「高等学校生物/生物I/細胞とエネルギー」の版間の差分

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コラムとしての体裁を整え、フロギストン説についても軽く触れてみた。
呼吸商
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== 呼吸商 ==
呼吸で使われる基質は通常はグルコースだが、グルコースが不足した場合などに脂肪やタンパク質やグルコース以外の炭水化物などの栄養が基質として使われる場合がある。
 
呼吸によって排出されるCO<sub>2</sub>と使用される酸素O<sub>2</sub>の、体積(または分子数)の比率 CO<sub>2</sub>/O<sub>2</sub> を'''呼吸商'''(こきゅうしょう)といい、RQであらわす。呼吸基質によって、呼吸商は異なる。気体の体積は圧力によって変化するので、測定するときは同温・同圧でなければならない。同温・同圧で測定した場合、気体の体積比は分子数の比になるので、化学反応式から理論的に呼吸商を算出でき、その理論値と実験地は、ほぼ一致する。
 
呼吸商の値は、おおむね、次の値である。
 
*炭水化物 RQ = '''1.0'''
化学式
C<sub>6</sub>H<sub>12</sub>O<sub>6</sub> + '''6O<sub>2</sub>''' + 6H<sub>2</sub>O → '''6CO<sub>2</sub>''' + 12H<sub>2</sub>O
 
よって RQ = CO<sub>2</sub>/O<sub>2</sub> = 6÷6 = 1 より RQ = 1.0
 
*脂肪 RQ = 約'''0.7'''
トリアシルリセロールの場合、
:2C<sub>55</sub>H<sub>110</sub>O<sub>6</sub> + 77O<sub>2</sub> + → 55CO<sub>2</sub> + 110H<sub>2</sub>O
 
よって RQ = CO<sub>2</sub>/O<sub>2</sub> = 55÷77 ≒ 0.7 より RQ = 0.7
 
トリステアリンの場合、
:2C<sub>57</sub>H<sub>110</sub>O<sub>6</sub> + 163O<sub>2</sub> + → 114CO<sub>2</sub> + 110H<sub>2</sub>O
 
よって RQ = CO<sub>2</sub>/O<sub>2</sub> = 114÷163 ≒ 0.7 より RQ = 0.7
 
 
*タンパク質 RQ = '''0.8'''
ロイシン C<sub>6</sub>H<sub>13</sub>O<sub>2</sub>N の場合、
:2C<sub>6</sub>H<sub>13</sub>O<sub>2</sub>N + '''15O<sub>2</sub>''' → '''12CO<sub>2</sub>''' + 10HO<sub>2</sub>O 2NHO<sub>3</sub>
 
よって RQ = CO<sub>2</sub>/O<sub>2</sub> = 12÷15 = 0.8
 
 
== 好気呼吸の仕組み ==