「TeX/LaTeX入門」の版間の差分

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== LaTeXを始める ==
この章では最初にlatexコマンドを用いた英語のみの文書作成、続いてplatexuplatexコマンドを用いた日本語を含む文書作成の順に解説します。入力するコマンドが''command''である場合、以下の様に示します。
 
$ command
57 行
Transcript written on test1.log.
 
問題なくコンパイルされると最後の二行が上のようになり(環境によっては出力されるサイズが異なるかもしれません、以下同様です)、text1.dviという''DVIファイル''が作成されます。作成されたDVIファイルは、DVIdvipdfmxでPDFファイルビューアより見変換することが出来ます。このドキュメントには、TeX・LaTeXともにロゴに変換された上で、1行目に"Hello, TeX"、2行目に"Hello, LaTeX"と表示されます。
 
==== 解説 ====
76 行
=== 日本語の文書を作ってみよう ===
==== 準備 ====
続いて日本語を扱った文書を作成します。日本語を扱うためにはpLaTeXupLaTeXが必要となり、ソースファイルを保存するときは[[w:文字コード|文字コード]]に気をつけなければなりません。まずはソースファイルを保存するときに必要とされる文字コードを調べて見ましょう。以下のコマンドを実行してみてください。
 
$ platexuplatex --version
e-upTeX 3.14159265-p3.5-u1.11-130605-2.6 (utf8.uptex) (TeX Live 2014/W32TeX)
pTeX (Web2C 7.3.7) p3.0.1 (EUC), based on TeX 3.14159
 
出力の最初の行に'''(EUC)'''や'''(SJISutf8.uptex)'''と表示されると思います。これは利用した組版ソフト(今回の場合はplatexuplatex)に設定されたソースファイルに使用する文字コードと内部文字コードを示しています。上記の例ではEUCソースファイルに使用する文字コードはutf8、内部文字コードはuptexを示しています。
 
 
次に以下の内容を、組版ソフトに設定された文字コードと同じになるように、EUCutf8.uptexであればEUCUTF-JPで、SJISであればShift JIS8で、test2.texとして保存してください。ソースファイルの文字コードが組版ソフトの設定と異なると、出力結果が文字化けを起こすことがあります。
 
% File name: test2.tex
\documentclass{jarticleujarticle}
\begin{document}
こんにちは、世界。
95 行
\end{document}
 
今回は日本語を扱っているのでクラスファイルには'''jarticleujarticle'''を指定してください。
 
==== コンパイル ====
先ほどと同様にコンパイルしてみましょう。今回は日本語の含まれるソースをコンパイルするので、コマンドにはplatexuplatexを使用します。
 
$ platexuplatex test2
Output written on test2.dvi (1 page, 444 bytes).
Transcript written on test2.log.
 
うまくコンパイル出来れば、最後の二行が上のように出力されます。こちらも同様にDVIdvipdfmxでPDFファイルビューアで見に変換することが出来ます。
 
==== 解説 ====
今回は日本語を含んでいるソースファイルをコンパイルしました。日本語を含む文書作成の際、クラスファイルには'''jarticleujarticle'''や'''jreportujreport'''などを指定します。
 
TeXでは一行以上空けない改行は全て無視されます。ですから、DVIファイルの“こんにちは、世界。”と“こんにちは、TeX。”は同じ行に出力されています。テキストエディタで編集している際、一行が長くなると場合によっては横スクロールが必要となり、見やすさが損なわれるので適度に改行することがあります。
124 行
 
% File name: classoption.tex
\documentclass[12pt]{jarticleujarticle}
\begin{document}
こんにちは、世界!
131 行
続いて、以下のコマンドでコンパイルします。
 
$ platexuplatex classoption
 
==== 解説 ====
141 行
;a4j, a5j, b4j, b5j, a4p, a5p, b4p, b5p :上のオプションより本文領域を確保して用紙を設定します。
;10pt, 11pt, 12pt :基準となるフォントサイズを指定します。
;landscape :用紙を横置き(横の長さが長い)に設定します。<ref>ターミナルからdvipdfm(x)dvipdfmxコマンドでPDFを出力した場合、本文記事中で\documentclassコマンドにlandscapeオプションを指定しただけでは横長の用紙設定でPDFが出力されないことがあります。これには2種類の対処方法があります。
* ターミナルからdvipdfmxコマンドを入力する際、-lオプションを指定
* プリアンブルに\AtBeginDvi{\special{landscape}}の一行を追加
147 行
</ref>
;tombow, tombo :用紙サイズに合わせたトンボを出力します。tomboオプションは作成日時を出力しません。
;tate :縦書きで組版します。<ref>documentclassにjarticleujarticleを指定した場合、不具合が出る場合があります。
:例)タイトルページを組み込んでも、\authorに縦書き設定が反映されない。
その場合はdocumentclassにtarticleutarticleを指定してください。</ref>
;oneside, twoside :片面印刷・両面印刷に適した組版を行うように設定します。
;onecolumn, twocolumn :本文を二段組にするかのオプションです。
170 行
<nowiki>
% File name: preamble.tex
\documentclass{jarticleujarticle}
 
% urlパッケージを使う
189 行
今まで通りにコンパイルしますが、urlパッケージが無い場合は以下のようなエラーが表示されます。エラーが表示されたら、xを入力してEnterキーを押して終了します。
 
$ platexuplatex preamble
! LaTeX Error: File `url.sty' not found.
210 行
 
% File name: maketitle.tex
\documentclass{jarticleujarticle}
\begin{document}
\title{文書のタイトル}
221 行
続いて、以下のコマンドでコンパイルします。
 
$ platexuplatex maketitle
 
==== 解説 ====
242 行
 
% File name: abstract.tex
\documentclass{jarticleujarticle}
\begin{document}
\title{概要を表示する}
266 行
 
% File name: toc.tex
\documentclass{jarticleujarticle}
\begin{document}
281 行
'''\tableofcontentsコマンド'''を使用するときは、3回程度はコンパイルします。
 
$ platexuplatex toc
$ platexuplatex toc
 
==== 解説 ====
296 行
 
% File name: section.tex
\documentclass{jarticleujarticle}
\begin{document}
316 行
今までと同様にコンパイルしてみましょう。
 
$ platexuplatex section
 
==== 解説 ====
357 行
|}
 
※\chapter{}コマンドはarticle, jarticleujarticleクラスでは使用できません。
 
章立てコマンドは自動的に章番号をつけ、上位レベルのコマンドを記述すると番号は再び1から始まります。これらのコマンドは、\sectionに続けて\subsubsectionを記述することができますが、文書の論理構造的に正しくないので、\sectionの次は\subsection以上のものを記述するようにしましょう。
376 行
==== 例 ====
% File name: fontsize.tex
\documentclass{jarticleujarticle}
\begin{document}
391 行
フォントサイズは、サイズを変更したい文字列を中括弧で囲い、最初に変更するコマンドを記述します。中括弧で囲んでいる中に、別の中括弧を含めた場合は最も内側が優先されます。
 
上記以外のサイズ変更コマンドは以下の表の通りです(jarticle(ujarticleクラス)。各コマンドにおける実際のフォントサイズは、\documentclassコマンドのオプション等で指定された基準のフォントサイズ(\normalsize)によって異なります。
 
{| align="center" border="1" cellpadding="4"
469 行
==== ファミリー ====
% File name: fontfamily.tex
\documentclass{jarticleujarticle}
\begin{document}
510 行
==== シリーズ ====
% File name: fontseries.tex
\documentclass{jarticleujarticle}
\begin{document}
535 行
==== シェイプ ====
% File name: fontshape.tex
\documentclass{jarticleujarticle}
\begin{document}
575 行
 
% File name: fontother.tex
\documentclass{jarticleujarticle}
\begin{document}
598 行
==== itemize環境 ====
% File name: itemize.tex
\documentclass{jarticleujarticle}
\begin{document}
613 行
==== enumerate環境 ====
% File name: enumerate.tex
\documentclass{jarticleujarticle}
\begin{document}
628 行
==== description環境 ====
% File name: description.tex
\documentclass{jarticleujarticle}
\begin{document}
645 行
 
% File name: quote.tex
\documentclass{jarticleujarticle}
\begin{document}
678 行
 
% File name: verbatim.tex
\documentclass{jarticleujarticle}
\begin{document}
\begin{verbatim}
692 行
 
% File name: verbatim.tex
\documentclass{jarticleujarticle}
\begin{document}
今日はとても楽しかった\verb+(^_^)+ですね。
706 行
後者はページの中心に数式が印刷されます。また、どちらも専用のフォントで表示されます。
 
\documentclass{jarticleujarticle}
\begin{document}
846 行
 
% --- article.tex ---
\documentclass{jarticleujarticle}
\begin{document}
866 行
コンパイルするときは大元の文書ファイルを指定します。他のファイルは自動的に読み込まれます。
 
$ platexuplatex article
 
=== ラベルの変更 ===
872 行
この本は入門なので、簡単に変更できるような方法を紹介します。そのためにjsarticleドキュメントクラスを導入しましょう。
 
jsarticleドキュメントクラスは[[w:奥村晴彦|奥村晴彦]]が作成した新ドキュメントクラスで、フォントサイズがjarticleujarticleに比べて多く用意されていたり、\sectionコマンドのラベルを容易に変更できるようになっています。
 
jsarticleドキュメントクラスの導入は[http://oku.edu.mie-u.ac.jp/~okumura/jsclasses/ jsarticleのサポートサイト]に載っているので、そちらを参照してください。
879 行
例えば\sectionの出力を“第1章 はじめに”のようにしたい場合は、[[#プリアンブル]]へ以下の記述をします。
 
\documentclass[uplatex]{jsarticle}
% 以下2行が章のラベルを書き換える
890 行
\end{document}
 
jarticleujarticleでも以下で紹介する殆どを変更できますが、jsarticleを用いれば\sectionコマンドの出力も変更できます。
 
{| align="center" border="1" cellpadding="4"