「高校化学 14族元素」の版間の差分

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Cat, sty
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;ダイヤモンド(C)
[[File:Apollo synthetic diamond.jpg|left|150px]][[File:DiamantEbene01.png|right|150px|thumb|ダイヤモンドの構造]]
'''ダイヤモンド'''は無色の固体である。1つの炭素原子に対して4つの炭素原子が正四面体の頂点の方向に共有結合しており、これが多数結合した構造をしている。共有結合の結晶であることから非常に融点・沸点が高く、地球上においてもっとも硬い物質として知られる。電気は通さないが、熱をよく通す。加工して宝石とされるほか、工業的にも研磨剤などとしてよく用いられている。光の屈折率が大きい
 
[[File:DiamantTetraeder06.png|100px]]
 
{{-}}
;黒鉛(C)
[[File:GraphiteUSGOV.jpg|left|150px|thumb|黒鉛]][[File:Graphit gitter.png|right|150px|thumb|グラフェン]]
'''黒鉛'''は金属光沢をもつ黒色の固体である。炭素原子の4つの非共有電子対のうち3つを共有結合に使って、正六角形がつながった形状の薄い層が何層にも重なった結晶を作り、残りの価電子は'''自由電子'''として層と層の間を自由に移動し結合している。自由電子があることから電気をよく通す。また熱もよく通す。層と層との結合は非常に弱いため、黒鉛は柔らかい結晶である。鉛筆の芯に用いられるほか、電気分解用の電極としても用いられる。
 
{{-}}
[[File:GraphenLayer.svg|100px]]
 
;フラーレン(C{{sub|60}}、C{{sub|70}}など)
[[File:C60-Fulleren-kristallin.JPG|left|150px]][[File:C60a.png|right|140px|thumb|フラーレン]]
'''フラーレン'''(fullerene)は茶褐色の固体である。60個や70個など多数の炭素原子が球状に結合して分子を形成している。右図に示しているのはC{{sub|60}}フラーレンのモデルで、炭素原子が60個サッカーボール状に結合して分子を形成している。20世紀後半に発見された物質であり、現在研究が進められている。純粋なフラーレンは電気伝導性が無いが、アルカリ金属を添加たものが超伝導性を示すことが、分かっている。
 
有機溶媒に溶ける。
[[File:C60-cpk-povray.png|100px]]
 
[[File:DiamantTetraeder06C60-cpk-povray.png|100px|thumb|]]
 
{{-}}
;カーボンナノチューブ
電気をよく通す。
 
{{-}}
;無定形炭素
[[File:Activated Carbon.jpg|left|160pxthumb|60px]]
炭素の同素体と別に、黒鉛や[[高等学校化学I/炭化水素|炭化水素]]などが不規則に結合し、結晶状態をはっきりとは示さない状態の炭素の固体がある。これを無定形炭素と呼んでいる。木炭や石炭などがこれにあたる。左図の'''活性炭'''は多孔質で表面積が大きく、さまざまな物質を吸着する性質があるため、消臭剤などに用いられている。
 
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;一酸化炭素(CO)
炭素や有機化合物が空気中で不完全燃焼すると、'''一酸化炭素'''(CO)を生じる。実験室ではギ酸を濃硫化炭素は常温脱水して得無色無臭の気体であことが。極めて有毒、吸い込むと血液中のヘモグロビンと結合し、酸素の運搬を妨げ。一酸化炭素は水に溶けない
 
実験室での製法は、ギ酸を濃硫酸で脱水して得ることができる。
: HCOOH → H{{sub|2}}O + CO↑
 
一酸化炭素は常温で無色無臭の気体である。極めて有毒で、吸い込むと血液中のヘモグロビンと結合し、酸素の運搬を妨げる。一酸化炭素は水に溶けない。空気中で青白い炎をあげて燃え、二酸化炭素となる。
: 2CO + O{{sub|2}} → 2CO{{sub|2}}
還元性があり、金属酸化物を還元して単体にする性質がある。
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;二酸化炭素(CO{{sub|2}})
炭素や有機化合物が空気中で完全燃焼すると、'''二酸化炭素'''(CO{{sub|2}})を生じる。実験室では炭酸カルシウムに塩酸を加えて発生させる。
: CaCO{{sub|3}} + 2HCl → CaCl{{sub|2}} + H{{sub|2}}O + CO{{sub|2}}↑
 
石灰石や大理石などの炭酸カルシウムを豊富に含む物質を用いることも多い。
工業的には、石灰石の熱分解で、二酸化炭素が得られる。
 
二酸化炭素は常温で無色無臭の気体である。毒性はない。酸性酸化物であり、水に一部が溶けて炭酸水素イオン(HCO{{sub|3}}{{sup|-}})を生じ、弱酸性を示す。
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==== 二酸化ケイ素 ====
[[File:Quartz (USA).jpg|left|180px]]
'''二酸化ケイ素'''(SiO{{sub|2}})は自然界で石英として存在する。透明な石英の結晶は'''水晶'''と呼ばれ、宝石として用いられる。また、砂状のものはケイ砂と呼ばれ、ガラスの原料となる。
 
二酸化ケイ素は共有結合の結晶である。ケイ素原子と酸素原子との結合は非常に強く、固く安定な結晶を作る。また、強い結合のためか、融点も高く、塩酸にも溶けない。しかし、フッ化水素酸とは反応して溶ける。
: SiO{{sub|2}} + 6HF → H{{sub|2}}SiF{{sub|6}} + 2H{{sub|2}}O
 
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また、二酸化ケイ素は酸性酸化物であり、塩基と反応して塩を生じる。たとえば水酸化ナトリウムと反応して、ケイ酸ナトリウム(Na{{sub|2}}SiO{{sub|3}})を生じる。
: SiO{{sub|2}} + 2NaOH → Na{{sub|2}}SiO{{sub|3}} + H{{sub|2}}O
これに水を加えて加熱すると、水あめ状の'''水ガラス'''(water glass)が得られる。これまた、水ガラスに塩酸を加えると、ゲル状のケイ酸が得られる。
 
<!--
: Na{{sub|2}}SiO{{sub|3}} + 2HCl &rarr; H{{sub|2}}SiO{{sub|3}} + 2NaCl
実際は組成が安定せず、できるのがH2SiO3のみとは限らない
 
-->
このとき塩化ナトリウムが副生成物としてできるので、これを水洗して除き、加熱乾燥すると'''シリカゲル'''(silica gel)が得られる。シリカゲルは多孔質で分子を吸着するため、乾燥剤や吸着剤として用いられる。
 
{{DEFAULTSORT:ひきんそくけんそのたんたいとかこうふつ 14そくけんそ}}