「中学校理科 第1分野/化学変化とイオン」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
加筆中。 また、中学校理科 第1分野/科学技術と人間 2014年7月7日 (月) 22:37 より、燃料電池について引用。
加筆中。
287 行
=== 発展:燃料電池 ===
[[Image:Solid oxide fuel cell protonic.svg|thumb|燃料電池。 (水素-酸素系)<br>左側から供給された水素 H<sub>2</sub> の一部は、正極でイオン化され、負極にたどり着き、酸素 O<sub>2</sub> と反応し水になる。<br>anode = 陰極 , cathode = 正極 , Fuel = 燃料 , electrolyte = 電解質 .]]
酸素と水素を用いて、電気分解と逆の反応を行っている。水素などの陽極の燃料を、触媒を用いてイオン化させ、余った電子を取り出す電池。陽極の燃料が水素の場合は、陰極で酸素および回収した電子と反応し水になる。このような仕組みで、電気を取り出す装置を燃料電池(ねんりょう でんち)という。様々な方式の燃料電池がある。
 
:2H<sub>2</sub>+O<sub>2</sub> → 2H<sub>2</sub>O + 電気
 
 
いっぽう、電気分解は、つぎのような反応式で表せた。
 
:2H<sub>2</sub>O + 電気 → 2H<sub>2</sub>+O<sub>2</sub>
 
水素ガスなどからエネルギーを取り出せる燃料電池(ねんりょう でんち)は、べつに発電方法では無い。電池は、発電した電力を蓄える装置でしかない。水素ガスを作るのに、べつの電力が必要になる。
 
石油を燃やしたりするのとは違い、燃焼を行っておらず、反応では水と電気が出来るだけなので、直接的に大気汚染をすることは無く、環境への負担が低いと考えられており、そのため燃料電池の開発が進められている。
 
 
=== 発展:イオン化傾向 ===
554 ⟶ 564行目:
 
====中和====
酸性の溶液とアルカリ性の溶液を混ぜた水溶液を作ると、酸の水素イオン<math>\mathrm{H^+}</math>と、アルカリの水酸化物イオンOH<supmath>\mathrm{OH^-}</supmath>が結合し、水分子H<sub>2</sub>Oが出来る。
この反応を'''中和'''(ちゅうわ)と呼ぶ。
 
561 ⟶ 571行目:
酸とアルカリが中和した際には水が生じる。
 
また、中和の結果、その水溶液は中性に近づく。中和とは、酸とアルカリが反応して水を生じることを言うので、必ずしも水溶液は中性ではない
 
 
592 ⟶ 602行目:
 
 
また、酸ののHやアルカリの中のOHが取り去られた後、残った物質(イオン)が結合して新たな物質を作ることがある。ここでき生じ物質を[[w:]]("えん"と読む)と呼ぶ。の種類については、反応に用いた酸とアルカリによって生じる塩が決まる。例えば、塩酸とアンモニア水が反応した時には水と[[w:塩化アンモニウム]](えんかアンモニウム、ammonium chloride)が生じる。この反応は次の化学反応式で書かれる。
* 発展
中和に際して水を作るのは酸の中の[[w:水素イオン]]<math>H^+</math>と、アルカリの中の[[w:水酸化物イオン]]<math>OH^-</math>である。後の議論でも同様で、[[w:塩]](えん)を作るのは、酸の陰イオンと、アルカリの陽イオンである。
 
また、酸の中のHやアルカリの中のOHが取り去られた後、残った物質(イオン)が結合して新たな物質を作ることがある。ここでできる物質を[[w:塩]]("えん"と読む)と呼ぶ。反応に用いた酸とアルカリによって生じる塩が決まる。例えば、塩酸とアンモニア水が反応した時には水と[[w:塩化アンモニウム]](えんかアンモニウム、ammonium chloride)が生じる。この反応は次の化学反応式で書かれる。
:<math>
\mathrm{HCl + NH_3 + H_2 O \rightarrow H_2O + NH_4 Cl}
</math>
 
また、水溶液中での酸性やアルカリ性には強さがある。酸性やアルカリ性の強さは、物質の種類と水の中に溶けている物質の量で決まる。<!--中和は、酸やアルカリが残ることなく反応して塩となった状態を言うので、必ずしもpH7のことではない。-->
 
以上の例のように、酸とアルカリを混合すると、中和によって、水と塩(えん)が生じる。
* 発展
 
より正確には、溶液中の水素イオン H<sup>+</sup> の濃度で決まる。
 
*おもな塩
・塩化ナトリウム(食塩) NaCl
<br />
中和によって塩化ナトリウムを生じさせたい場合は、塩酸HClと水酸化ナトリウムNaOHの中和で、塩化ナトリウムNaClを生じさせる事が出来る。
 
 
・硫酸バリウム BaSO<sub>4</sub>
<br />
硫酸 H<sub>2</sub>SO<sub>4</sub> と水酸化バリウム Ba(OH)<sub>2</sub> の中和によって、塩(えん)として、<big>硫酸バリウム</big> BaSO<sub>4</sub> が生じる。
:H<sub>2</sub>SO<sub>4</sub> + Ba(OH)<sub>2</sub> → BaSO<sub>4</sub> + 2H<sub>2</sub>O
:硫酸 + 水酸化バリウム → 硫酸バリウム + 水
 
硫酸バリウムは白色であり、また、沈殿(ちんでん)を生じる。つまり、硫酸バリウムは白色の沈殿になる。
 
したがって、硫酸と水酸化バリウムの中和で、白色の沈殿が生じる。この、硫酸と水酸化バリウムの中和で生じた白色の沈殿が、硫酸バリウムである。
 
反応式を書くときは、塩だけでなく、水も生じることを忘れないように。
 
 
・炭酸カルシウム CaCO<sub>3</sub>
<br />
白色の沈殿である。石灰水を白く濁らせるのは、この<big>炭酸カルシウム</big> である。
 
炭酸と、水酸化カルシウム水溶液との、中和で炭酸カルシウム CaCO<sub>3</sub> が生じる。
:H<sub>2</sub>CO<sub>3</sub> + Ca(OH)<sub>2</sub> → CaCO<sub>4</sub> + 2H<sub>2</sub>O
:炭酸 + 水酸化カルシウム → 炭酸カルシウム + 水
 
 
・塩化カルシウム CaCl<sub>2</sub>
<br />
塩酸 HCl と 水酸化カルシウム Ca(OH)<sub>2</sub> の中和で、塩化カルシウム CaCl<sub>2</sub> が生じる。
 
 
・硝酸カルシウム KNO<sub>3</sub>
<br />
硝酸 HNO<sub>3</sub> と 水酸化カルシウム Ca(OH)<sub>2</sub> の中和で生じる。
 
:HNO<sub>3</sub> + Ca(OH)<sub>2</sub> → KNO<sub>3</sub> + H<sub>2</sub>O
:硝酸 + 水酸化カルシウム → 水酸化カリウム + 水
 
沈殿は'''生じない'''。水溶液から硝酸カルシウムを取り出す場合は、蒸発や再結晶などによって取り出す。
 
----
以上の塩の例のように、塩には、NaClのように水に溶けやすい塩と、硫酸バリウム BaSO<sub>4</sub>のように水に溶けにくい塩との、2種類がある。
 
=== PH ===
また、水溶液中での酸性やアルカリ性には強さがある。酸性やアルカリ性の強さを決める要因は、物質の種類との中に溶けている物質の量で決まる。<!--中和は、酸やアルカリが残ることなく反応して塩となった状態を言うので、必ずしもpH7のことではない。-->
水溶液の酸性やアルカリ性の強さを表す値をpH(ピーエイチ、もしくはペーハー)と呼ぶ。pHがpH=7のとき溶液は中性であり、pHが小さくなるほど溶液は酸性に近づく。一般に、pH=0で最も強い酸性である。またpHが大きくなるほど、溶液はアルカリ性に近づく。一般に、pH=14が最も強いアルカリ性である。pHは普通、0から14の範囲内である。
 
水溶液の酸性やアルカリ性の強さを表す値を '''pH'''('''ピーエイチ'''、もしくはペーハー) と呼ぶ。pH が、 pH=7のとき、その溶液は中性である。
 
 
pHが7未満が酸性である。pHが小さくなるほど、溶液は酸性に近づく。
一般に、pH=0で最も強い酸性である。
 
 
またpHが7より大きいと、アルカリ性である。pHが大きくなるほど、溶液はアルカリ性に近づく。一般に、pH=14が最も強いアルカリ性である。
 
pHは普通、0から14の範囲内である。
 
私たち中学3年以上の読者は、イオンをっているし、酸は水素イオン H<sup>+</sup> によって出来ることも知っているし、アルカリは水酸化物イオン OH<sup>-</sup> などによって出来ることも知っている。
 
つまり、PHの強さは、水溶液中の水素イオンや水酸化物イオンの数や濃度から、計算することができる。( PHとイオンの数の計算は、くわしくは、高校で習う。 )