「高等学校生物/生物II/タンパク質と生物体の機能」の版間の差分

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カルビンの実験
ヒル反応
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タンパク質は、まずアミノ酸に分解され、アミノ酸のアミノ基を、アンモニア(NH<sub>3</sub>)として遊離する。この過程を'''脱アミノ反応'''という。アラニンは脱アミノ反応によってピルビン酸になり、以降は、糖の分解でのピルビン酸の分解と同じ過程を経る。グルタミン酸は、脱アミノ反応でケトグルタル酸になり、クエン酸回路でのケトグルタル酸と同様の代謝をされる。
 
 
その後の分解の過程はアミノ酸の種類によって異なるが、最終的にどのアミノ酸もクエン酸回路で代謝される。ピルビン酸も、解糖系では最終的にクエン酸回路に合流するからである。
 
== 光合成の仕組み ==
*ヒル反応
1939年、ヒル(イギリス人)は、葉をすりつぶしたのを混ぜた水にシュウ酸鉄(III)をくわえた液を用意して、つぎの実験を行った。
この液に、光を与えると、酸素が発生し、またシュウ酸鉄(III)は、シュウ酸鉄(II)に還元された。この反応を'''ヒル反応'''という。このヒル反応では、二酸化炭素を除去した場合でも酸素が発生する。なので、ヒル反応は二酸化炭素を必要としない。
シュウ酸鉄(III)は、水素を受け取りやすい物質であり、酸化剤である。
 
 
光によって、水が分解され、酸素と水素イオンH<sup>+</sup>と電子e<sup>-</sup>に分解されると考えられた。
そして、光合成で発生する酸素は、二酸化炭素の由来ではなく、水に由来すると考えられた。
のちにルーベンが、酸素の同位体<sup>18</sup>Oを用いて、光合成で発生する酸素が水に由来することを直接的に証明した。
 
 
なお、植物の生体内では、シュウ酸鉄のかわりにNADPが光合成のさいに水素を受け取る酸化剤として働いている。
 
=== カルビン・ベンソン回路 ===
*カルビンの実験
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光の照射時間を変えていく方法などで、詳しく調べたころ、代謝の経路が回路状になっている事が分かった。
 
 
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