「高等学校数学I/データの分析」の版間の差分

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==表計算(基礎編)==
アンケートなど、資料の数が多い場合には手作業で計算をすると膨大な時間がかかる。そこでコンピュータの表計算ソフト(ここではMicrosoft Excelを例に取る)を用いて統計処理を行ってみよう。
 
コンピュータにMicrosoft Excelが入っていない場合はフリーソフトのOpenoffice Calcなどで代用できる。自身のOS(Windows,Mac,Linuxなど)に合ったバージョンをダウンロードしないと動かないので注意。
 
===表計算ソフト===
表計算ソフトを起動すると長方形の何も書かれていない枠が無数に並んでいる。この枠それぞれのことを'''セル'''と言う。また縦方向(1・1,2,3,・・・)のことから右に出るラインそれぞれを'''行'''と言い、横方向(A・A,B,C,・・・)のことから下に出るラインそれぞれを'''列'''と言う。
 
セルの個々の呼び方は番号番号のように表す。例えば番号がC、番号が3であるセルは「C3のセル」であると言う。
 
*表1
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ここでは数値が入力されたセルに対しての計算方法を学ぶ。表計算ソフトによって計算式の種類や入力方法など異なる場合があるので事前に確認しておくこと。ここではよく用いられる演算式を示すが、詳細は表計算ソフトのヘルプ・表計算ソフトについて書かれた書籍を参考にして欲しい。
 
表計算ソフトでは直接セルに計算式を入力することによって、指定されたセルに対して計算を行い、その実行結果が計算式を入力したセルに反映される。またそのセルを複写すると複写先のセルに応じた計算式となって入力され、その実行結果が表示される。(※詳細は実践編「セルの参照」で)
 
====演算子====
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====関数====
一般に関数とは''xの値を決めるとyの値が1つに定まるもの''であるが、コンピュータ分野においての関数は一般のそれとは異なり'''用途別に予め用意された計算式'''のことを表す。この時計算対象のセルを括弧で指定するが、括弧内を'''引数'''('''ひきすう''')と言う。X1のセルに入力された数値の演算の代表的な例を以下に挙げる。関数の計算結果を出力することを値を'''返す'''と言い、その値のことを'''返り値'''と言う。
 
*正の平方根・・・ <math> =SQRT(X1) </math>
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*整数値で四捨五入・・・ <math> =ROUND(X1) </math>
 
今の段階ではあまり気にしなくてもよいが三角関数を用いる場合は[[高等学校数学II いろいろな関数#弧度法|弧度法]](「'''弧の長さ<math>\div</math>半径の長さ'''」で記述する角の測り方で、単位は'''ラジアン''':詳細は数学IIで勉強する)での取扱いになる為、度数法での記述の場合は予め弧度法に直しておかなければならない。(※詳細は実践編「関数の仕様」で)
 
度数法から弧度法への変換は、<math>n ^{\circ} =n \times \frac{\pi}{180}</math>とすればよい。
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明らかに間違いな数値が出てきてしまいました。E3のセルの式を見ると<math> =B3-B12 </math> となっています。プログラム内では''3つ左のセルの数値から3つ左、9つ下のセルの数値を引きなさい''という命令に置き変わっています。コピーペーストしてもその命令は変わらないので、参照先が両方とも移動してしまいます。今の段階ではB12のセルに何も入っていないのですから、そのセルには0が入っているものとして計算されます。他のE列にコピーしてもやはり間違いな数値が出力されます(実験してみて下さい)。ここでは出てきませんが、文字列のセルと数値のセルを計算しようとするとエラーになります。
 
このような場合は'''参照するセルを固定する'''ことが必要になります。参照セルを固定する場合は固定したい番号もしくは列番号、もしくは両方の前に''' $ '''の文字を入れます。行番号も列番号も固定したい場合はそれぞれの番号の前に$をつけます。
 
では平均値が出力されているB11を固定してE2のセルをコピーしE3のセルにペーストしてみましょう。この場合は11のほうを固定したいので'''B$11'''のように入力して固定します。
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これで正しい結果を得ることができました。参照セルを固定する方法を'''絶対参照'''と言います。
 
「'''結局$ はどちらにつければいいの?'''」という疑問があるかと思いますが、ここでは簡単のために'''左右に移動させたくない場合はアルファベットの前に$'''、'''上下に移動させたくない場合は数字の前に$'''、'''どちらにも移動させたくない場合はアルファベット・数字両方の前に$'''と思っておけばいいでしょう。つまずきやすい場所なので実際に練習してみて動きを見るのも大切です。慣れると考えずとも正しく$をつけられるようになります。
 
詳しくは[[初級システムアドミニストレータ/表計算ソフト#絶対参照に使う記号($記号)|旧初級シスアド試験の表計算セクション]]に記述されています。
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'''論理式'''には判定の条件となる式を入れます。'''真'''(true)であることは論理式を満たすもの、逆に'''偽'''(false)はそうでないもののことです。
 
論理式には'''比較演算子'''なるものを入れます。簡単に言えば等号や不等号のことです。気をつけるべき点としてはいわゆる≧や≦、≠の全角記号は使えないということです。
*<math> A1>100 </math>・・・A1の値が100より大きい
*<math> A1<100 </math>・・・A1の値が100より小さい
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*'''=IF(C2>=40,"1,000円",IF())'''
 
2つ目のIF関数において今度は''30人~39人の入場料は1,100円''を設定していきましょう。既に40人以上の設定は1つ目のIF関数で終わっているので30<=B2<=39と書く必要はなく'''30<=B2'''だけでよいのです。ここで真の場合は30人~39人、偽の場合は29人以下ですので、これで設定は全て終了です。エラーが出る場合は括弧や" "が正しく閉じているか、カンマに漏れや余計なものがないかに気をつけましょう。
 
*'''=IF(C2>=40,"1,000円",IF(C2>=30,"1,100円","1,200円"))'''