「高等学校化学I/物質と原子」の版間の差分

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物質の定義については、中学卒業までに教わってるはずなので、削除。また、炎色反応のよる検出、塩化銀の沈殿による検出、石灰水による二酸化炭素検出について記述。
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この項目は、高等学校の化学Iを学ぶ上で、そのもっとも基本的な考え方である「物質の源泉を探る」というテーマに対して、物質がどのようなものからできているのか、それらによってどう構成されているのか、といった事柄を基本にして、解説を記述したページである。
 
== 物質と元素 ==
化学とは、物質同士の反応を扱った学問であり、その知識によって自然観察の視野を広げることを目標としている。まずその基礎である物質と元素について知ることからはじめよう。
 
=== 物質とはなにか ===
 
物の呼び方として、'''物質'''という言葉がある。物質とは次の二つの事柄を満たすのことを言う。
# 一定の空間を占め、質量を有するもの。
# 人間によって認知できるもの。
例えば、プラスチックは物質であり、鉄も物質である。これらは上の事柄を満たす。しかし、虹や映像は物質'''ではない'''。虹はあくまで人間の網膜に光が届くことで認識されるものでしかない。映像も、単なる光学現象に過ぎない。物質は、現象ではない。ただし、虹を見せる原因になっている空気中の水滴などは物質である。また、映像を見せるスクリーンやモニタも物質である。同様に、夢や時間といった観念も物質ではない。これは、容易に理解出来得るだろう。人の考えなどによって生み出されたものである観念は、空間を占めないし、質量も持たない。
 
=== 物質の要素 ===
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| 79 || 金 || Au
|}
これら物質は、'''元素'''<small>( Element )</small>と呼ばれる'''基本要素'''が組み合わさることでできていることがわかっており、また、'''原子'''(atom)という'''基本構造'''が組み合わさることによって構成されていることもわかっている。それでは、元素について、基本的な事柄を知ろう
 
; 元素 : 原子の種類のことを元素(げんそ、element)という。
この元素は、現在では110種類以上見つかっておほどであり、それぞらのうち約90種類は天然名前と、番号、略記号が割り当てられ存在している。略記号は'''元素記号'''と呼ぶ。元素をあらわす記号ラテン語、英語、ドイツ語名など元素名頭文字から1文字または2文字をた'''元素記号'''(symbol of element)で表される。元素記号の1文字目は必ず大文字であり、2文字目は必ず小文字である。後で詳しく述べるが、物質を表す際に、2つ以上の元素記号を並べて書くことがあるので、大文字・小文字を正しく使い分けなければ混乱してしまう。以下に、代表的な元素の元素記号を右の表に記したので、参考にしてほしい。詳しい元素記号の表は、[[#関連項目|関連項目]]に掲載しておいた。
 
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=== 元素の確認方法 ===
==== 炎色反応 ====
[[File:Flametest--Na.swn.jpg|thumb|ナトリウムの炎色反応]]
元素の確認方法には、さまざまな方法があるが、炎色反応で確認することができる。たとえば塩化ナトリウム水溶液をつけた白金線、または水酸化ナトリウム水溶液をつけた白金線を、ガスバーナーの外炎に当てると、黄色い炎が出る。
 
これは、ナトリウム元素 Na による現象である。塩化ナトリウムも水酸化ナトリウムも、どちらの物質とも、Na を含んでいる。
 
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Image:Flametest--.swn.jpg|試料を加えない場合のガスバーナーの色
Image:FlammenfärbungLi.png|リチウム(赤)
Image:Flametest--Na.swn.jpg|ナトリウム(黄色)
Image:Flametest-Co-Na.swn.jpg|ナトリウム(※ コバルトガラスを通した場合)
Image:FlammenfärbungK.png|カリウム(赤紫)
Image:FlammenfärbungCa.png|カルシウム(橙赤)
Image:FlammenfärbungSr.png|ストロンチウム(赤)
Image:Flametest--Cu.swn.jpg|銅(青緑)
</gallery>
 
このように、物質を炎の中に入れたとき、その物質に特有の色の炎が見られる現象を'''炎色反応'''(えんしょくはんのう、flame reaction)という。炎色反応の色は、元素の種類によって異なるので、元素の種類を調べたい時に炎色反応で元素の種類を確認する事ができる。
 
なお、花火の色は、炎色反応を利用したものである。
 
==== 石灰水と二酸化炭素 ====
石灰水(水酸化カルシウム水溶液)は、二酸化炭素を吹き込まれることで、白く沈殿する。これは、水に不溶の CaCO<sub>3</sub> が発生したためである。
 
この一連の現象を利用して、ある気体中での二酸化炭素の有無を確認できる。
 
また、ある物質を酸化させて燃やした時に発生する気体が、石灰水を白く濁らせれば、その物質には炭素が含まれることが判別できる。
 
*具体例
大理石に希塩酸をそそぐと、気体が発生する。この気体を、水酸化カルシウム水溶液にそそぐと、白く沈殿する。このことから、大理石には炭素Cが含まれてることが分かる。
 
==== 沈殿 ====
食塩水(水酸化ナトリウム水溶液)に硝酸銀水溶液を加えると、白色沈殿(塩化銀)が生じる。
 
この沈殿反応を利用することで、ある水溶液中に銀 Ag または塩素 Cl が含まれているか否かを判別できる。
; 元素 : '''元素'''は、物質の構成成分である。
この元素は、現在では百種類以上見つかっており、それぞれに名前と、番号、略記号が割り当てられている。略記号は'''元素記号'''と呼ぶ。元素記号はラテン語、英語、ドイツ語の元素名から1文字または2文字を取って表される。一文字目は必ず大文字であり、二文字目は必ず小文字である。後で詳しく述べるが、物質を表す際に、2つ以上の元素記号を並べて書くことがあるので、大文字・小文字を正しく使い分けなければ混乱してしまう。以下に、代表的な元素の元素記号を右の表に記したので、参考にしてほしい。詳しい元素記号の表は、[[#関連項目|関連項目]]に掲載しておいた。
 
== 物質の分類 ==
一つの物質がどのような種類の元素の組み合わせになっているか、どのような元素の集まり方によって成立しているか、といったことは当然ながら物質ごとに異なっている。具体的にある物質がどういった元素から組み合わさっているのか、といったことはこれから先で学んでいく。まずは、元素の組み合わさり方から生まれる'''物質の分類'''について記述しておく。
 
=== 単体と化合物 ===
物質は元素から構成されているが、ある物質が一様な元素のパターンで形作られているとき、それらの物質は'''単体''''''化合物'''に分けることができる。
; 単体 : 物質が一つの元素のみから構成されているとき、これを単体(simple substance)と呼ぶ。
鉄は鉄元素のみからなる単体であり、水素は水素元素のみからなる単体である。ダイヤモンドも、炭素元素が強固に結びついた単体である。こういった単体たちを、それらを形作る基本要素になっている元素の名称を用いて「炭素の単体」などと表現する。鉄や水素などからわかるように、代表的な単体が存在する元素については、その単体の名前(「鉄」や「水素」など)がそのまま日本語での元素名になっていることがある。他の例としては、銅や銀などの金属、酸素や窒素などの空気中に多い元素などが挙げられる。