「高等学校生物/生物II/生物の進化」の版間の差分

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最古の両生類、イクチオステガ
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=== 化学進化 ===
*ミラーの実験
[[画像:Miller-Urey experiment JP.png|right|thumb|400px|ミラーの実験装置の概念図]]
ミラーは原始地球の大気を想定した気体中で放電することで、アミノ酸などの有機物が合成されることを発見した(1953年)。
 
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また、このように、単純な化学反応によって、最初の生命ができたという説を'''化学進化'''(かがく しんか)という。
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*熱水噴出孔
[[ファイル:Blacksmoker_in_Atlantic_Ocean.jpg|thumb|熱水噴出孔]]
海洋の海底で、熱水が噴出している場所があり、これを'''熱水噴出孔'''(ねっすい ふんしゅつこう)という。地下のマグマによって熱せられている。
噴き出す熱水にはメタン・硫化水素・アニモニアなども含まれており、これらの物質は有機物の原料になるものが多いので、このような場所で生命の発生が起きた可能性も、生命の発生の説として考えられている。
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*コアセルベート説
オパーリン(生物学者)は、タンパク質をふくむ水の液滴、あるいは核酸をふくむ水の液滴などを'''コアセルベート'''とよび、コアセルベートから生命が誕生したと考えた。
[[File:Coacervats.JPG|220px|left|thumb|コアセルベート]]
 
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*RNAワールド
今日の生命の遺伝物質はDNAであるが、しかし最初の生命はRNAを遺伝物質とする生命だったという考えがあり、RNAを遺伝物質とする生命が繁栄していたという考えがある。このようなRNAを遺伝物質とする生命の時代や、このような考えを'''RNAワールド'''という。
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=== 光合成生物の出現と大気の変化 ===
[[ファイル:Stromatolites.jpg|right|thumb|250px|こぶのように見える先カンブリア紀のストロマトライトの化石。Siyeh層中にあるものを撮影(米国モンタナ州グレイシャー国立公園)]]
[[ファイル:Stromatolites in Sharkbay.jpg|thumb|250px|ストロマトライト(オーストラリア・シャーク湾)]]
27億年前の地層から、'''ストロマトライト'''とよばれる層状構造が見つかっており、この構造は原核生物の'''シアノバクテリア'''が作る構造として知られている。この時代以降の地層で、世界各地からストロマトライトの地層が見つかっている。よって、この時代にシアノバクテリアが大繁殖していたと考えられている。
 
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なおカンブリア紀は、古生代であり、先カンブリア時代ではない。
 
三葉虫(さんようちゅう)は古生代の生物であり、アンモナイトは中生代の生物である。三葉虫は古生代末に絶滅してしまう。よって、三葉虫の化石がある地層から出土すれば、その地層が形成された年代は古生代であることが分かる。このような、時代を知れる化石を'''示準化石'''という。三葉虫の化石は、示準化石である。いっぽう、サンゴは暖かくて浅い海に生息するので、サンゴの化石があれば、その化石ができた時代に、その場所は暖かくて浅い海底だったことが分かる。このサンゴの化石のように、場所の特徴を知れる化石を'''示相化'''(しそう かせき)という。
*全球凍結
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== 海中での生物の繁栄 ==
=== 先カンブリア時代 ===
[[ファイル:DickinsoniaCostata.jpg|thumb|エディアカラ生物群、ディッキンソニアの化石]]
最初の多細胞生物が出現した時期は不明だが、おそらく約10億年前の'''先カンブリア時代'''だと考えられている。最古の多細胞生物の化石が、約6.5億年前とされる地層から見つかっている。世界各地で、同時期の地層から、この時代の生物の化石が見つかっている。オーストラリアのエディアカラという地域が、そのような化石の産出地として代表的であるので、この6.5億年前ごろの時代の生物群を'''エディアガラ生物群'''(エディアカラせいぶつぐん)という。エディアカラ生物群のほとんどは、体がやわらかく、殻を持たず、扁平な形をしている。
体が扁平なことから、移動能力は低いと考えられ、また、海中から酸素を直接に取り入れていたと考えられる。
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=== 古生代 ===
[[画像:ROM-BurgessShale-CompleteAnomalocarisFossil.png|thumb|280px|バージェス頁岩累層で発見されたアノマロカリスの完全化石(カナダのロイヤル・オンタリオ博物館蔵)]]
軟体動物や節足動物、環形動物など、多くの種類の動物が誕生した。このような、カンブリア時代での生物の多様化を「'''カンブリア大爆発'''」という。
カナダのロッキー山脈のバージェスで化石が発見されたことから、この時代の生物群を'''バージェス動物群'''という。
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 このため、地表にふりそそぐ紫外線が減った。(紫外線は、DNAを傷つける。)
 
[[File:Cooksonia.png|thumb|クックソニア]]
 
化石が確認されている最古の陸上植物は、シルル紀の'''クックソニア'''である。(クックソニアの高さは数cm) クックソニアの個体は、二つに枝分かし、その枝の先に胞子のうをつける。
 
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デボン紀には、維管束を持ち、根・茎・葉の区別があるシダ植物のような植物が繁栄した。また、シダ植物のような種子植物が繁栄し、'''シダ種子植物'''といわれる。シダ種子植物が、ソテツとよく似ているシダ植物なので、ソテツシダともいう。 これらの植物には高さ20mにもなるものもあり、森林をつくるほどであった。
 
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=== 動物の陸上進出 ===
植物の陸上進出と同じころ、動物も陸上に進出した。植物と動物のどちらが先かは、不明である。
このころの動物は、ムカデやクモや昆虫のような'''節足動物'''であったと考えられる。
 
[[File:800px-PleaisaidesZICA.png|thumb|300px|イクチオステガ]]
デボン紀の末期には、魚類から進化したと考えられる原始的な両生類が現れた。最古の両生類として考えられている'''イクチオステガ'''は肺を持っており、また四肢を持っており、浅瀬や陸上を歩いて移動できたと考えられている。