「学習方法/中学校理科」の版間の差分

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中学理科と高校理科は、参考書が無いと、あまり独学できません。教科書ガイドでも独学は出来るでしょうが、特定の教科書との併用として作られているので、まずは参考書を買ったほうが良いです。たとえ教科書ガイドを買っても、入試対策などのため、結局、参考書を買い足すことになります。もし金銭的に余裕があったり、または学校の定期テスト対策をしたいなら、教科書ガイドを買うのも良いでしょう。教科書ガイドにも、けっこう、細かい知識まで書いてあります。
資料集は、あまり日常の学習用には作られていません。資料集はあくまで、教科書だけでは説明用の写真などが足りない場合のときの参考用です。
 
*=== 参考書は、まず標準レベルの難度・厚さの物を買う。 ===
中学理科の参考書は、まず、各学年用に、標準レベルの難度・厚さの本を1冊(もしくは1シリーズ)、買ってください。(「シリーズ」と言ったのは、学年ごとに分冊になっている場合もあるから。)
 
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*=== 問題演習よりも、参考書の読み込みに、やや時間をかけたほうが良いかも? ===
理科の学習には問題演習もありますが、それよりも参考書の読み込むに学習時間を多めに掛けたほうが良いかもしれません。問題集よりも、まずは参考書を優先するべきです。参考書にも、簡単な計算問題などは載っていますし、章末問題なども載っています。
また、テストなどで問われやすい頻出事項も、参考書なら、その本のどこかに、まとめてあります。
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理科では、知らない知識についての問題は、問題の解き様がありません。また、公式などを知らないと、解き様が無い問題もあります。そのため、まずは参考書で、知識を増やす必要があります。
 
もちろん、問題練習も必要です。ようはバランスの問題です。参考書と問題集の具体的な比率は出せませんが、やや参考書の時間を多めにしたほうが良いかもしれません。ただし入試直前などの日は別です。3年生の2学期後半ぐらからは問題演習を多めにしたほうが良いかもしれません。
 
 
もし中学理科の問題集を使うなら、まずは標準レベルの問題集から、問題練習をこなしてください。いきなり難関高対策の問題集を用いるのは、効率が、かなり悪いです。なぜなら、法則などを知らない問題は、どんなに考えようが解きようがないからです。中学理科にかぎらず、中高の理数系教科の問題集は、まずは基礎レベルの問題集から、確実に練習していってください。難関校対策のそして、問題集から先に学するのは、中高数分ほど、しばらく考えてみて、分からなかったら、さっさと答え解説を見てください。系科目で論を知らない問題は、考えようが解きようがり非効率いからです。
 
なので、難関校対策の問題集から先に学習するのは、中高の理系科目では、かなり非効率です。
 
=== 図鑑などは、あまり使えない ===
昆虫図鑑とか植物図鑑とか、図鑑で問われるような特定の生物についての個別の知識は、中学以降の理科のテストでは、あまり問われません。
ゾウリムシとかミドリムシとか、代表的な微生物などについては、名前くらいは知っていく必要があります。
 
生物分野の場合、理科で問われる知識とは、たとえば細胞のしくみなど、生物の多くに共通して通じる知識です。
 
図鑑で学習するよりも、参考書のほうが便利です。そもそも中学生用の図鑑が少なく、子供向けの多くの図鑑は、小学生用です。仮に図鑑があったとしても、値段が高いですし、きっと本の厚さが分厚いので読むのに時間が掛かってしまい、学習時間が減ってしまいます。
 
=== 資料集 ===
もし、教科書・参考書以外の本を見たいなら、まずは中学理科の資料集を買って読むのが良いでしょう。
資料集よりも、参考書の読み込みを優先してください。入門レベルの参考書で物足りないなら、難関高校対策用の参考書など、説明の細かい参考書にチャレンジしてください。
 
== 中学理科は暗記科目 ==
=== 実験結果などは覚えざるを得ない。 ===
理科とは、実験結果にもとづいて理論を構築された「実験科学」ですので、学生は実験結果については、代表的な実験例や法則については暗記せざるを得ません。
理科とは、実験結果にもとづいて理論を構築された「実験科学」ですので、学生は実験結果については、代表的な実験例や法則については暗記せざるを得ません。法則を覚えるとき、なるべく実験結果や計算例などと関連付けて理解して覚えてください。教科書・参考書では、書かれた多くの法則については、その法則を確認する実験についても、説明しているはずです。物理などの法則の場合、その法則にもとづいた計算例などがあれば、ほぼ計算例のとおりに実験結果が出ることを、参考書などが紹介していると思いますので、計算とも関連付けて、法則を覚えてください。
 
理科で用いる公式も、実験結果を説明できることが確認された式です。なので、公式も、実験法則と同様に、覚える必要があります。この点が、数学の公式とは、理科の公式は違います。
 
理科の公式で、公式に真っ先に要求される事は、けっして「論理」では無く、その「公式」とやらが実験結果にっているかどうか、なので
す。
 
なので、中学の理科は暗記科目です。そもそも高校や大学でも理科は暗記科目です。理科では物理などでは計算式も習いますが、その式は暗記せざるを得ません。大学の理系学部でも、理科の公式は最終的には暗記するはめになります。
 
なので、中学理科で公式が出てきたら、最終的には暗記してください。解説とかは、あくまで補助です。ただし、やみくもに暗記しようと思っても覚えられませんので、解説は必ず読んで、理解できる範囲で理解を深める努力をしてください
 
== 定理ではなく法則 ==
数学では「定理」(ていり)という言葉がありますが、しかし、理科では「法則」です。定理は、理論に基づいた論理です。しかし、「法則」は、けっして定理ではありません。法則は、実験などによって確認された、自然現象などの絶対的なパターンのことです。
 
理科の主張では、どんなに斬新な思考法にもとづいていても、その主張が実験結果とあわない限り、その主張には、法則としての価値が無いのです。
 
なので、理科では「定理」と言わずに、「法則」という用語を用いるわけです。そして「法則」を証明する方法は、最終手には「実験」しかありません。計算だけでは法則を証明できません
 
そして、中学の学習の段階では、実験結果や実験法則などは覚えざるを得ません。いっぽう、ある法則を最初に法則を発見した科学者は、けっして10代の少年時代に発見したわけではないでしょうし、何十年と研究したりして法則を発見したのでしょう。しかし、かといって、現代の中学生が、中学理科の学習に、けっして何十年もの歳月を掛けるわけには、いきません。
 
中学生は学習時間が限られてるので、実験結果・実験法則・公式などを優先して学び、覚える必要があります。
また、すべての実験について、再現実験を行うわけにも行きません。現実社会では、実験設備や機材も限られているし、費用も限られています。なので、学校の授業で実験を習っていない法則でも、覚えないといけません。
 
 
理科のほとんどは、用語や名前や実験結果などを暗記する科目です。物理では計算も多いですが、中学では物理現象の名前や実験結果を暗記する比重が多いです。
 
== 中学理科の説明は、実は少し不正確 ==
また、中学理科の説明は、実は少し不正確です。とくに、生物などが、じつは少し不正確です。
 
「中学理科は、実は少し不正確」と言っても、小学理科と比べたら、かなり正確です。また、覚えなければならない知識も、小学理科と比べて、中学理科では、かなり多くなります。当面の間は、まずは中学生は、中学理科の参考書を数回ほど読み込んでください。
 
「少し不正確」とは、たとえば、遺伝と生殖細胞の関係では、中学では減数分裂(げんすう ぶんれつ)を習います。中学では、減数分裂の結果だけを重点的に習います。減数分裂の結果、精子や卵などの染色体の数は通常の半分となることなどを、中学理科で習います。
 
実は、高校の理科では、この減数分裂では、いきなり染色体が半分になるのではなく、実は分裂は2段階であって、最初の一段目の分裂では、じつは最終的な染色体数は変わりません。2段目の分裂で最終的に染色体が最初の半分の染色体数になることを習います。1段目の分裂の最中、じつは一時的に染色体数が倍増していて、一段目の分裂によって、染色体数が1倍にもどります。
 
ですが、中学理科では、このような減数分裂の細かい過程は説明しません。文部省などにとって、中学生には、まずは生殖細胞では染色体が半分であることとか、それと遺伝の法則との関係とか、そういった大まかな仕組みなどを理解してもらいたいのでしょう。
 
 
もし高校理科のように、いきなり正確に説明してしまうと、大まかな仕組みの説明が後回しになってしまいます。また、複雑すぎる説明では、中学生が理解しづらいし、時間も掛かってしまいます。なので、中学では、正確さを少し犠牲にして、法則などを優先的に説明するために、複雑な現象などは説明を省いていたりします。
 
さて、なので、理科の暗記勉強で、せっかく一字一句を暗記して覚えようとしても、そもそも教科書・参考書の大元の説明が少し不正確なので、あまり利点がありません。
 
中学生の時点で最低限の暗記しなければならないことは、中学理科の参考書を見れば書かれてあるでしょうから、その暗記事項を理解できるように、さらに暗記事項を重点的に覚えられるように勉強してください。
 
 
== 中学参考書が物足りなく感じたら ==
前節で述べたように、じつは中学理科は説明が不正確です。なので読み返しているうちに、そのうち物足りなくなって、中学レベルに不満を感じるかもしれません。
 
もし理科の学力に余裕があって、もっと深く暗記の記憶量を増やす勉強法をしたいなら、いっそのこと、高校の理科の参考書を入手しておいて、その高校理科の読み込みをしたほうが良いかもしれません。高校の参考書選びは、高校の全学年ぶんがまとまってる参考書で、標準的な参考書が良いでしょう。文英堂とか数研出版チャート式などの、標準的な参考書で十分でしょう。高校理科は、科目ごとに教科書・参考書が分かれてるので、書店で買う場合には、物理・化学・生物の3冊ごと、買ってしまうのが手間が省けるでしょう。
 
しかし、高校理科の学習には時間が掛かりますので、中学3年では、高校の予習よりも、高校入試の問題練習など中学範囲の問題集などに努力をしてください。
 
難関の高校入試対策用の参考書が、高校入試と高校予習の間をうめるので、その難関高校対策の参考書を入手しておくと、高校予習にも高校受験対策にも便利かもしれません。
 
*難関校対策用の参考書は、意外と簡単。分厚いけど。
中学理科の場合、難関高校対策用の参考書でも、時間さえあれば、けっこうスラスラと読めます。というか、中高では、数学以外の科目は、時間さえ掛ければ、読んで大筋の内容を知るだけなら、たいていの参考書は読めます。ただし、本が分厚いので、時間は多めに掛かります。 なお、問題集まで含めると、難関校対策には時間が掛かるかもしれません。難関対策用の参考書でも、資料集などを読み込むような感覚で、読めます。はっきり言って、中学の難関高校入試レベルの理科の参考書なんて、時間さえあれば、読むだけなら難しくありません。
 
時間とかに余裕があれば、力試しに難関校対策用の参考書を読んでみるのも、もしかしたら楽しいかもしれません。
 
また、高校に入ってしまうと、理科の教科書や参考書が科目ごとに分かれてしまうので、理科を全体的に1冊の本で学ぶことが、しづらくなります。(物理・化学・生物・地学の4科目に別れて、教科書も別々になる。) でも、高校入試の難関校対策用の理科の参考書なら、理科を全体的に1冊(または2冊)で学ぶことが出来ます。
 
中学理科は、全体的にバランスよく理科を学びやすい、最後の機会です。
 
 
== 理科の世界は学歴社会 ==
理科には、実務能力とか、ありません。たとえ実験装置を作るだけの技術力が無くても、実験装置を使える能力と、理科の研究者の肩書きがあれば、理科の研究職です。
 
実験装置を作るには、たとえば顕微鏡などの光学機器でも、レンズの機械加工の専門知識とか、それらの生産設備での電気装置の専門知識とか、あるいは職人技とか、いろんな知識や技能が必要ですが、そのような工業的な知識や技能は、世界の理科教育では、なんの価値も持っていません。日本の理科教育だけでなく、そもそも世界諸国の理科教育が、技術者の職人技とかを、まったく評価していません。むしろ日本は、工業高校などがある分、少しはマシなほうです。
 
 
工学などの産業経済と結びついている学問とは、理科は違います。工学の技術者への経歴評価ならば、工場などでの実務経験も経歴の評価対象かもしれませんが、理科は違います。
 
大学以降での評価でも、学校の成績の影響が強く、理科では評価されます。
 
理科の世界は学歴社会なのです。理科は学歴社会ですから、テストの成績で評価が決まる社会です。たとえ研究等を始めようにも、大学の学歴や成績が悪いと、研究職そのものに就職できません。理科の実験には、お金のかかる実験が多いですから、(お金が掛からない実験は、すでに行われてしまっており、新規に行う価値が無い。)お金のある研究機関に就職できないと、研究できない分野が多いです。
 
 
ノーベル物理学賞とかだって、実験装置や観測装置を作った技術者は、まったく賞を取っていません。賞を取るのは、その実験装置などを利用した学者です。
 
 
というわけで、大学などでの理科の学歴や成績が悪いと、理系の職業では、低く評価されるかもしれません。
理科の成績が良いほうが、なにかと就職に好都合でしょう。