「高等学校生物/生物II/生物の進化」の版間の差分

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ダーウィン『種の起源』
種分化
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いろいろな生物種のヘモグロビンのα鎖のアミノ酸配列を調べてみると、生物種に関わらず、生物種どうしのアミノ酸配列の違いが、その2種の生物が進化的に分かれてからの時間に比例して増えていくことが分かった。そして生物種に関わらず、この配列の変化速度が、ほぼ一定だということが分かった。同様に、他のタンパク質のアミノ酸配列でも、DNAの塩基配列でも、変化速度が一定だということが分かった。
 
このような、遺伝される配列の変化の速度を'''分子時計'''(ぶんしどけい、molecular clock)という。
分子時計は、種間の類縁関係を測定する手段の一つとして用いられる。
 
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=== 種分化 ===
ある場所に済んでいた集団が、生息地の中に、地殻変動などで移動不可能になる地理的な障壁ができて二分されると、その二箇所の往来が出来なくなる。このような環境を'''地理的隔離'''(ちりてき かくり)という。
 
こうなると、その二箇所のそれぞれに住んでいる生物で、飛行できない生物は、交配をする機会が無くなり、よって、別々に進化をしていくことになる。やがて、二地域の、その生物の遺伝的な差が大きくなっていくと、ふたたび出会っても、もはや交配できなくなる。これを'''生殖的隔離'''(せいしょく かくり)という。
 
このようにして、新たな種が生じていくと考えられる。このようにして、新たな種が生じていくことを'''種分化'''(しゅぶんか)という。ダーウィンの観察した、南米ダーウィン諸島で野鳥のフィンチが島ごとに違っている事例は、地理的隔離による種分化の典型的な例である。
 
地理的隔離をしていなくても、同じ場所に住んでいても生殖隔離をする場合もある。ある種の一部に繁殖時期が変化する突然変化がおきれば、その二種は生殖する機会が無くなり、種分化をしていく。