「高等学校生物/生物I/細胞とエネルギー」の版間の差分

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独立栄養生物(autotroph)
光合成に関して、高等学校生物 生物I‐環境と動物の反応 2015年3月5日 (木) 02:44‎ から引用。
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== 光合成と呼吸 ==
=== 光合成(異化) ===
植物は光エネルギーにより、
水と二酸化炭素から、
グルコースを合成している。
これを'''光合成'''(photosynthesis)と呼ぶ。
==== 光合成の仕組み ====
[[File:光合成のしくみ.svg|thumb|900px|光合成のしくみ<br />(※ くわしくは生物IIで説明する。)]]
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植物はCO<sub>2</sub>を吸収していなくても光合成をしている場合がある。なぜなら、植物は呼吸をしているので、呼吸によってCO<sub>2</sub>を排出している。
 
植物の呼吸による<sub>2</sub>の排出量である呼吸速度と、光合成によるCO<sub>2</sub>の吸収速度が、つりあった状態での光の強さのことを、'''補償点'''(ほしょうてん,compensation point)あるいは光補償点(ひかりほしょうてん)という。見かけの光合成速度がゼロになる点は、補償点である(光合成速度と呼吸速度が等しいため)
 
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真の'''光合成速度'''(photosynthetic rate)を求めるには、'''見かけの光合成速度'''(apparent photosunthetic rate)に、'''呼吸速度'''(respiration rate)を足し合わせなければならない。呼吸速度を測定するには、暗黒で測定すればよい。
 
実験による測定で、直接に<sub>2</sub>量を測定して得られる測定値は、真の光合成速度から呼吸速度を差し引いた値である。
 
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光の強さが増すにつれて、光合成速度も大きくなる。
 
光が、ある一定値よりも強くなると、たとえ、それ以上に光が強くなっても、光合成速度が変わらない状態になる。この状態を'''光飽和'''(ひかりほうわ)といい、飽和した直後の光の強さのことを'''光飽和点'''(photic saturation point)という。
 
 
[[File:陽性植物と陰性植物の光合成速度.svg|thumb|400px|陽性植物と陰性植物の光合成速度。模式図。]]
日なたで成長しやすい植物を'''陽性植物'''(ようせいしょくぶつ、sun plant)という。アカマツ・[[w:クロマツ|クロマツ]]・[[w:ソラマメ|ソラマメ]]・[[w:ススキ|ススキ]]・カラマツ・カタクリ・ススキ・トマトなどが陽性植物である。
 
森林内などの日かげで成長しやすい植物を'''陰性植物'''(いんせいしょくぶつ)という。[[w:ブナ|ブナ]]・シイ・カシ・ドクダミ・カタバミ・モミ・アオキやシダ・コケ植物などが陰性植物である。
光合成速度と光について、補償点や光飽和点は図のようになる。
 
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同じ一本の木の中でも、日当たりの良い場所でつく葉と、日当たりの悪い場所でつく葉で、特性が異なる場合がある。ブナ・ヤツデなどが、そのような植物である。
日当たりの良い場所につく葉を'''陽葉'''(ようよう, sun leaf)といい、陽性植物と同じような補償点や光飽和点は高いという特性を現す。いっぽう、日当たりの悪い場所につく葉を'''陰葉'''(いんよう, shade leaf)といい、陰性植物と同じように補償点や光飽和点は低いという特性を現す。
 
陽性植物の樹木を'''陽樹'''(ようじゅ)といい、陽樹からなる森林を陽樹林(ようじゅりん)という。アカマツなどが陽樹である。陰性植物の樹木を陰樹(いんじゅ)といい、陰樹からなる森林を陰樹林(いんじゅりん)という。モミなどが陰樹である。
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森林が陽樹林の場合、新たな陽樹は芽生えなくなるが、新たな陰樹は芽生えることが出切る。このような仕組みのため、森林は、陽樹から陰樹へと移っていくことが多い。
 
*まとめ
ひなたを好む'''陽生植物'''(sun plant)では、補償点や光飽和点は比較的高く、
弱い光でも生育できる'''陰生植物'''()では、補償点や光飽和点は比較的低い。
陽生植物には[[w:クロマツ|クロマツ]]、[[w:ソラマメ|ソラマメ]]、[[w:ススキ|ススキ]]などがあり、
陰生植物には[[w:ブナ|ブナ]]、[[w:コミヤマカタバミ|コミヤマカタバミ]]などがある。
また、同じ植物でも、日当たりの良いところの葉(陽葉, sun leaf)は補償点や光飽和点は比較的高く、
日当たりの悪いところの葉(陰葉, shade leaf)は補償点や光飽和点は比較的低い。
 
:(※ 詳しくは生物IIで学習する。)
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*'''限定要因'''(げんてい よういん)
光合成に必要なものは、光・温度・水・二酸化炭素という要因(よういん)である。どれかの要因を低下させた場合に光合成速度が低下する場合、その要因を'''限定要因'''(limiting factor)という。イギリスの[[w:フレデリック・ブラックマン|フレデリック・ブラックマン]]は、光合成速度は、光の強さ、二酸化炭素濃度、温度のうち最も不足したもの('''限定要因'''(limiting factor))によって決まるとする'''限定要因説'''()を唱えた
 
光・温度・水・二酸化炭素のうち、どれが限定要因かは、どの程度に下げるかなどの実験条件によって異なる。