「高等学校物理/物理I/波/音波と振動」の版間の差分

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うなりの公式の簡易な導出。教科書にある式。
弦の固有振動について
28 行
:<math> |f_1 - f_2 |= \frac{1}{T}=f </math>
これを整理して、
:<math> f=|f_1 - f_2|</math>  (証明おわり)
 
 
69 行
 
最後の式は、ルートの中の部分が振幅であり、つまりルートの中の部分が音の大きさである。このルートの中の部分に、tを変数とする三角関数が入っているので、そのルート中の三角関数の振動数こそが、うなりの振動数である。
 
==== 弦の振動 ====
[[File:Harmonic partials on strings.svg|thumb|500px|固有振動]]
 
ギターの弦などのように、両端を固定した弦を考えよう。両端を固定した弦を振動させると、端で波が反射するので、定在波が出来る。なお、この波は横波である。この定在波の波長については、両端が固定されているので、波長に条件がある。
 
両端で、定在波が節(ふし)にならなければならない。
 
節から節までの長さは、半波長 <math> \frac{\lambda}{2} </math> なので、
両端間の距離 l が、半波長の整数倍にならなければならない。
 
これを式でかくと、「整数倍」の整数をmとすれば、
:<math> l = m \frac{\lambda}{2} </math>  (m=1,2,3,・・・)
 
波長が未知数なので、波長について求めるために移項して
:<math> \lambda = \frac{2l}{m} </math>  (m=1,2,3,・・・)
となる。
 
 
波長に、このような、両端間の長さによる条件があるので、振動数にも同様に両端間の長さによる条件がつくことになる。弦を伝わる波の速度を v[m/s]として、振動数 f[Hz] の条件を求めると、
:<math> f = \frac{v}{\lambda} = m \frac{v}{2l} </math>
である。
 
上式での、弦を伝わる波の速度 v[m/s] については、弦を引く張力 S[N] と、弦の質量の'''線密度''' ρ[kg/m] という、2つの量によってのみ決まる定数である。
 
:<math> v = \sqrt{ \frac{S}{\rho} } </math>
 
弦で、単位長さあたりの質量のことを、'''線密度'''(せんみつど)という。
 
弦が軽いほど、弦が動きやすくなり、その結果、波が伝わるのが早くなるのである。
 
また、張力が強いほど、弦をもとに戻そうとする力が大きいので、その結果、波が伝わるのが早くなるのである。
 
この弦を伝わる波の速度の式の導出については、大学レベルの偏微分の知識が必要なので、証明を省略する。また、高校生は、この弦の波の速度の式を覚えなくて良い。(ふつうの入試などでは、この公式は、出題時に問題文で用意されるはずである。)
 
 
さて、このように、弦の振動数
:<math> f = \frac{v}{\lambda} = m \frac{v}{2l} </math>
は、
両端間の長さによって制限されて固有なので、このような弦の定在波の振動を'''固有振動'''(こゆうしんどう)という。
 
また、このような弦の定在波の振動における周波数を'''固有周波数'''(こゆう しゅうはすう)という。
固有振動のうち、m=1 のものを基本振動という。
m=2 のものを 2倍振動 という。m=3 のものを 3倍振動 という。
 
=== 気柱の振動 ===
:(※ 未記述)
 
=== ドップラー効果 ===
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この場合距離の差が<math>\lambda/2</math>の奇数倍の時には、音の大きさは2倍になり、偶数倍の時には音はほとんど聞こえなくなるはずである。これは同じ形の波が符号が同じで足された場合と、符号が反対で足された場合に対応するからである。
 
 
==== 弦の振動 ====
[[File:Harmonics.jpg|thumb|500px|]]
 
=== 光 ===