「中学校国語 古文/平家物語」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
「遠く異朝(いてう、イチョウ)をとぶらへば、」以降の口語訳。
語釈
29 行
 
|}
 
:みぎわ ・・・ 水際(みずぎわ)のこと。
 
{| style="width:100%"
159 ⟶ 161行目:
 
|}
 
:語釈
:'''つがえる''' ・・・ 矢を弓の弦(つる)にあてがうこと。
 
 
{| style="width:100%"
176 ⟶ 182行目:
 
|}
 
:語釈
:'''あやまつ''' ・・・ 失敗する。
:'''しばし''' ・・・ しばらく。少しの間。
 
 
:このあと、平家のほうから、扇の立ててあった場所に男が近づき、舞を踊る。伊勢義盛(いせの よしもり)は、与一にその平家側の男を射ることを命じる。命令どおり、与一は射って、舞っていた男は首のあたりを射られ、射殺され、船底へ倒れる。
217 ⟶ 228行目:
「ああ、射当てた。」と言う人もあれば、「非情だ。」と言う者もいる。
|}
 
:語釈
:'''感に堪えない''' ・・・ 深く感動して、その気持ちをあらわさずには、いられない。
 
 
作者は、舞をまった男を殺した源氏の行為を、戦場の非情さの例として書いている、と思われる。
 
戦場なので、敵を殺すこと自体には、非難される理由はない。
 
しかし、作者は、「情けなし。」(非常だ。心無いことだ。)という意見を、あえて取り上げている。ここに、戦場の敵側とはいえ、自分たち源氏を祝う者を殺した源氏に対しての、作者の不快感が出ていると思われる。そして、なにより、戦場の非情さを描いていると思われる。
そして、人生の "はかなさ" を書こうとしているものと思われる。
 
そのほか、平家と源氏との美意識のちがいなどを、作者は書こうとしていると思われる。平家の、敵とはいえ素晴らしい者には祝って舞を舞うという風流な価値観。いっぽう、源氏の側は戦争の勝利こそが、武士の名誉と考えている。
 
平家と源氏の美意識のちがいは、ひいては、貴族と武士との価値観の違いであろう。
 
 
== 冒頭部 ==