[[w:発電]]を参照せよ。
 
太陽光発電は、ある種の半導体に光を当てると電圧が発生し電池(※注意 化学電池ではない)になる光電池を利用した発電である。
光電池に当てる光を太陽の光にすれば、太陽が存在する限りは、地球が滅ばなければいつまでも発電できる。
 
なお、太陽'''光'''発電と、太陽'''熱'''発電とは、別の発電方法である。太陽熱発電は、太陽光を浴びた物質の熱を利用した発電であり、一般に光電池は利用しない。
 
 
現在の文明は大量のエネルギー資源を消費しており、そのため人類は、現在の大量消費の生活を続けることはやがて不可能になると考えられる。現在でもエネルギー資源の保護を考えた議論も進んでいるが、いまだ明確な結論は出ていない。実際にはこの議論は結論が出る類の議論ではないので、各国が妥協をくり返すことが現実的な解決策となるかもしれない。
 
 
==== 科学技術と人間 ====
 
我々の生活は多くの先人達の知恵によって支えられている。ビルを建てることも電気を使うことも、[[w:物理学|物理学]]に支えられた近代的な技術がなければ不可能である。また、我々が用いている多くの素材は、[[w:化学|化学]]の手法によって開発されて来た。このように、我々が用いている技術と知識に敬意を払い、科学技術の発展を支えていくことが望ましい。
 
== 落下運動 ==
[[File:Free-fall.gif|thumb|right|180px|自由落下]]
[[Image:Falling ball.jpg|thumb|140px|left|自由落下は等加速度運動である。]]
 
 
物体を地面から離して速度は付けずに落下させた場合、手を離した直後の初速度は秒速0m/sだが、障害物などがなければ、1秒後は約9.81m/sの速度になっており、2秒後は約19.6m/sの速度になっており、3秒後は約29.4m/sになっており、・・・というふうに1秒ごとに約9.81m/sずつ速度が増していく。地面に当たるまで、このような加速を続けていく。
 
このような、障害物などが無く、落下を続けていく落下運動を'''自由落下'''(じゆうらっか、free fall)という。
 
また、速度の変化率のことを'''加速度'''(かそくど、英: acceleration、エクセラレイション)という。
自由落下する物体は、重力によって、鉛直方向の下向き(つまり地面に向かう向き)に、一定の加速度 ''g'' (=約9.81m/s<sup>2</sup>)で加速するので、この重力による加速度を'''重力加速度'''(じゅうりょくかそくど)という。
重力加速度の記号は、一般に小文字の g で表す。
地球上での重力加速度 g の大きさは、約9.81m/s<sup>2</sup>である。
これは地上での重力による加速度なので、月面では1/6倍になることに注意せよ。
 
また、無重力下では重力加速度はゼロ 0 m/s<sup>2</sup>になる。
 
加速度の単位はm/s<sup>2</sup>であり、速度の単位のm/sとは1/s倍だけ異なることに注意せよ。
 
加速度の単位の意味は、一秒あたり(= 1/s )の速度 m/s の変化率なので、
:一秒あたり変化率 1/s × 速度 m/s = 加速度 m/s<sup>2</sup>
となる。
 
また、加速度が一定の運動を、'''等加速度運動'''(とうかそくど うんどう)という。自由落下は等加速度運動の一つの例である。
 
自由落下の重力加速度は、どの物体に対しても共通である。
 
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;空気抵抗
羽毛や紙などの軽い物を落下させた時にゆっくり落ちる現象があるが、この現象は、空気による抵抗である。実際に、実験で、真空にした透明容器内などで羽毛や紙などの落下をさせると、金属などと同じ落下速度で落ちることが、実験的にも確認されている。
 
空気による運動への抵抗を'''空気抵抗'''(くうきていこう、air resistance)という。
 
パラシュートなどを考えればわかると思うが、質量に対して幅が大きい物は、空気抵抗を受けやすい。
紙や羽毛などが空気抵抗を受けやすいのも、パラシュートなどと同様の仕組みである。
 
(なお、真空を作る実験は、真空ポンプなどを用いることになるが、ポンプの使用法に関する専門的な知識が必要なので、中学生には実験が難しいので、行わないほうがいいかもしれない。もし真空での落下実験に興味があれば、映像教材などを学校の先生に見せてもらうか等をしてください。)
 
 
;放物線
[[File:Inclinedthrow.gif|thumb|300px|放物線<br>3通りの初速度で、斜め上方向に角度を同じにして投げた場合。<br>縦軸が鉛直方向。横軸が水平方向。]]
ボールなどを斜め上向きに投げたら、どういった軌跡を描くだろうか。空気抵抗は考えないとする。投げたボールにも重力は働くので、上向きの速度が少しずつ減速していく。しかし横向きの速度成分は重力の方向とは別方向なので、横向き成分は変化をしない。
結果的に投げたボールは鉛直下向きに加速していくので、右図のような軌跡を描く。
このような、物体を投げた時の軌跡を、'''放物線'''(ほうぶつせん、parabola、パラボラ)という。
 
[[Image:ProjectileRange.jpg|300px|thumb|left|初速 ''v'', 角度 &theta; で初期の高さ ''y''<sub>0</sub> から打ち出した物体の描く曲線]]
 
[[File:ParabolicWaterTrajectory.jpg|thumb|center|200px|放物線の軌跡の噴水]]
 
 
[[Category:中学校教育|りか1]]