「中学校理科 第1分野/化学変化とイオン」の版間の差分

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加筆中。 また、中学校理科 第1分野/科学技術と人間 2014年7月7日 (月) 22:37 より、燃料電池について引用。
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=== 塩化銅の水溶液に電気を流す実験 ===
塩化銅の水溶液に、電気を流すため、水溶液に、プラスの陽極とマイナスの陰極の電極を差し込んで、電気を流すという、実験について、これから説明する。
 
この塩化銅水溶液に電気を流す実験では、陰極に、銅が付着する。いっぽう、陽極付近には、塩素が気体として発生する。
発生気体が塩素であることは、臭い(におい)が、プールの消毒液のような臭いであることからも分かる。有毒な気体なので、あまり、かぎすぎないように。においをかぐときは、手であおぐようにして、かぐこと。
 
実験をするときは、換気をして、実験すること。
 
この陽極と陰極のそれぞれの発生物質から、塩化銅の水溶液では、塩素と銅という二つの物質に分かれている事が、予想される。
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いっぽう、塩酸の水溶液に電気を流す実験で、陰極(マイナス極)のほうには、水素が発生する。
 
:水素が陰極に引かれることから、水素は逆の電気を持っている、つまり水素はプラスの電気を持っている。
:塩素が陽極に引かれることから、つまり塩素の電気は逆符号の電気であり、塩素はマイナスの電気を持っている。
 
 
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原子の記号の右肩に,帯びている電気の種類と量を書いた記号を'''イオン式'''という。
 
:水素イオン(H<sup>+</sup>) …… 水素原子が電子を1個失った陽イオン
:銅イオン(Cu<sup>2+</sup>) …… 銅原子が電子2個を失った陽イオン
 
:カリウム イオン(Cu (K<sup>2+</sup>)……銅原子が電子2個を失った陽イオン
:亜鉛イオン(Zn<sup>2+</sup>)
 
:塩化物ナトリウムイオン(Cl(Na<sup>-+</sup>)……塩素原子が電子1個を取りこんだ陰イオン
 
:塩化物イオン(Cl<sup>-</sup>) …… 塩素原子が電子1個を取りこんだ陰イオン
:水酸化物イオン(OH<sup>-</sup>)のように、イオンには原子がいくつか集まったもので電気を帯びたものもある。
:硫酸イオン(SO<sub>4</sub><sup>2-</sup>)
:硝酸イオン(NO<sub>3</sub><sup>-</sup>)
 
OHなど、いくつかの原子があつまった物であるが、分子にはなっていないものを、原子の集まりという意味で、原子団(げんしだん)と言う。
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: HCl &rarr; H<sup>+</sup> + Cl<sup>-</sup>
 
*さまざまな電解質の電離の例
塩化水素
: HCl &rarr; H<sup>+</sup> + Cl<sup>-</sup>
 
塩化ナトリウム
: NaCl &rarr; Na<sup>+</sup> + Cl<sup>-</sup>
 
水酸化ナトリウム
: NaOH &rarr; Na<sup>+</sup> + OH<sup>-</sup>
 
塩化銅
: CuCl<sup>2+</sup> &rarr; Cu<sup>2+</sup> + 2Cl<sup>-</sup>
 
 
=== 参考: 炎色反応 ===
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なお、ボルタの電池は、時間がたつと、起電力が下がっていってしまう。これは反応中に銅板で発生する水素による泡が原因である。
このような電極に発生した泡による起電力の低下を、電池の分極(ぶんきょく、polarization)という。分極は高校レベルなので、中学生は、あまり気にしなくて良い。
 
 
ボルタの電池のように、プラス極の金属板とマイナス極の金属板は、べつの種類の元素でなければならない。
プラス極とマイナス極の両方の金属板を亜鉛板にして、塩酸など酸溶液にひたしても、まったく電気は流れない。
 
同様に、プラス極とマイナス極の両方の金属板を銅板にして、塩酸など酸溶液にひたしても、まったく電気は流れない。
 
 
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このように、起電力の電圧の発生要因に化学反応を用いている電池を化学電池(かがくでんち)という。
 
 
金属と酸との化学電池の組み合わせは、銅と亜鉛だけでなくとも、可能である。
 
銅板とマグネシウムリボンでも、塩酸の水溶液で、電池は出来る。
 
亜鉛板とマグネシウムリボンでも、塩酸の水溶液で、電池は出来る。
 
 
==== 身の回りの化学電池 ====
*マンガン乾電池
マンガン乾電池の起電力の電圧は約1.5ボルトである。
 
マンガン電池の内部では、マイナス極に亜鉛を用いており、プラス極に二酸化マンガンを用いている。
ボルタ電池のような反応がなぜ起こるかは、以下に説明する亜鉛板と銅板とのイオン化傾向の差による。
電解質として、塩化亜鉛水溶液を用いている。
 
ボルタ電池のような反応がなぜ起こるかは、以下に次の節で説明する亜鉛板と銅板とのイオン化傾向の差による。
 
 
===== 二次電池 =====
*鉛電池(なまり でんち)
自動車のバッテリーで用いられている電池である。
電極は、マイナス極に鉛(なまり)を用いている。プラス極には、酸化鉛を用いている。
電解質には、うすい硫酸が用いられている。
 
鉛電池では、外部から逆向きに電流を加えることで、<big>充電</big>(じゅうでん)が出来る。このような充電の出来る電池のことを<big>二次電池</big>(にじでんち)と言う。
 
 
いっぽう、充電できない電池を一次電池(いちじ でんち)という。マンガン乾電池は充電できないので、マンガン乾電池は一次電池である。
 
 
*リチウムイオン電池
携帯電話のバッテリーや、ノートパソコンのバッテリーに用いられている。二次電池であり、充電できる。
 
 
*ニッケル水素電池
デジタルカメラなどに用いられている。二次電池であり、蓄えられる電気の大きいが大きい。
 
=== 発展:燃料電池 ===
[[Image:Solid oxide fuel cell protonic.svg|thumb|燃料電池。 (水素-酸素系)<br>左側から供給された水素 H<sub>2</sub> の一部は、正極でイオン化され、負極にたどり着き、酸素 O<sub>2</sub> と反応し水になる。<br>anode = 陰極 , cathode = 正極 , Fuel = 燃料 , electrolyte = 電解質 .]]
水素などの陽極の燃料を、触媒を用いてイオン化させ、余った電子を取り出す電池。陽極の燃料が水素の場合は、陰極で酸素および回収した電子と反応し水になる。このような仕組みで、電気を取り出す装置を燃料電池(ねんりょう でんち)という。様々な方式の燃料電池がある。
 
水素ガスなどからエネルギーを取り出せる燃料電池(ねんりょう でんち)は、べつに発電方法では無い。電池は、発電した電力を蓄える装置でしかない。水素ガスを作るのに、べつの電力が必要になる。
 
=== 発展:イオン化傾向 ===
:(※くわしくは高校でイオン化傾向を習うが、中学用の参考書などにも書かれているので、余裕があれば学んで頂きたい。)
ボルタ電池のような反応がなぜ起こるかは、この節で説明する、亜鉛板と銅板とのイオン化傾向の差による。
 
金属元素の単体を水または水溶液に入れたときの、陽イオンのなりやすさを'''イオン化傾向'''(イオンか けいこう、ionization tendency、イオニゼイション・テンデンシー)という。
376 ⟶ 439行目:
:'''(※ 注意:理科室の物は、学校の先生の許可無く、味見しないこと。理科実験では危険な物質も扱うことがあるので、けっして、許可無く口にいれてはならない。)'''
 
* 塩酸の水溶液は、鉄や亜鉛、マグネシウムなどの金属を溶かす。硫酸の水溶液は、金属と反応しやすい。
 
 
473 ⟶ 536行目:
アンモニアの水溶液を'''アンモニア水'''(アンモニアすい)という。
:刺激臭が有る。
 
*水酸化カリウム KOH
水酸化カリウムは、次のように電離する。
:KOH → K<sup>+</sup> + OH<sup>-</sup>
 
==== 中性 ====
508 ⟶ 575行目:
塩化ナトリウム NaCl のように、分子式が、酸とアルカリの中和で作れる分子になってる化合物を、塩(えん)と言う。
 
つまり、
塩化ナトリウムや塩化物でなくとも、酸とアルカリの中和反応で出来るなら、塩(えん)と言う。
:酸 + アルカリ → 水 + 塩
である。
 
たとえ塩化ナトリウムや塩化物でくとも、もし酸とアルカリの中和反応で出来る化合物なら、その化合物は塩(えん)と言う。
 
塩の定義を、より詳しく言うと、中和反応での、酸の陰イオンと、アルカリの陽イオンとが結びついた化合物を、塩(えん)という。
515 ⟶ 586行目:
:「酸(HCl)の陰イオン(Cl<sup>−</sup>)と、アルカリ(NaOH)の陽イオン(Na<sup>+</sup>)とが結びついた化合物を、塩(NaCl)という。」
というふうに、たしかに、塩(えん)に なっている。
 
塩酸の水溶液に、水酸化ナトリウムを加えていくと、中和によって、だんだん中性に水溶液は近づいていく。そのまま、さらに水酸化ナトリウムを加えると、完全に塩酸の水素イオンを打ち消した時点では、水溶液は中性になる。さらに水溶液に水酸化ナトリウムを加えていくと、アルカリ性になる。
 
塩酸に水酸化ナトリウムを加えて中性になった水溶液に、さらに水酸化ナトリウムを加えても、中和は起こらない。なぜなら、中性の水溶液には、あまっている水素イオンが無いからである。なので、完全に中和して中性になった水溶液に、水酸化ナトリウムを加えると、そのままアルカリ性になっていく。