「高等学校生物/生物II/生物の進化」の版間の差分

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中立進化、遺伝的浮動など
ダーウィン『種の起源』
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それぞれの遺伝子型の頻度は、<math>(pA+qa)^2=P^2AA+2pqAa+q^2a</math>の展開式より、AAはp<sup>2</sup>であり、Aaの頻度は2pqであり、aaの頻度はq<sup>2</sup>である。
 
この世代のA遺伝子の頻度は、<math>2p^2+2pq=2p(p+q)=2p</math> である。(p^(2p<sup>2</sup>の係数の2の理由は、AAではAが2文字あるから。)
 
同様に、この世代のa遺伝子の頻度は、<math>2pq+2^q=2(p+q)q=2q</math> となる。
 
Aとaの遺伝子頻度の比は、A:a=2p:2q=p:qA:a = 2p:2q = p:q となり、親の世代と同じにA:a=p:qA:a=p:qになる。
 
よって、このような集団では、遺伝子頻度は、その後の世代でも同じである。これを'''ハーディ・ワインベルグの法則'''という。
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==== びん首効果 ====
個体数が少ないと、ハーディ・ワインベルグの法則が成り立たない。では、個体数がが少なくなると、遺伝子頻度はどうなるかを、具体的に考えてみよう。たとえば、親の世代の遺伝子頻度がA:a=p:q A:a=p:q であっても、子供の数が少なくて、たったの4個体しかない場合、
子供の形質が仮に全員aaという場合も起こりうる。(計算の都合上、子世代の男女比は無視する。無性生殖の場合を考えると計算が簡単である。) この場合、子供の世代以降は、A:a=0:1 A:a=0:1 となり、親の世代とは遺伝子頻度が変わる。
 
このように、個体数が小さくなると、遺伝子頻度が変わりやすくなる現象を'''びん首効果'''という。
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塩基配列などの分子レベルの変化(つまり分子進化)で中立進化が多く見られるが、表現型でも中立進化は起こる場合もある。
 
=== 古典的な進化論の歴史 ===
*種の起源
[[画像:Charles_Darwin_by_G._Richmond.jpg|thumb|若き日のダーウィン。航海から帰国後、30歳前後と見られる。]]
ダーウィンは若手のころ、イギリスの軍艦ビーグル号に同乗して、世界一周の航海をしており、南米に立ち寄ったとき、ガラパゴス諸島で生物の研究をした。このガラパゴス諸島で、ダーウィンはトリの形質が、島ごとに形質が違うのに注目した。また、トリ以外も調査した。
同じころ、イギリス人のウォレスもマレー諸島で同じような研究をしており、そこでダーウィンの帰国後、二人は共同研究をして、その結果をもとに『種の起源』を1859年に出版した。進化の原因として、彼らは'''自然選択'''(自然淘汰)説などを考えた。
 
*突然変異説
ド フリースは、同じ環境でオオマツヨイグサを栽培しても、突然変異体が現れることを発見した。また、それらの突然変異体の交雑実験をして、突然変異(mutation)の形質は遺伝することを明らかにした。これらの結果をもとに、突然変異が進化の主な原因であるという'''突然変異説'''を唱えた。(1902年) 
 
=== 種分化 ===