「ニホンイシガメの飼育法」の版間の差分

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[[画像:Mauremys japonica 01.JPG|thumb|right|250px|三重県伊勢市で見られた日本イシガメ]]
 
ニホンイシガメ(日本石亀、Mauremys japonica)は、イシガメ科イシガメ属に分類される日本固有のカメです。甲長は雄で8~13cm程度、雌では約13~20cm程度。ニホンイシガメの幼体はゼニガメ(銭亀)と呼ばれ、古くから飼育されてきました。この文章では、ニホンイシガメの飼育法について解説します。
 
==はじめに==
[[w:ニホンイシガメ]]は、イシガメ科イシガメ属に分類される日本固有のカメ陸亀です。ニホンイシガメの幼体はゼニガメと呼ばれ、古くから飼育売買されてきました。ニホンイシガメはペットとしてよく飼育されるミドリガメ([[w:ミシシッピアカミミガメ]])や[[w:クサガメ]](現在国内でゼニガメとして市販されているのはクサガメの幼体であることが多い)と比べると性格がやや神経質で、臆病な傾向があります。そのため、ミドリガメなどのように、飼育をはじめてただちに人間に懐くことは稀です。しかし、ニホンイシガメは馴れないわけではありません、十分飼い主に馴れたニホンイシガメは、飼い主をほかの人間と区別できるかのように振舞い、じゃついたりすることさえあります。
 
ニホンイシガメの最大甲長は性別によって異なり、オスの場合で15cm程度、メスの場合で22cm程度まで成長します。寿命はペットとしては非常に長く、30年以上生きることもあります。また、ニホンイシガメのような昼行性のカメは、日光などによる紫外線の要求量が高いと言われています。屋内での飼育下では、どのように紫外線を与えるかが重要です。これらの特徴から、ニホンイシガメの飼育にはそれなりのスペースと長期間適切な世話をする覚悟が必要です。
 
ニホンイシガメは日本固有種ですが、地域変異があり、色彩や性格が異なります。また、近縁なクサガメなどと交雑し[[w:ウンキュウ]]と呼ばれる雑種が生まれることがあります。ニホンイシガメが日本固有の種であっても、それを放流することはそれぞれの生息域の系統を脅かすことになるので決して採集地以外での放流は行わないことにしましょう。
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この節では、ニホンイシガメの飼育設備について述べます。ニホンイシガメは単独で飼うこともできれば多頭で飼うこともできます。また、大きさはベビーサイズから成体までにかなりの変化があります。
 
ニホンイシガメ水槽飼育では、ポイントを押さえれば魚類などよりも水質の悪化により致命的なダメージを受けることは少ないので、
水槽飼育1では、最小限の労力、なるべく熱帯魚や金魚の飼育に近い形でニホンイシガメを水槽飼育する方法を紹介します。水槽飼育2では最小限の設備で、なるべくコストをかけずに飼育するかわりに、日々の世話を丁寧に行う方法を紹介します。現実にはこれらの間の設備と手間をかけて飼育すればよいでしょう。
3番目日常の方法として、ニホンイシガメを屋外(ベランダや庭)で飼育する場合の設備を紹介します。
 
ニホンイシガメは、ポイントを押さえれば魚類などよりも水質の悪化により致命的なダメージを受けることは少ないので、
日常のメンテナンスのしやすさ、コスト、生体の飼育密度などを考慮して最も適した方法を選びましょう。
 
3番目の方法として、ニホンイシガメを屋外(ベランダや庭)で飼育する場合の設備を紹介します。
ニホンイシガメはもともと日本固有の種であるため通年屋外で飼育することが可能です。
屋外で飼育することで水槽飼育では見られなかった野性の一面を見ることができるかもしれません。
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===水槽飼育1===
ニホンイシガメを室内で、水槽飼育するための方法を紹介します。まず留意することはイシガメは皮膚病にかかりやすいという事実です。皮膚病はく、水カビ病といわれ、イシガメの手足や首の周りに白いカビが生えます。放置しておくと水カビは全身に広がり、死に至ることもしばしばです。
 
最も簡単で有効な対策は水深を浅くすることです。イシガメが水を飲める程度、言い換えれば手足がつかる程度にするとよい。そして水場と同じくらい陸場を広く取ることも重要です。イシガメはもともと陸生が強い生き物なので、たっぷりと水をいれなくても構いません。(注 クサガメの場合、甲羅が隠れるだけの水を入れないと成長するにしたがって甲羅が曲がってしまいます。イシガメにはそのような心配はなく、ここがクサガメとの大きな違いといえます)。
 
逆に水深を深くしすぎて1日中水につけっぱなしにするとあっという間に水カビが生えます。ペットショップでイシガメを売っていたらよく観察してみてください。水カビ病に感染している個体が意外と多いことに驚くはずです。これはペットショップがクサガメやミドリガメとイシガメを同じように扱ったために起きる現象です。特にベビーは水カビが生えやすい傾向が顕著です。「イシガメを飼う時には水深を浅くして陸場を多くする」。これを心がけましょう。