「高等学校物理/物理I/波」の版間の差分

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用語に英訳を併記
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波とは、右図のように、波源での振動が、媒質を変位が伝わっていく現象である。
 
右図のように、波形のもっとも高い場所を'''山'''(やま、crest)といい、もっとも低い場所を'''谷'''(たに、trough)という。
 
右図の場合、波源は、手である。波が伝わるには、時間が掛かる。波形が伝わる速度を v とすると、波形の移動距離をΔtとした場合、その間の時間をΔtとすれば、
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また、ギターの弦(げん)など、弦の振動では、このような波長、振幅の等しくて、方向の重なり合った波形が観測できる。(なお、ギターの場合、両端が固定されているが、このような状態を固定端(こていたん)という。のちの節で後述する。)
 
これらのような波の合成では、下図のような、波形の進行しない波ができ、これを'''定常波'''(ていじょうは、stationary wave)いう、または定在波(ていざいは、standing wave)ともいう。
 
いっぽう、もとの波のように、波形が進む波を'''進行波'''(しんこうは)という。
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[[ファイル:Standing_wave.gif|frame|none|両端を固定した場合の定常波。振動していない赤い点が、節(ふし)。節と節の中間に位置する振幅が最大の場所が、腹(はら)。波形が進行していない様子がわかる。]]
 
定常波で、まったく振動していない部分を'''節'''(ふし、node)といい、大きく振動する部分を'''腹'''(はら、loop)という。
 
 
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*固定端
端部が固定されている場合(「を'''固定端'''(こていたん、fixed end)という)、端部では変位が0であるから(端部の変位が0でないと「固定」という条件と矛盾する)、入射波と反射波とを合成した結果は、端部では合成波の変位が必ず0である。このためには、反射波の変位は、入射波と上下が反転していて、大きさは同じある必要がある。
 
結果的に、固定端の場合の反射波は、変位が上下の反転をしていて、変位の大きさ(絶対値)は同じで、進行方向が逆向きである。
 
*自由端(じゆうたん、free end)
図のように、単に折り返しただけである。
 
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合成した場所によっては、山と山とが重なり合って大きく振動する場所もある。またある場所では、山と谷が重なり合って、振動を打ち消しあって、弱めあう場所もある。
 
このように、波と波とが重なって、振動を強めあったり弱めあったりすることを '''波の干渉''' という。(「干渉」、かんしょう、英:interference)
 
高校物理では、簡単のため、2つの波源の振動数が同じ場合を考える。
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直線波の場合は、右図の通り。
 
また、このような '''ホイヘンスの原理'''(Huygen's principle) で考えた場合の、無数の波源の1つ1つの作る波の1つ1つを'''素元波'''(そげんは、elementary wave)という。
 
 
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[[Image:Refraction - Huygens-Fresnel principle.svg|thumb|300px|ホイヘンスの原理による波の屈折。(再掲)]]
 
また、光が空気中からガラスに入ると屈折(くっせつ、refraction)するが、媒質が変化すると屈折が起きるのは、速度が変わるからである。ホイヘンスの原理の図から分かるように、境界面から先では速度が変化してしまうから、波面が屈折してしまうのである。
 
また、この屈折の角度の比率から、波の速度の比率を出せる。
 
:<math> \frac{\sin i}{\sin r} = n_{12} </math> (公式)
である。値 <math> n_{12} </math> が'''屈折率'''(くっせつりつ、refraction index)である。
 
:(※ 公式導出の説明図を描いてください)
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=== 回折 ===
[[Image:Refraction on an aperture - Huygens-Fresnel principle.svg|thumb|300px|ホイヘンスの原理による波の回折]]
回折(かいせつ、diffraction)は、すき間(すきま)が小さいほど、 あるいは 障害物が小さいほど、回折が著しくなる。これは、ホイヘンスの原理によって、すき間などが小さいほど、そのあいだにある素元波の数が少なくなるので、波面を構成している素元波の個数が減り、素元波1つ1つの特徴が露わ(あらわ)になるからだ、と考えられる。
 
====== 反射 ======
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同じ事柄に基づいた話題だが、ある周波数の音と、それと少しだけちがう周波数の音を重ねて聞くと、音が大きくなったり小さくなったりするように聞こえる。
:[[media:Physics_wave_interference_unari.ogg|"うなり"の音声ファイル(440Hz正弦波と442Hz正弦波)]]
これを"うなり"(beat)と呼ぶ。この時音の大きさが変化する周波数は2つの波の振動数の差に等しい。
 
"うなり"は上の例と同様三角関数の計算によって見ることができる。詳しい解説は次の発展を参照。