「中学校数学/1年生/図形」の版間の差分

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線対称、点対称、角の2等分線などを追加。図形はまだアップロードしていない。
14 行
 
==平面図形==
 
 
====線対称と点対称====
 
=====線対称=====
 
ある図形について、ある一本の線を挟んで図形を折り返したとき、
両方の図形が丁度重なるという条件が満たされているとき、その図形は
その線を軸とする線対称な図形であるという。
 
 
*図形
<!-- �f{junior _high.1}{線対称}{1} -->
 
 
*問題例
**問題
 
次の図形は線対称の条件を満たすかどうか述べよ。
(I)
|---|---|
|---|---|
|---|---|
 
(II)
|-(-|-)-|
|---|---|
|(--|--(|
 
(III)
|-(-|-)-|
|<--|-->|
|(--|--)|
 
(IV)
|-(||-)-|
|<--|=->|
|(-=||-)|
 
 
**解答
中心の線に対して上の図形を折り返したとき、左側の半分と右側の半分が
重なればよい。答えはそれぞれについて
(I)線対称
(II)線対称でない
(III)線対称
(IV)線対称でない
となる。
 
一般に線対称な図形についてはある半面の図形上の点から軸に対して垂線を
下ろし、軸からの距離が元々の点と同じになるように反対側の面に
点を取るとそれは反対側の図形上の点になっていることがわかる。
これはそのような点はまさに軸を中心として折り返したときに、
元々の点に重なるような点だからである。この性質を用いて半面だけが
かかれた図と軸が与えられたとき、線対称な図形を構成することが出来る。
 
 
*問題例
 
**問題
 
それぞれの図形の半面と軸がが与えられている。このとき、その図形が線対称に
なるように反対側の図形を構成せよ。
:(I)
<---|
-<--|
--/-|
---/|
:(II)
<|-]|
-<--|
--/-|
-]-/|
:(III)
<|-]|
-<--|
_-/-|
_]-/|
 
 
**解答
それぞれについて軸の反対側に軸について線対称になるように点を取ればよい。
それぞれに対して、
:(I)
<---|--->
-<--|-->-
--/-|-\--
---/|\---
:(II)
<|-]|[-|>
-<--|-->-
--/-|-\--
-]-/|\-[-
:(III)
<|-]|[-|>
-<--|-->-
_-/-|-\-_
_]-/|\-[_
 
が得られる。
 
 
=====点対称=====
 
ある図形について、ある点を中心に180<math>{}^\circ</math>回転させたとき図形が最初の図形と
同一になるとき、その図形はその点を中心とした点対称であるという。
 
*図形
<!-- �f{junior _high.2}{点対称}{2} -->
 
点対称な図形に対しては、図形上のある一点から点対称の
中心に下ろした線上にその点と点対称の中心との距離が、
最初に選んだ点と点対称の中心との距離と等しくなるような
点を選ぶと、その点は図形上の点になることが知られる。これは、点対称の中心を
中心に図形上の点を180<math>{}^\circ</math>回転させた点は、まさしく上で述べたような
点と等しくなっていることによる。
 
 
*問題例
 
**問題
それぞれの図形についてその図形がある点を中心として点対称になっているかどうか
調べよ。
:(I)
-(-|--(
---|---
)--|-)-
 
:(II)
|(-|--(
|--|--|
)--|-)|
 
:(III)
-(-|--(
-(-|-(-
)--|-)-
 
:(IV)
-(-|--(
--=|--=
)--|-)-
 
:(IV)
-(-|\-(
=--|--=
)-\|-)-
 
 
**解答
この場合についてもそれぞれの点について順に対応する点に図形があるかどうか
確認して行けばよい。それぞれ、
(I)点対称
(II)点対称
(III)点対称ではない
(IV)点対称ではない
(V)点対称
という結果が得られる。
 
 
====角の二等分線、線分の垂直二等分線、垂線の絵と作図法====
 
===== 直線、線分の定義=====
 
一般的な使い方では、直線という言葉はいくつかの意味にもちいられることがある。
しかし、数学では直線という図形には常に1つの意味しか与えられない。
そのため、広い意味での直線が含んでいる意味に別の名前を与える必要が
でてくる。ここでは、通常直線という言葉でまとめられがちな図形を
表わす用語を紹介する。
ここでは特に、直線、線分、半直線の3つの用語を扱う。
ある2点を通る直線とは、その2点を通るまっすぐな線のうちでその点の両側に
ついて、無限の長さを持った線のことである。
そのため、ある点A,Bを取ったときその2点の間にまっすぐな線を引いたとき、
その図形は数学では直線と呼ぶことは出来ない。点A,Bを越えた後にもその線を
のばしていき、そのまま無限に遠い点までのばしていったものを直線というのである。
次に線分という言葉を紹介する。
2点を通る線分とはある点2つを結んで得られるまっすぐな線のことである。
例えば、ある点A,Bを取ったとき、その点の間にまっすぐな線を引いたとき、
その図形のことを2点A,Bをつなぐ線分と呼ぶのである。
図形の性質上、線分の長さは常に有限である。
最後に、半直線という言葉を紹介する。
直線は直線上のある点で線が途切れる事はなく、常にどちらの側にも無限に
続くような図形である。一方、直線上のある点で図形が途切れたとしても、
その反対の方向に無限に長くまで続いている場合には、その図形を
線分と呼ぶことは出来ない。一方、直線上のある点で途切れていることから、
直線と呼ぶことも出来ない。このような図形を特別に半直線と呼ぶ。
半直線の長さは無限であり、半直線の端点は1点だけ存在する。
 
 
=====角の2等分線=====
 
ここでは、角の2等分線を紹介する。角の2等分線は図形的な応用が
多く、重要な平面図形の1つである。
角の2等分線とは、ある角が与えられたとき、その角の大きさを
2等分するような直線のことである。ただし、情况によっては
直線ではなく、与えられた角の頂点を端点とし、小さい角が作られている方に無限に続く
半直線と解釈されることもあり、適宜判断する必要がある。
例えば、直角は90<math>{}^\circ</math>であるので、その角の2等分線を取ったとき、
角の2等分線とそれ以外の直線がなす角は45<math>{}^\circ</math>である。
 
*図形
<!-- �f{junior _high.3}{角の2等分線}{3} -->
 
角の2等分線の性質として、その線上の点から角を構成している各々の
辺に垂直になるように下ろした直線がそれぞれの点と交わる点をそれぞれの
辺について取ったとき、それらの点とその角の頂点との距離が、2つの点に
対して同じになっていることが知られている。このことの説明は
三角形の合同の条件を用いないと難しいので、ここでは詳しくは述べない。
[[中学校数学 2年生-図形]]を参照。
 
このことを用いて、角の2等分線をコンパスと定規を用いて作図する方法が
存在することが分かる。
まず、角の頂点から角を構成する2つの辺上に、頂点からの距離が等しい点を
各々の辺上に1つずつ取る。次に、上の作業で辺上に得た点から
任意の半径の円を書き、それと同じ半径の円をもう片方の辺上の点からも
書き込む。このとき、各々の点から書いた円が交わった点は角の2等分線上の
点となっている。ここで2つの点が得られるため、その2点を定規を用いて
つなぐことで、元々の角の、角の2等分線が得られるわけである。
ただし、実際には元々の角の頂点は常に2等分線上の点であるので、円の交点として
求める点は1点だけでよい。
 
 
===== 線分の垂直2等分線=====
 
次に、線分の垂直2等分線を紹介する。この図形も重要な平面図形の
1つである。また、この図形も角の2等分線と同様、定規とコンパスだけで
作図できる図形の1つである。ここで、垂直2等分線の性質を与える。
線分の垂直2等分線とは、ある線分の中点を通ってその線分に垂直な
直線のことである。この図形はある線分が与えられたとき必ず存在する。
 
*図形
<!-- �f{junior _high.4}{垂直2等分線}{4} -->
 
線分の垂直2等分線の重要な性質として、その線上の点についてはその点から
元の線分の両端の点との距離が、両端の2つの点に対して等しくなっていることが
あげられる。このことの証明も三角形の性質を使う必要があるので、
[[中学校数学 2年生-図形]]の範囲である。
また、この事実を用いて、線分の垂直2等分線の作図法が得られる。
まず、与えられた線分の片方を中心としてある半径を持つ円を描く。
ただし、この円の半径は線分の長さの
:<math>
\frac 1 2
</math>
より大きいものとする。次に、与えられた線分のもう片方の端点からも、
同じ半径の円を描く。このとき、2つの円の交点は各々の端点から
等距離にあることがわかるため、その線分の垂直2等分線上の点である。
また、円の半径が線分の長さの
:<math>
\frac 1 2
</math>
より大きいので、ここで2つの円の交点は2つだけ得られる。よって、
その2点を直線でつなげば、この線分の垂直2等分線が得られるのである。
 
 
=====垂線=====
 
次に、ある直線に対する垂線の性質を紹介する。垂線は様々な情况で用いられるが、
特に、ある点から他の直線上に下ろした垂線として登場することが多い。
しかし、どのような情况で現われるにしろ重要な平面図形の1つであるといえる。
ここでは、ある直線に対する垂線とはどのような図形であるかを簡単に述べる。
ある直線に対する垂線とは、その直線に対して垂直な直線のことである。
同じようにして、ある線分に対する垂線、半直線に対する垂線が用いられる
こともある。また、ある直線に対して垂直という条件だけではどのような図形で
あるかが完全には決まらないので、他にある点を通過するという条件をつける
ことが多い。この点は与えられた直線上の点であっても、与えられた直線上に
無い点であってもよい。
特に、直線については直線はどの方向についても無限の長さを持つために、
どのような点を取ったとしてもその点を通って与えられた直線に垂直な
直線が必ず存在する。
 
*図形
<!-- �f{junior _high.5}{垂線}{5} -->
 
 
垂線もコンパスと定規を用いて作図を行なうことが出来る。
まず、与えられた点からある適当な半径の円を取り、その円と与えられた
直線の交点を2つ取る。更に、ここで得た2つの点から同じ半径の円を描き
その2つの円の交点を取る。このときこれらの円の交点と元々の
点をつないだ直線が与えられた点を通り、与えられた直線に直交する
図形となっているのである。ここで、最初の手順である与えられた
点からの距離が等しい2点を与えられた直線上に取るという手順以降の
手順は線分の垂直2等分線を得るための手順と同一であることがわかる。
ここで、与えられた線分の端点は先ほどの最初の手順で得た2点である。
つまり、この手順では与えられた点から等しい距離にある2点を端点とした
垂直2等分線を求めたのであり、また、端点である2点から元々の与えられた
点は確かに等しい距離にあるので、与えられた点自身もそれらの垂直2等分線上の
点であることが分かる。ここで最後にひいた垂直2等分線は与えられた直線に
垂直であり、与えられた点を通ることから確かに最初の条件を満たしている。
よって、これらの手順である与えられた点を通り、与えられた直線に垂直な
直線が得られることが分かった。
 
==立体図形==