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「法学入門」とは、講義科目としての『法学』又は『法律学』(学説により法学と法律学は区別される)の初学者に対して、「『法』とは何か」「『法律』とは何か」を示し、いろいろな事がらについて、どのような法的観点があるのかを説くものである。法と法律は、人の社会生活のあらゆる局面を、さまざまな目的から調整をおこなうものである。それは単純な筋書きのドラマのような架空の事柄ではなく、現実に起こっている微妙かつ複雑なことである。したがって、法と法律を学ぶ観点は、先ずは、法が対象とする社会について知り、次いで、法律に対する人々の理解の現実を知る努力がなされなければならない。その上で、現実の事件がどのように取り扱われたかを丹念に考察し、かつ、その当否について価値判断し、そして、それがどのように調整されるべきかを、社会に向け発し、かつ、説得できるかを自ら考えることができるようになることといえる。現実の事件の広範性・多様性を考慮すると、断片的な情報による世間話のようなものでは法的観点を定立することは不可能である。その多くは、日常会話において、報道で聞くことの多い法律用語を意味を十分に確かめることもせずに使ってみたり、さらに、単に「やり方」と言えば済むことを「方法論」と言ったり、また、部分的で「特徴」というべきものを「本質」と言ったり、「解釈」という語を不必要にまでに使うなど、表面的かつ無内容なものとなってしまう。この場合に、
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