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== 重要な連絡: 難関大学の試験科目では公民科目よりも歴史科目が多い ==
* '''入試で、「政治経済」ではなく「世界史」が要求される難関大学も多い'''
理由は、のちの節で解説。
なので大学受験を目指す場合、はたして自分は「政治経済」で社会科を受験する必要があるのか、いったん考えること。
高校では、公民系科目の必修科目として「政治経済」を習う場合があります。なぜなら大学受験科目としての出題されやすさが、公民3科目の「倫理」「現代社会」「政治経済」の中では、「政治経済」がもっとも多く出題されやすいのです。このため、進学校でも、公民科目の中では、政治経済を優先して教える場合もあります。
ですが、そもそも、公民科目そのものが、歴史科目と比べると、難関大学では出題頻度が低いのです。
なので、受験勉強においては、はたして「政治経済」および公民を、入試科目にするべきかは、よくよく考えましょう。
== 勉強法 ==
=== 大学受験で政経が受験科目として要求される場合 ===
もし受験科目として「政治経済」が要求されてるなら、市販の参考書を読みなさい。検定教科書だけでは、かなり情報不足です。
なぜなら、検定教科書は、授業時間が少ないため、分析が浅く、ヘタすると中学の参考書あたりで習うレベルの復習となりやすいです。
しかし大学入試では、もっと知識的に突っ込んだ内容が出ます。なぜなら、他科目の受験生とのバランス、つまり「地理」科目や「世界史」「日本史」科目で受験する受験生とのバランスもあるので、中堅以上の大学で「政治経済」が入試に出る場合では、検定教科書レベルを大幅に超えた参考書レベルの内容が入試に出ます。
高校の定期テスト対策でも、参考書を読んで問題練習しておけば、良いでしょう。
=== 政経が受験科目でない場合で、大学受験をする場合 ===
参考書を何度か通読し、それが終わったら、受験科目の勉強に以降するべき。
問題集には深入りしなくて良い。経済学部などの大学入学後の授業は、高校の政治経済とは、かなり内容が違うので、あまり「政治経済」に深入りしてもメリットが無い。
=== 高校の定期テスト対策 ===
高校の定期テスト対策でも、参考書を読んで、入試基礎レベルの問題集で問題練習しておけば、定期テスト対策としては充分でしょう。
== 入試で、政治経済ではなく世界史が要求される難関大学も多い ==
難関大学では、「政治経済」「倫理」「現代社会」などの公民科目ではなく、「世界史」科目などの歴史科目を要求している学校も多いです。
理由は以下の通り。
* 高校の公民科目では、授業時間の制約で、あまり分析的に深いことを教えられない。
* 経済学・法律学の場合、大学の授業は、高校の授業とは、かなり違う。
* 「世界史」の中に、「政治経済」な内容も含まれる。なので、難関大学の入試では「世界史」が要求されやすい。
たいていの高校では、高校3年という最終学年で「政治経済」または「倫理」などの公民科目を習うので、てっきり「政治経済」は高校社会科の総まとめのような科目だと勘違いしやすいです。しかし、実際の高校「政治経済」の内容は、総まとめとは違います。
もし高校3年の選択科目選びなどで、社会科を総合的に勉強する科目を選びたいなら、世界史を選ぶべきです。
世界史を選んだ場合、政治経済については、市販の政治経済の参考書を読むくらいで充分でしょう。
経済学部を目指す場合、政治経済の過去問で難問集に深入りするよりも、数学2Bの計算練習と英語の受験勉強のほうが、はるかに大切です。
=== 高校の公民科目では、授業時間の制約で、あまり分析的なことを教えられない。 ===
政治や法律の、分析的に深い見方については、民法や商法や国際法などの法律の専門知識の教育が必要ですが、しかし、授業時間数が不足しており、そのような法律の専門教育は不可能です。
また、経済や金融の分析については、複式簿記(ふくしきぼき)などの帳簿(ちょうぼ)の見かたや、商法・会社法などの経済に関連する法律知識が必要です。しかし、これらについても、授業時間が不足しており、そのような専門教育が不可能です。
かといって、もし政治経済の授業時間数を大幅に増やして民法やら会社法などを教えたら、こんどは、世界史・日本史などの他の科目の授業時間数が不足するだろうし、数学や英語など他教科の時間も減ってしまうでしょう。
=== 大学の授業とは、かなり違う ===
大学の経済学部の入学後の授業は、高校の政治経済の教科書とは、かなり違います。
受験生がせっかく政治用語や経済用語を覚えても、大学の経済学部に入学したあとの授業では、数式などを駆使した、まったく違う手法で経済学を勉強することになります。
それだったら、あまり用語の深入りには期待せず、高校生には高校の世界史や地理などもふくめて、高校の社会科を全般的に学んで欲しい・・・というわけです。
法学部や政治学部の授業も、高校の政治経済の教科書とは、かなり違います。
法学部では、とにかく、まずは多くの法律について、代表的な条文と、その判例を覚えなければなりません。その覚える量たるや、高校の政治経済の「政治分野」で暗記させられる量を、大幅に超えています。
それと、高校「政治分野」の政治分野の分析レベルでは、大学の法学部などから見れば、かなり分析が浅いです。
=== 「世界史」の中に、「政治経済」な内容も含まれる。 ===
「世界史」の入試の中でも、近現代史として、国際政治や経済に関係の深いことを教えることは可能です。
しかし、政治経済や現代社会など公民科目では、世界史の古代史や、日本史の古代史を教えることは、できません。
なので、世界史のほうが、より多くの勉強を受験生にさせやすいのです。なので、難関大学を目指す人は、入試で政治経済が必要とされない限り、なるべく世界史を学ぶべきです。
2科目以上の社会科を要求する場合でも、世界史と日本史の計2科目、もしくは世界史と地理の計2科目を要求する場合が多いのです。
また、経済学部や政治学部での入試科目でも、難関大学では、以上のような理由から、「政治経済」科目ではなく「世界史」科目を要求する場合があります。
== 政治経済を学ぶ意義と、意義とはちがう現実 ==
高等学校学習指導要領の政治経済の目標には、
:広い視野に立って,民主主義の本質に関する理解を深めさせ,現代における政治,経済,国際関係などについて客観的に理解させるとともに,それらに関する諸課題について主体的に考察させ,公正な判断力を養い,良識ある公民として必要な能力と態度を育てる。
とあります。
文部省の期待では、この科目によって、民主主義の担い手としての人材としての見識が身につけられることが期待されているようです。
しかし、現実には、授業時間数の不足など、上述した理由のため、その期待どおりの分析的な授業は、不可能です。
==
高等学校の政治経済は、政治学や経済学のうちの、ごく一部分の、きわめて初歩的な範囲にすぎない。
高校卒業後の進路や職業などに応じ、適切な分野を、今後も学習を継続していく必要がある。
== 関連科目 ==
高等学校の「地理」・歴史(「世界史」・「日本史」)が、「政治経済」ときわめて高い関連性を持つ。
なので、なるべく地理・歴史も勉強しておくこと。
[[Category:社会科学|せいしけいさい]]
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