「中学校保健/応急手当」の版間の差分

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かつて、「スポーツの練習中には、水を飲まないほうが良い」などの誤解があった。現在では、これは医学的根拠が無いとして、まちがった迷信だとして、否定されている。
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== 発展的記述:熱中症の応急処置 ==
(※ 高校保健の範囲です。)
 
中学生の場合、もし熱中症や近い症状に出会ったら、すぐに先生などの大人に相談して下さい。
=== 応急処置 ===
基本的には、熱中症の応急手当(おうきゅうてあて)は、まず冷やすことです。
中学生の場合、もし熱中症や、それに近い症状に出会ったら、すぐに先生などの大人に相談して下さい。
基本的には、熱中症の応急手当(おうきゅうてあて)は、まず冷やすことです。患者をすずしい場所に移動させて、そして、水(みず)や氷(こおり)や扇風機(せんぷうき)などで、患者をすずしくしてください。
 
また、熱中症の患者は、発汗(はっかん)により塩分が不足しているため、身体の調節機能が低下しています。なので、塩水などで塩分補給も行うことも、必用です。
 
* 熱中症の応急処置
 
応急手当(おうきゅうてあて)としては、まず、涼しい場所に移動させる。
意識があり、吐き気が無ければ、薄めの食塩水やスポーツドリンクなどを飲ませて、水分および塩分を補う。
食塩水の濃度は、みそ汁やスープ料理などの濃度で良い。
 
汗によって塩分が失われている場合は、塩分も補給しないと、水を飲ませるだけでは回復をしない場合がある。
スポーツドリンクは、塩分が少なめで糖分が多めなので、脱水の改善の効果は、やや弱い。なので、できれば食塩水のような飲料を飲ませるほうが望ましい。
 
もし、経口補水液(けいこう ほすいえき)があれば、それを飲ませるのが良い。
 
 
このように、汗によって塩分が失われている場合は、塩分も補給する必要がある。塩分をふくまないと、水を飲ませるだけでは、あまり回復をしない場合がある。
 
濡れタオルや氷で冷やす場合は、首や脇(わき)の下など、冷却すると、体の内部まで冷やせて効率的である。
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体温が上昇してないからといって、けっして熱中症でないと勘違いしないように注意のこと。
 
=== 熱中症の予防 ===
==== こまめに水分を取ろう ====
夏場や、はげしい運動の前後などは、こまめに、水分をとることが必要です。このとき飲む水は、ほとんどの場合、水道水で、かまいません。スポーツドリンクなど塩分をふくむ飲料は、よほど激しい運動の前後でないかぎり、それほど熱中症の予防には、多くは飲む必要はありません。
 
水分を取る際、いっぺんに水分を多めにとっても、効果は、ひくいです。また、いっぺんに水分を取りすぎると、下痢(げり)などの原因にも、なります。
 
なので、飲みすぎに注意して、こまめに水分を取ることが必要です。
 
かつて、「スポーツの練習中には、水を飲まないほうが良い」などの誤解があった。現在では、これは医学的根拠が無いとして、まちがった迷信だとして、否定されている。
 
 
==== スポーツドリンクを飲みすぎないように ====
スポーツドリンクは、けっして熱中症の予防薬では、ありません。ふつうのスポーツドリンクは、糖分が多めだから、です。なぜなら、もともとスポーチ運動後のエネルギー補給をかねて生産されているため、糖分が多めなのです。
 
このため、スポーツドリンクを飲みすぎると、糖分が過多になり、体内の栄養バランスがくずれるので、むしろ熱中症などの症状に、かかりやすくなります。また、糖分をとりすぎると、糖尿病などにも、かかりやすくなります。
 
学校給食などの一般的な食事メニューの みそ汁 やスープ類などに、すでに塩分が、ふくまれています。なので、ふだんのスポーツ前後では、塩分をわざわざ多めにとる必用はありません。
 
=== 熱中症の種類 ===
熱中症の種類には、熱失神、熱けいれん、熱疲労、熱射病がある。
 
(※ おぼえなくてよい。用語の理解の整理として、読めば、充分。)
 
;熱失神(ねつしっしん) 
:原因:血管の拡張したことの血圧低下による、脳への血液不足。
:症状:失神やめまいなど。
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;熱疲労(ねつひろう) 
:原因:多量の発汗による脱水症状。
:症状:めまいや頭痛などを起こす場合がある。
 
 
;熱射病(ねっしゃびょう) 
(日射病とは異なる。)
:原因:高温による脳内の温度中枢の障害によって、体温調節機能が失われている。