「Wikijunior:大型ネコ/ライオン」の版間の差分

ライオンはアフリカの野生動物の象徴（しょうちょう）であり、その強さと美しさから原住民から崇あがめられてきました。ライオンはネコ科の動物のなかで、唯一ライオンだけが大きな群れで生活します。ライオンはネコ科の中なかで、最もうなり声が大きく8km8キロメートル以上も響き渡ります。

== 生息地 ==

[[Fileファイル:Lion_distribution.svg|thumb|right|ライオンの生息地。アフリカ大陸です。]]

「ジャングルの王者」と称されていますが、密林地帯にいるわけではなくサバンナと呼ばれる平坦たんな草原の気に入った土地にいます。はるか昔はライオンの唸うなり声はほぼ全大陸で聞こえましたが、。現在では一般的にアフリカの中央から南部にかけて生息しているほか、アジア大陸のジル国立公園にも少しながらも生息しています。

== 外見 ==

[[Fileファイル:Female lion.jpg|thumb|right|雌メスのライオン]]

黄褐色（「おうかっしょく」、黄色と土色がまざったような色）の毛皮を持ち、大人のライオンは全長は約3m3メートル、肩高は約1.2m2メートルにも成長し、雄（オス）は雌（メス）よりも大きいです。オスの体重は約250kg250キログラムと、ヒトの成人男性の5人に相当し、メスの体重は約180kg180キログラムです。

成熟した雄ライオンは頭頂から頸部（けいぶ）まで鬣（たてがみ）で覆われ、腹部まで達している個体も見られます。ここまで印象的な性差（「せいさ」。オスとメスのちがいによる差のこと。）は他の大型のネコ科には見られません。

尾（「お」。しっぽ。）の端（はし）には、他のネコ科動物には見られないふさがついており、尾の中には骨があります。昔の人が言うには、「ライオンは戦闘前にそのふさで自分をむち打ち、狂乱状態に追い込む」そうです。

== 群れ ==

ネコ科動物でライオンは最も社会的であり、一頭から三頭の雄オスと最大13頭ほどの雌メスや児（「こ」。子供のこと。）による「プライド」と呼ばれる大きな群れで生活します。その内、雌メスはほとんどは血族（「けつぞく」。親子や兄弟のように血がつながっている。）により構成されています。犬や狼（おおかみ）の集団と習性や獲物（えもの）にとっての脅威（きょうい）が似ています。

オスはメスよりもとっても強く、メスによる狩りや児がハイエナなどの敵に狙ねらわれた等のるなど危険な際に護衛（「ごえい」。守まもること。）します。ときには敵が別のライオンであっても、雄オスのライオンは筋肉や戦術を用いて敵を撃退して縄張なわばりを守ります。

プライドでは血縁に関係なく児は育てられ、雌オスライオンが狩りに出る間、1匹か2匹の雌メスが子守り（こもり）をしています。孤児になった場合は叔母などの血縁が近い雌メスが子育てを引き継ぎます。

児が1歳になると、生活していたプライドの雄オスライオンから追い出されます。プライド内の長が老いていると、若い雄オスが単独ないしは兄弟と共に長の座を巡めぐって戦います。プライドを追われたはみ出し者は、風来坊（ふうらいぼう）となるか同じ境遇（きょうぐう）の雄オスと徒党（「ととう」。なかまのこと。）を組み、プライドを継承（けいしょう）するまでハイエナやジャッカルのように残飯漁り（ざんぱんあさり）をします。

== 獲物の種類と捕つかまえ方 ==

[[Fileファイル:Lion with buffalo cropped.jpg|thumb|right|水牛を引く雌狩るメスライオン]]

ガゼルやレイヨウ、シマウマ、ヌー、キリン、水牛（すいぎゅう）のような大きな獲物を喰くらいます。プライド内の成熟したライオンが総出（そうで）で狩りに参加するので、象（ゾウぞう）も恐れて近寄りません。餌（エサ）の個体数が少なくなると他の小さな獲物などを借狩ります。

ほとんどこれらの獲物（えもとなる動物の）ほとんどは平均的なライオンよりも逃げ足が早速いので、す。そのためライオン達たちは集団でエモノ獲物に忍び寄り（しのびより）、自分の体色に似た背丈の高い草に隠れる迷彩（めいさい）をして取り囲みます。

メス達たちはふつうは集団で狩りをしますが、必要に応じて単独ひとりで狩りをすることもあります。オスはメスよりも狩りが上手いじょうずですが、ふつうはプライドの護衛を務めています。狩りは潜入に数時間をかけ、闘い（たたかい）は数分で終わります。獲物を殺しとめ終えるとメスが低い唸り声（うなりごえ）声を上げることで、プライドのオス達たちを呼んで食事が始まり、ます。食事の順番はオス、メス、児の順に食べます。

日中の猛暑（もうしょ）を防ぐ為ため、ライオンは、ほとんど薄暗い夜間に狩りをします。ライオンのような夜間に活動的な動物は夜行性動物（やこうせいどうぶつ）とよばれ、夜目（よるめ）が利ききます。

==驚 おどろきの事実 ==

* 雄ライオンの唸うなり声は5マイル（およそ8キロメートル）以上も、ひびき渡ります。

* 公式記録によると最大のライオンは、全長が約330cm330センチメートルで体重が約325kg325キログラムです。

* 人間の5倍の視力を持ち、1マイル（1.6キロメートル。1600メートル。）以上も離れたエモノの様子獲物も聞き取りにらみます。

* プライドのライオン達たちが食事を済ませるのに4時間かかります。

* メスが獲物を捕とらえてもオスが先に食べます。

* 食後のプライドのライオン達たちは喉、の渇どのかわきを満たうるおすために四4時間かけて水を飲むこともあります。

* 神秘的な生き物として考えられ、神として崇あがめられた時代もありましたが。しかし、飼い危険なライオンよりも猫のほうが扱あつかいやすく安全であることから、特にエジプトではその位置を取って代わられました。

* 若いオスがプライドを去る一方で、メスは通常は生涯のあいだプライドに留とどまります。

* ライオンのエサは1匹頭当たり1日に36kg36キログラムのエサを食べます。

* 雄オスのライオンのたてがみは、老いると、たてがみが下がります。