「古典力学/イントロダクション」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
タグ: モバイル編集 モバイルウェブ編集
45 行
物体の位置は原点から測った距離によって表現されるため、長さの[[w:量の次元|次元]] (dimension) を持ち、具体的な数量は長さの[[w:物理単位|単位]]と数値の積で表されることになります。このことは座標系によらず言えることです。
 
速度は物体の位置の時間変化率として定義されます。たとえば 2 秒の間に 4 メートルだけ物体が動いた場合、1 秒当たり 2 メートルだけ移動したことになるので、その間の物体の'''平均速度''' (average velocity) は 2 メートル毎秒となります。これが平均の速度であることは、たとえば最初の 1 秒間に 4 メートルだけ進んで残りの 1 秒間は止まっているような場合でも速度が同じになることから理解できるでしょう。平均速度は、指定された時間に一定の速度で物体が動くと仮定した場合のその速度を表しています。速度も位置と同じように、デカルト座標系を用いて、それぞれの座標軸に対する物体の位置の時間変化率の組として表現することができます。たとえば先に挙げた平面上の座標系を用いれば、(−3 [m/s], 1 [m/s]) は「毎秒左に 3 メートル、上に 1 メートルの速さ」を表していることになります。
 
物体の位置から物体の速度を求めるには 2 つの異なる時刻における物体の位置を比較して、その時間経過の間にどれだけ位置が異なっているかを求める必要があります。最も単純な場合として直線運動をする物体の速度を例にとりましょう。物体が直線的な運動をしている場合には、物体の位置を表す量は、物体の軌道上にある原点から測った物体までの距離となります。原点の取り方は自由ですが、物体の運動を記述し始めた最初の時刻における物体の位置を原点として与えることにします。言い換えれば、物体ははじめにある座標系の原点を出発点として運動をしているということです。